海老蔵さんちの麻央さん | ふうせんのブログ

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小林蕗子のブログです。2013年5月に始めたときはプロフィールに本名を明示していましたが、消えてしまいましたので、ここに表示します。。
主に歌舞伎や本のことなどを、自分のメモ的に発信したいなあって思っています。よろしく!!

みなさんご存知のように、6月22日の夜、市川海老蔵さんの最愛のご伴侶・麻央さんが旅立たれました。
23日は、朝から情報が飛び交い、午後2時半には、海老蔵さんの記者会見がありました。
海老蔵さんが「麻央は、…旅立ちました…」と報告されましたから…。

私は、言葉もなく、涙をのみこむばかりでした。

前回のブログで書きましたように、記者会見の後、私は渋谷のシアターコクーンへ、市川海老蔵・第四回自主公演・ABKAI『石川五右衛門外伝』にでかけました。
劇場からの帰り道は、行くときの身体の重さがウソのように、すっかり軽くなっていました。
海老蔵さん、出演者の皆様、スタッフの方々、私なんぞよりはるかに重い心と身体だったと思います。
それを乗り越えて、いつもとおなじように楽しい舞台を作ってくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいでした。
そして、悲しい時こそ、お芝居やコンサートで、「無心になる」ひと時を過ごすことが大切なのだと痛感しました。

「無心になる」ひと時をもったことで、私の頭の中は平常心に戻っていました。
劇場に入る前は、海老蔵さんのこと、幼いカンゲン君とレイカちゃんのこと、娘に先立たれたご両親のお気持ち……を考えていましたけれど、
我に返ると、なぜか、麻央さんのことをあまり考えていなかったことに気づきました。
私は、麻央さんが亡くなったこと自体を受け入れたくなかったのかしら…

いいえ、麻央さんには、亡くなられても、まだまだ働いてもらわなくちゃ! という想いが強いのです(笑)。
〈麻央さんは空の彼方に飛んで行って…、神様になられて…、私たち俗人の目には見えない存在になってしまったけれど…、「どこでもドア」で、海老蔵さんや幼いこどもたちのところに飛んできて、しっかり見守ってくださいね〉
だから、永眠されては困るんです。天国でのんびりされては困るのです。
というわけで、前回のブログでは
【「麻央さん、ありがとう」と、大きな声で言いたいです。】そこから書き始めたのです。
「安らかにお眠りください」なんて、まったく思いつかなかったのです(笑)。

――――――――――――
23日に帰宅して、海老蔵さんのブログを見ると、ありました。
【なんか】2017-06-23 13:42:04のブログです。
〈今日は麻央と一緒に舞台に立ってるような感覚です、、気のせいでしょうが  とても温かく  感じます、〉と。
早速麻央さんはお仕事を開始されていました。

――――――――――――
その日の夜11時から、日本テレビのニュースZEROで、アナウンサー時代の麻央さんの姿を観ました。
さらに麻央さんのブログを紹介しながら、そのお人柄を伝えるコーナーの中で、突然

☆――――――
例えば、私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。
「まだ34歳の若さで、可哀想に」
「小さな子供を残して、可哀想に」
でしょうか?? 私は、そんなふうには思われたくありません。…」
                   ――――――――☆
あらっ、そういうブログがあったかしら…
次の日から私は、麻央さんのブログを最初から順番に見ていきました。
〈麻央さんのブログは「生きる」という決意とともに、「奇跡を起こす」という祈りに満ちたものだったはず。だから「今死んだら」という仮説で書かれたものはなかったはず〉なんて、思いながら探したせいか、なかなか見つかりません。
でも、ありました。


【BBCサイト】 2016-11-23 17:50:11のブログでした。
「BBCからお声がけ頂き、寄稿した記事がサイトに更新されました」とあって、
そこにリンクされている日本語記事を開くと、上記の内容がでてきました。こちら☆

※BBCとは、British Broadcasting Corporation、英国放送協会のことです。


今改めて読み返すと、麻央さんの姿が、ふわーっと浮かび上がってきます。
全文は長いので、先ほどの続き、ラストのところだけ、コピーして貼り付けます。でも、全文読んでくださいね。
☆―――――――
なぜなら、病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。
私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、
愛する人に出会い、
2人の宝物を授かり、家族に愛され、
愛した、色どり豊かな人生だからです。
だから、
与えられた時間を、病気の色だけに
支配されることは、やめました。
なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。
だって、人生は一度きりだから」。
                  ―――――――☆

