_var_mobile_Media_DCIM_100APPLE_IMG_0952.JPG
 読み聞かせ&講演で訪れた

 岩手県気仙郡三陸町だった

 公民館が中心地区の越喜来にあった

 家族連れが多かった

 近くの特養の利用者の人達もきてくれた

 サイン会で地区の本屋さんが

 僕の絵本を売ってくれた

 2階の窓から波音が飛び込んでくる宿で

 地元で採れたイワガキを食べた

 ジューシーだったな

 翌年も呼ばれた

 親子を主な対象にした

 読み聞かせ会イベントだった

 大船渡市三陸町になっていた


 3.11で

 越喜来はみんな流れた

 漁協 公民館 特養は

 形骸だけが残っていた

 あとは

 宿も 本屋さんもみんな流れた


 その年の初夏

 僕は「よい子に読み聞かせ隊」

 のメンバーと

 宮城 岩手の両県の被災地を

 慰問で訪れた

 両県には

 講演や 読み聞かせで訪れた地域が多い

 5、6年は慰問を続けるつもりでいた

 4ヶ所目に訪れた越喜来は

 変わり果てていた

 被災し廃車になった車の山の前で

 僕は声もなく立ち尽くした

 形骸化した公民館を覗いた

 内部は暴虐の覆面集団の略奪跡のようだった

_var_mobile_Media_DCIM_100APPLE_IMG_0662.JPG

 越喜来小学校はペシャンコになっていた

 三陸町の無事な小学校に

 越喜来小学校のほか2校が集まり

 合わせて4校の子供達に

 読み聞かせを行った

 越喜来の子供達に

 公民館でやった僕を覚えている

 よい子はいるかな?

 と訊いた

 1人の女の子が手を挙げた

 まさかと思っていたから

 感動に襲われた

 2度目に訪れたときからでも

 10年経ってる

 12歳の6年生でもまだ2歳のときだ

 
 あれから6年が経過した

 越喜来に活気はもどったろうか

 来年

 あの子は高校を卒業するのかもしれない

 時よ 新しい輝きを越喜来に