
日時: 2014年 5月10日(土) 2時~5時
話題: 「免疫学的自己と非自己」
--免疫反応のコントロールと制御性T細胞--
講師: 坂口 志文 先生
(大阪大学免疫学フロンティアセンター 特別教授 専門:実験免疫学)
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/index.htm
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/bf03/index-j.html
ガードナー国際賞受賞
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/activities/20150325.htm
会場: 京都大学理学研究科セミナーハウス
http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=473
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm
(上記地図の番号10の建物です)
概要:
免疫系は、私たちの身体を病原微生物から守りますが、身体を作っている正常な細胞、分子とは反応しません。では、免疫系は、自己と非自己をどのように区別しているのでしょうか。この仕組みが分かれば、関節リウマチなどの自己免疫病やアレルギーの治療・予防が可能になります。また、自己から発生した癌細胞に対して強い免疫反応を起こすことが可能となり、移植臓器をあたかも自己臓器として受容させることが可能となるでしょう。
私たちが研究している制御性T細胞は、このような様々な免疫反応の抑制に特化したリンパ球で、正常動物末梢CD4+Tリンパ球(T細胞)の約10%を占めています。正常な動物から制御性T細胞を除去すると、甲状腺炎、Ⅰ型糖尿病など、ヒトの自己免疫病と酷似した様々な病変が自然に発症してきます。一方、制御性T細胞を用いて、自己免疫病、アレルギーなど様々な免疫疾患の予防・治療が可能です。このように、制御性T細胞は免疫恒常性の維持に必須のリンパ球群です。
本セミナーでは、制御性T細胞の発見の経緯から最近の研究成果までをお話し、免疫系が自己、非自己を如何に区別し、免疫反応を制御しているか、についてお話ししたいと思います。また、最近のトピックスとして、制御性T細胞の数的な減少、抑制能の減弱を図り、免疫抑制を解除すれば、自己から発生した癌細胞に対する免疫応答を強化できる可能性と実際の医療応用についてお話しします。
講演ビデオ:
質疑応答:
参考:
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/070706_21.htm
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/