輝鍼灸院☆輝ファミリーの輝日記☆

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先日、久しぶりにある患者さんから、「もっとたくさん鍼を打ってもらうと満足感があるんだけど・・」というご意見をいただきました。

 

お気持ちはわかりますが、私は「一本鍼」にこだわります。

 

患者さんの要望があれば、鍼の本数を増やしてもよいのでは?という意見もあるでしょうから、ここであらためて「一本鍼の意味」をお伝えしておきます。

 

まず、治療を行う際に大事なことは、何が原因で、どのようなメカニズムで、現在患者さんを苦しめるような症状が現れたのかを論理的かつ明確に把握することです。

 

はじめに膨大な量のカルテにご記入いただいた上で問診をし、主訴に関わる症状をお聞きするだけでなく、身体に起きている様々な異常を把握していきます。これを弁証問診といいます。

 

当院の場合、基本的に初診はカルテ記入と問診のみとなっているので、次回に来院される前にカルテをまとめてあらかじめ分析をしておきます。

 

つぎに顔面気色診・眼診・脈診・舌診・腹診・背候診・原穴診・空間診、様々な東洋医学独特の診察法を用い、身体に出ている情報を捉えていきます。これを体表観察といいます。

 

問診で得た情報(弁証問診)、身体に出ている情報(体表観察)、どちらの情報も得た上でお互いの情報を照らし合わせ、総合的に心と身体を分析します。

 

どのような邪気が、どのようなルートで、どの臓腑経絡に入り込んでいるのか?

その邪気はどの程度の深さまで入り込んでいるのか?

 

どの臓腑経絡において、どのような正気が不足しているのか?

その正気はどの程度不足しているのか?

 

正気虚と邪気実の関係性は?

ウェイトとしては、どちらが中心になるのか?

 

臓腑間におけるバランス関係はどうなっている?

空間的に診て、全体における気のバランスはどうなっている?

 

実際に治療する際は、どのツボを使い、そのツボに対してどのようなアプローチをするのか?

 

たった一本の鍼ですが、これだけの情報が詰め込まれた一本です。

 

これだけの分析を加えた上での一本の鍼。

 

その鍼で、どのような変化が起きたのか?

 

しっかりと検証する必要があります。

 

脈はどう変化した?

 

舌はどう変化した?

 

ツボの状況は?

 

主訴はその後どうなった?

 

主訴に関わる周辺の症状の変化は?

 

鍼をうった後の変化を追い、検証します。

 

この時、たくさんの鍼を打てば打つほど、どの鍼がどう効いたのか、わからなくなります。

 

つまり検証のしようがないのです。

 

検証のしようがない治療を繰り返して、論理的な治療ができますか?

 

できるわけがないんです。

 

 

これは師匠の教えです。

 

この一本の鍼に対するこだわり、明確な検証を10数年愚直に繰り返した結果、確実に腕があがっていることを実感しています。

 

いいかげんな鍼を繰り返していては、いつまで経っても進化できません。

 

10年前と比べて、今は遥かに難しい患者さんが増えていますし、そういった患者さんにも自信をもって治療にのぞめています。

 

それも、一本の鍼にこだわりつづけてきたからこそです。

 

若いころは難病を敢えて避けてきた経緯があります。

 

それは、まだまだ自分の中で納得いくほどの論理的な治療ができていないという感覚があったからです。

 

しかし、今は難しい病であっても、果敢に挑んでいけるだけの力がついていると実感しています。

 

実際に西洋医学では難病指定されているような病であっても、治療効果を出すことができています。

 

これからも、誰かにおもねることなく、自分にも患者さんにも嘘のない、一本の鍼にこだわっていくつもりです。