何というか・・・彼女を悼む適切な言葉が見つからない。
彼女がフジテレビに入社したのは88年。
僕が大学に入学した年だ。
受験が終わり、はっちゃけ全開、バブルも全開。
F1グランプリに中嶋悟がフル参戦し、フジテレビでの全戦放送も大いに盛り上がっていた。
プレリュード、ソアラ、シルビア・・・過剰な開発資金でハイソカーの販売も相次ぎ、学生も色んな車に乗ってたな。
女子アナブームに火が付いたのもこの時期。
日本全体が浮かれたお花畑状態だった。
ある意味、有賀さつきさんは、そんな時代の象徴だった。
そんな彼女も、52歳になり、結婚、出産、離婚。
シングルマザーになった彼女は。。。
僕も今年50歳になる。自分の命を見つめ直すことになるような大病も経験した。
彼女は闘病を父親にも伝えていなかったそうだ。
なぜ!?
と、一瞬思うけど、その気持ちは痛いほど分かる。
自分も、今回の手術、入院は両親に一切伝えていない。
病床で点滴を受けている時、母からメールがあった。
「元気か?まだ走ってるのか?」
とのメールに、
「元気だよ、毎日走ってるよ」
と伝えた。年老いた母に心配はかけられない。僕も、そう強く思った。
母の口癖は「親よりも早く死ぬことが一番の親不孝」と。
1人、病床で天井を見つめ、彼女は何を思ったであろうか。
父親のこと、娘さんのこと、これまでの人生のこと、色々なことが頭をよぎったであろう。特に、中学生の娘さんには、伝えたいことが山ほどあったことだろう。
15歳の娘さんに伝えたかったこと
18歳になった娘さんに伝えたかったこと
20歳になった娘さんに伝えたかったこと
結婚する娘さんに伝えたかったこと
母になる娘さんに伝えたかったこと
胸が詰まる。
ご冥福をお祈りいたします。