急反発も凪状態・・・凪の方が安心なのか? | 株式祇園精舎

急反発も凪状態・・・凪の方が安心なのか?

今日の東京株式市場は大幅反発しました。


今日の指数:
日経平均 15,513.74(+359.96)円
TOPIX 1,514.47(+38.83)
Vol. 194639万株
225先物 15,570(+410)円
225mini 15,560(+395)円


日経JASDAQ平均 1,751.92(+12.83)円
マザーズ指数 893.39(+17.12)
ヘラクレス指数 1,302.31(+18.08)


USD/JPY(16:00) 110.15-20



何だか疲れる相場が続いていた昨今、今日みたいな急反発でそのまま凪状態の相場の方が返って精神的に安心だったかもしれません。先物の値幅はなんせ上下110円におさまったですからね。凪相場ですから場況は短めです。


昨日のNY市場は大幅続伸、DJIAは331ドルの上げ、4年半ぶりの上昇率を記録し、13,000ドルの大台を回復しました。


コーンFRB副議長(Reuters)


コーン氏

コーンFRB副議長が講演で、現在の経済見通しを巡る不透明感が非常に強いことから、「柔軟かつ実利的な政策の策定が求められている(flexible and pragmatic)。数週間前は素早い(nimble)対応という言葉で表現していた」と延べ、FRBの副議長の発言が追加利下げが必要となるかもしれないということを示唆したことから、12月のFOMCでの追加利下げへの期待から全面高となりました。


DJIAの日中足


DJIA Tick

CME225Fの15分足


CME225F 15min


但し、10月中古住宅販売は市場予想通りだったものの、10月耐久財受注はエコノミストのコンセンサスを下回り、さらに米東部時間15時に発表されたベージュブックでは、住宅在庫のだぶつきが住宅価格を押し下げ、信用収縮で住宅購入が難しくなる中、米経済成長は10月から11月中旬に減速したとの内容となり、経済成長への不安も滲ませる内容となりましたが、逆に利下げ期待を助長させる形で上げ幅を拡大させていく展開となりました。CME225先物は大証比375円高の15,535円となりました。



市場筋による寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、売り3370万株、買い3800万株、差引430万株の買い越し、金額ベースでも買い越しとなりました。株数ベースでの買い越しは20営業日ぶりとなりました。各社共通の売りセクターは不動産。買いセクターは薬品、証券との観測となりました。朝方はメガバンクが買い優勢、輸出関連株も買い優勢となっていました。大証よりも15分早く始まるSGX225先物市場では15,510円で寄り付き、その後はもみ合いとなっていました。そして8時50分に経済産業省から発表された10月の鉱工業生産指数は、


前月比 +1.6%


となり、市場予想の中心の+1.7%とほぼ同水準、また生産指数は過去最高を更新しました。これが安心感として捉えられ、下値を支える要因となりました。オープニングでは先物は買い気配で始まり、15,520円で寄り付きました。現物のSQ値は前日比346.15円高の15,499.93円(これがメジャーorマイナーSQ値ならまさに神業的)となりました。その後先物は15,540円まで買い進まれる展開までありましたが、現物がこのSQ値となっていたため、割高な先物を売る動きもあり、その後は9時13分に15,460円まで売られましたが、下値では現物勢の買いが入り底堅さも感じさせる展開となりました。その後は15,500円という心理的なフシ・オプションの権利行使価格であることから、その値と現物のSQ値を巡る売り方と買い方のにらみ合いの展開となっていき、9時台は15,470円から15,510円までの間での狭いレンジでのもみ合いとなりました。そして10時になると為替がさらに円安となり(仲値でドルの実需勢の買い需要があったとの見方がある)、1ドル110.30円あたりとなったことを受け、現物に買いが入る形でSQ値をブレーク、先物にも買いが入る展開となり、現物も15,500円を固めていく展開となりました。


10時8分からの先物の歩み(大口買い)
10:08 15,510@184枚
10:08 15,520@679
10:08 15,530@381枚
10:08 15,540@100・100・156枚


このような形で15,550円まで買い進まれましたが、目先頭が重い展開となり、次第に高値圏でのもみ合いとなりました。一旦15,500円のフシを割り込む場面もありましたが、買いが継続して流入し、高値圏での推移のまま前引けとなりました。


