ガラスの動物園 | 楓子(ふうこ)のブログ

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自分の好きなエンタメ関係を中心に書いています。

12/17(金)シアタークリエへ行ってきました。
 



ガラスに、イルミネーションが額縁みたいな感じで映ってます。

もうすぐ1ヵ月が経とうとしていますあせあせ(飛び散る汗)

テネシー・ウィリアムズの作品は、今まで見たもので明るいものはなく(あるのか!?
どこか鬱屈とした雰囲気が漂ってるものが多いけれど、
私が見たいと思う役者さんが出演する事が多い。
『欲望と言う名の電車』『やけたトタン屋根の上の猫』で二度もピューリッツァー賞を受賞し、

アメリカ文学を代表する劇作家だから、当然といえば当然か。
演出してみたいと思う演出家さんも多いのだと思う。

今回の出演者は、この方々。

トム・ウィングフィールド:岡田将生
ローラ・ウィングフィールド:倉科カナ
ジム・オコナー:竪山隼太
アマンダ・ウィングフィールド:麻実れい

倉科さんと竪山さんは、初めて舞台を拝見すると思う。
思うというのは、最近あまりにも記憶に自信がないから…

この作品、随分前に見た事があったけれど、調べたらほぼ10年近く前だったショック

今回の舞台装置は、とても凝っていて、家の中のダイニングテーブルが左奥にあって、
右の方に、ソファがあり、その先に玄関の扉があって、外を出ると上の道へと続く階段がある。

麻実さん演じるお母さんが、とても特権階級の意識が高く、昔を懐かしむ傾向にあるけど、
社交的で、時折、とてもチャーミングでどこか憎めない人だった。
足の悪い娘を、なんとか元気づけて、結婚相手を探してあげたいと思ってる。

倉科さんは、勝手に身長が高いと思っていたから、意外と小柄だった。
まぁ、今回は男性陣が二人とも180センチ越えてるから、余計そう見えたのかもしれない。
つい最近見ていた、テレビドラマで見る倉科さんとは違い、
とても臆病で、夢見る夢子ちゃんみたいで、ガラスの動物園をこよなく愛する女性。
弟の同僚ジムが、昔憧れた人で、とてもいい雰囲気になりそうだったし、
彼女のいい所を引き出してくれる人に思えた矢先に、叶わぬ夢となるのは、哀れでしかない。
娘を幸せにしてくれる男性かしれないと同じように思った母親アマンダも、気の毒だった。

ジム役の竪山さんは、実に紳士的で、とても優しくて、向上心があって、
じっくり話を聞いてくれて、人の長所を伸ばしてくれそうな人を演じてた。
実際、いたら、さぞかしモテるだろうという雰囲気の人だった。
良くも悪くもいい人で、その優しさを他人は勘違いしてしまいそうなタイプ。

そして、語り手でもあるトムも、日々変わる事なく靴工場に勤めて、
好きな事を生業にできない事にもがきながら、家族を支えてるのは、
どこか家族の犠牲になっている感じが否めない。
家族を捨てて、どこかへ行ってしまった父親が一番タチが悪いけれど、
トムも、結果同じ道を歩んでしまったとなると、残された女性2人は、不憫でならない。
仕送りくらいは、してあげたのだろうか…
トムは、2人の事を気にもせず、思う存分自分の為だけに生きて、幸せだっただろうか。
離れてみてこそ、お母さんのうるさい小言も、常にびくびくしてる姉も、懐かしく感じて、会いたくなったりはしなかっただろうか。

今までの生活を変えてくれる一筋の光明として、ジムが登場したのに、
すぐに幻のように消えてしまう事になったけれど、ある種のきっかけになったと思う。

決して憎みあってるわけではなく、家族が肩をよせあって、生きていて、
どこかにほんの小さな喜びを感じながら、もしくは見つけようとしつつ、
変わりばえしない日々であっても、健康ならば、それだけで幸せかもしれない。

コロナで生活が一変して、早や2年。
どうってことない平凡な毎日すらも、本当にありがたかったなぁ~と思うからこそ、
当たり前すぎて、気づけなかった幸せもあると、しみじみ思う。

違う劇場、違うキャストで、10年前に私が見た時とは違い、
こんな世の中になってみる「ガラスの動物園」は、
大事にしておきたい心の中の思い出みたいに、たまに出してみたいものだった。

12月だったから、クリエちゃんが、クリスマス仕様になってました。

 



公式HPは、こちら
https://www.tohostage.com/glass-menagerie/index.html