涙なんか出している場合ではないです。
麻央さんの、素晴らしい人生が、私の胸に迫ってきました。
そうなんですよね。34年という短い人生だったけれど、麻央さんは「色どり豊かな人生」に満たされて、現世から旅立ったんです。

海老蔵さんとお別れするときの言葉が「愛してる」。そこには悲しみの響きは全くなくて、とてもアクティブに感じられたのです。
だから私は、麻央さんに〈まだまだご家族のみなさんを愛してもらわなくちゃ! 働いてもらわなくちゃ!〉って思っていたのです。

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カンゲン君とレイカちゃんのことも、私はそんなに心配していません。
「三つ子の魂、百まで」。
二人の魂は、愛にあふれる麻央さんから、既にしっかり受け継いでいますから。
これからも、見えないところで、麻央さんの愛で包まれることと思います。

海老蔵さんのブログに登場する二人の姿を見ると、麻央さんがどんなに愛いっぱいに育ててこられたのか、伝わります。
いや、「子育ては夫婦仲がよいこと」が基本ですから、もちろん海老蔵さんの力も大きいです。
そして、ご家族のみなさん、堀越家のみなさん、小林家のみなさん、また、歌舞伎の家ではお弟子さんを含めた成田屋のみなさんがいらっしゃるではありませんか。
さらに歌舞伎界全体を見回せば、家の垣根を越えて、みんなで子どもを育ててきた歴史があります。
3月や5月の歌舞伎座で、カンゲン君とレイカちゃんがまほろ君と遊んでいたり、お弟子さんたちに遊んでもらったりの様子が、海老蔵さんのブログに出てましたよね。
二人のお子さんは、素晴らしい環境で育っていくのです。

海老蔵さんのブログでは、
24日は、二人のこどもたちに元気を貰ったり、…こちら☆
25日の朝は、突然泣き出すカンゲン君に戸惑ったり、…こちら
26日は、勸玄くんの気持ちと、麗禾のこころを綴ったり、…こちら☆
27日と28日は、レイカちゃんが幼稚園から帰って泣いたこと、…☆
そのほか、様々な想いが綴られています。

カンゲン君だって、レイカちゃんだって、泣くのは当たり前のことで、泣かなかったら逆に心配ですよね。
海老蔵さんは自分の「力不足」だと、沈んでいますけれど…
「そんなことはないわよ」と言ってあげたいけれど、今はそのままのほうがいいですね。
今、海老蔵さんが悲しむのも、悩むのも、苦しむのも、あたりまえのこと。
こんなふうに想いのたけを、みんなの前に曝しだすことで、それらは過去のもになって、明日へと進んでいけるのだと思います。
私は、そうよね、そうなの、…と、寄り添う気持ちで、言葉のひとつひとつをただ頷いて見ていくだけです。

その先には、麻央さんの前向きな笑顔が待っていると思うからです。
海老蔵さんちには、麻央さんが生きています。麻央さんの魂に包まれているはずですから。
私が悲しんだり、二人の子どもの心配をする必要がないほど、麻央パワーは強いのだ!!

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以上は、この数日、私自身が今回の辛い出来事を乗り越えるために、自問自答しながら綴りました。
そして、これらを過去のものにするため、ブログアップします。

書き終えて、私自身が麻央パワーに包まれて、明日から元気になれそうです。

7月歌舞伎座は、3日初日に夜の部のチケットを用意しています。
その後も数回行く予定で、とっても楽しみです。

ABKAIの『石川五右衛門外伝』以来、すっかり海老蔵さんちの皆様と仲良しになって、悲しみに寄り添ってこられた山田純大さんのブログ【ブログをお借りさせていただいて】は、とっても元気が出る、海老蔵さんへのメッセージです。
是非、ご覧ください。こちら→http://ameblo.jp/jundai-yamada/entry-12287537930.html

市川九團次さんのブログ【おはようございます!】では
「若をのせた神輿を 私たちはしっかり担ぐ!」と力強いものでした。
こちら→http://ameblo.jp/akimoto-michiyuki/entry-12287958115.html

 

海老蔵さんのお仲間のみなさん、頼もしい!!

 

悲しみを乗り越える歌舞伎役者・市川海老蔵については、今後少しずつ書いていきたいと思っています。

 

では、おやすみなさい。