225先物 日中足


225F 5min

SGX225先物 日中足


SGX225F 5min

USD/JPY 日中足


USD/JPY 15min

円債先物 日中足


JGBF Tick


昼休み東証立会外のバスケット取引は879億円成立し、市場では「買い決め優勢」との観測となりました。また円安進行やアジア市場が大幅高で始まっていたことを受けて後場寄り前のSGX225先物市場では15,525円で寄り付いたあと買い優勢、一時15,580円まで買い進まれる場面まであり余した。後場寄りは先物で50円のギャップアップ、現物は35円ほど高いところで寄り付きました。その後売りが出され、15,520円まで売られる場面があるも15,500円を割り込まず推移していきました。しかし13時台に入り、やや為替が円高傾向に進んでいくと先物に売りが出され、一時15,470円まで売られる場面がありました。しかし、終始そのラインを割り込まず推移していきました。その後は15,000円を挟んでの非常に狭いレンジでの取引となっていきました。13時台は為替睨みの展開、片足109円台に入る場面もあり、15,470円から15,510円までの間での推移となりました。この動きは14時台に入っても継続しましたが、14時13分に15,530円まで買われ、その後は15,510円から15,530円までの間での非常に狭いレンジでの取引となり、膠着状態となりました。14時42分に上値の重さを嫌気した売り物が出され、15,500円を割り込む場面もありましたが、買いが継続して入る展開となっており、その後引けに掛けて再度15,500円を固める展開となっていきました。大引けのインデックス売買では売り27本、買い30本、差引3本の買い超となり、現物の大引けはアップティックで取引を終えました。TOPIXは11月8日以来引けで1,500ポイントを回復しました。その後の先物市場では買い戻しの動きが入り、結局225では高値引けとなり、現物に対して225では56.26ベーシス、TOPIXは5.03のプレミアム(順鞘)状態で引けました。


その後のイブニング・セッションでは売り先行で始まり、日中取引終値比20円安の15,550円で始まりました。しかし、為替市場で円安が進み、一時110.25円まで買い進まれると次第に買いが入り、その後欧州市場が堅調で始まり、さらに一時GLOBEX NASDAQ100先物が小幅ながらもプラス圏で推移する展開となると、買いが進み、18時6分には一時15,610円まで買い進まれる展開もありましたが、さすがに15,600円台を買いあがる動きには慎重な感じとなりましたが、15,580円のところは底堅く、結局高値圏で推移し、日中取引終値比30円高の15,600円で引けました。先物に関しては、日中取引の値幅が110円、夕場の値幅は90円、体感的には夕場のほうが動きがあった形となりました。



商いはSQ値を挟んで現物は上下50円程度の動き、あまりに値幅のない展開でしたので、それ程盛り上がらない形となりました。出来高は19億4639万株、売買代金は2兆5871億78百万円となりました。225先物市場では値幅がなかった割には活況の目安となる10万枚を突破、10万248枚となりました。朝方に9000枚程度の商いをこなしたり、さらには大引けで5215枚の商いが出来たことが出来高を嵩上げさせました。225miniは21万5032枚となりました。


オプション市場ではコール16,000円、16,500円が活況となりました。


225オプション 相場表


225OP 相場表


今日のところは、全般商いは薄いものの、先高期待からコール16,000円や16,500円に積極的な買いや買い戻しが入る展開となりました。プット16,500円に関しては、一時20円まで伸び悩む場面があるも、対象原資産が15,500円を固めていく展開で上昇し、結局20円高の30円で引け、僅かながら16,500円以上のSQ値の可能性もありうる構図となっています。また、プット16,000円は前日比65円高の125円(夕場では150円)で引けており、SQ時点で16,000円までの戻りの可能性を付けに行く形となりました。一方でこれまで相当高かったプットサイドのプレミアムが大きく下落していきました。僅か3日前に240円まで買い進まれていたプット14,500円に関しては前日比70円安の70円で引けました。しかし、プットに関しては大きく下落したとはいえ、昨日までのプレミアムが高かったせいか、IVが鋭角的に上昇していく形となりました。一方でコールサイドのIVは低下し、コール・プットのニア・ザ・マネーで算出したIVは2.74pt低下しました。このあたりはこれまで乱高下厳しい展開となっていましたが、一応の戻りによって下値不安が後退した形となりました。建玉動向ではコールで手仕舞いの動きが活発となり、プット15,500円で1091枚増加が目立ちました。このあたりはATMのゾーンが15,000円から15,500円に移行したことにより各業者のポジション調整が行われる形となりました。



新興市場は続伸しましたが、一部市場よりはやや伸び悩みの展開となりました。地合は良かったのですが、ネット関連に買い疲れ感が出ており、利益確定売りが出され頭が重い展開となっており、ディーラーなどの目先筋はより値動きが良い主力株(メガバンクが4~6%動く展開)に資金が向かった物と思われます。



今日のところは、東証一部で、


値上がり 1,449銘柄
値下がり 203銘柄
変わらず 66銘柄


騰落レシオ(25DMA) 84.83


となり、ほぼ全面高商況となりました。今日のところは大型株が強い展開となり、


大型(+2.94%) > 中型(+2.19%) > 小型(+1.88%)


といった順となりました。業種別では33業種中31業種プラスとなりました。欧州委員会の建築ガラスカルテルで各社に課徴金が決定して悪材料出尽くしとなったガラス・土石が5%の上昇となり、以下その他金融、証券、銀行などの内需系が高い展開となっていました。反面空運、鉱業が小安い展開となっていました。また、今日のところは225型の値嵩株、バリュー系、リバーサル系いずれも強い展開となっていました。


