読み聞かせ&講演で訪れた
岩手県気仙郡三陸町だった
公民館が中心地区の越喜来にあった
家族連れが多かった
近くの特養の利用者の人達もきてくれた
サイン会で地区の本屋さんが
僕の絵本を売ってくれた
2階の窓から波音が飛び込んでくる宿で
地元で採れたイワガキを食べた
ジューシーだったな
翌年も呼ばれた
親子を主な対象にした
読み聞かせ会イベントだった
大船渡市三陸町になっていた
3.11で
越喜来はみんな流れた
漁協 公民館 特養は
形骸だけが残っていた
あとは
宿も 本屋さんもみんな流れた
その年の初夏
僕は「よい子に読み聞かせ隊」
のメンバーと
宮城 岩手の両県の被災地を
慰問で訪れた
両県には
講演や 読み聞かせで訪れた地域が多い
5、6年は慰問を続けるつもりでいた
4ヶ所目に訪れた越喜来は
変わり果てていた
被災し廃車になった車の山の前で
僕は声もなく立ち尽くした
形骸化した公民館を覗いた
内部は暴虐の覆面集団の略奪跡のようだった
越喜来小学校はペシャンコになっていた
三陸町の無事な小学校に
越喜来小学校のほか2校が集まり
合わせて4校の子供達に
読み聞かせを行った
越喜来の子供達に
公民館でやった僕を覚えている
よい子はいるかな?
と訊いた
1人の女の子が手を挙げた
まさかと思っていたから
感動に襲われた
2度目に訪れたときからでも
10年経ってる
12歳の6年生でもまだ2歳のときだ
あれから6年が経過した
越喜来に活気はもどったろうか
来年
あの子は高校を卒業するのかもしれない
時よ 新しい輝きを越喜来に