TOPIXではプラス寄与度トップは8306 三菱UFJ となり、以下7203 トヨタ7974 任天堂 の順、この3銘柄で指数を6.102ポイント押し上げました。上位20位以内にTOPIX Core30採用銘柄は実に15銘柄も占めており、このあたりが中心に物色されたという感じです。反面、マイナス寄与度トップは(少し珍しい...)9020 JR東日本 、以下9021 JR西日本9735 セコム の順となり、この3銘柄で指数を0.376ポイント押し下げました。上位にはJRやサービス、医薬など外部環境を受けにくい銘柄が小安い形となっていました。225では6762 TDK がプラス寄与度トップとなり、指数を14.790円押し上げました。指数を10円以上寄与した銘柄は6銘柄となりました。反面、マイナス寄与度トップはセコムとなり、指数を5.341円押し下げました。



今日のところの相場に関しては、今まで日本株に対してアンダーウエイトしていた外国人投資家がウエイトを高める動きがあったようです。やはり、この背景には株式市場のボラティリティの低下があります。基本的に外国人や国内機関投資家はボラが高い時に株を売る、もしくは買い控える動きがあり、そういったときには予想変動率の低い債券を物色する、いわゆるフライ・トゥ・クオリティーの動きが活発となりやすく、ボラが低下すれば株も物色されます。日本株に対してはPBRやEV/EBITDA倍率などの指標が世界で最も割安とされていますし、PERにしても米国なみといわれてはいますが、イールドスプレッドという尺度で考えれば割安なものであり、決して魅力を感じないはずはないものと思われます。その証左として、ドバイ・インターナショナル・キャピタルが6758 ソニーに投資しているなんていうことを発表したりしており、こういったSWFなどの余剰資金を持ったファンドの物色の対象となっていることは明確だと思われます。しかし、サブプライムに揺れ動き、ボラが高い相場では、いくらこういったマネーを持っていたとしてもなかなか物色出来ない、そんな環境となっていたものと考えています。今週の火曜日のビスタニュースでも掲載しましたが、外国人投資家の行動として株式市場のボラが低い時に買いを入れ、高いときには売りもしくは買い見送りの行動をとることは、対内株式投資とVIX指数の推移をみれば相関関係にあることがわかります。


対内証券投資とVIX指数の推移


VIX指数と対内株式投資

ここ5日間のVIX指数の推移


VIX指数


そして、直近VIX指数が大分低下したことから外国人が日本株のウエイトを高めてきたのが今日の動きだったといえます。



しかしながら、やはり日本株の戻りはNY市場に対して鈍い感は否めません。これに関しては、今日のNQNニュースで興味深い記事が載っていたのですが、NY市場では直近信用売り残が相当たまっており、下値で買い支える主体が相当強く、好材料が出ればショートカバーが効きやすいことがあげられます。


11月半ばの信用売り残動向

・NYSE +3.8%
・NASDAQ +1.6%
・DJIA構成銘柄 +4.4%
・とりわけ金融株、AIG、Cに信用売り残が増加している


反面、日本株に関しては主力株なんてほとんど買い残が重い銘柄ばっかりという感じもあって、戻りは鈍く下げが大きいという構図があり、このあたりの差は個人的には信用需給が相当大きいファクターではないかと考えています。日経など各種メディアや雑誌をみても、日本株の出遅れに関してはいろいろ理屈をつけて要因を説明するストラテジストや評論家が多いのですが、信用需給の違いを指摘する向きがあまりに少ないなぁ、という感じもします。



最後に投資主体別売買動向が公表されましたので、簡単に触れておきます。


07年11月第3週(11/19~11/22) 単位:千円
投資部門 売り シェア 買い シェア 差引
総計 11405833259 <100> 11414858987 <100> 9025728
自己計 3003704467 <26.3> 3185337525 <27.9> 181633058
委託計 8402128792 <73.7> 8229521462 <72.1> -172607330
[委託計うち]個人 1756987937 (20.9) 1653951495 (20.1) -103036442
[個人うち]個人現金 724250387 (8.6) 681167243 (8.3) -43083144
[個人うち]個人信用 1032737550 (12.3) 972784252 (11.8) -59953298
[委託計うち]外国人 5718538605 (68.1) 5466752884 (66.4) -251785721
[委託計うち]証券会社 137735445 (1.6) 130871564 (1.6) -6863881
[委託計うち]法人計 788866805 (9.4) 977945519 (11.9) 189078714
[法人計うち]投資信託 149377826 (1.8) 162595407 (2.0) 13217581
[法人計うち]事業法人 88754903 (1.1) 126056135 (1.5) 37301232
[法人計うち]その他法人等 17942497 (0.2) 23586653 (0.3) 5644156
[法人計うち]金融機関計 532791579 (6.3) 665707324 (8.1) 132915745
[金融機関計うち]生保・損保 12562713 (0.1) 22548107 (0.3) 9985394
[金融機関計うち]都銀・地銀等 6528313 (0.1) 22469785 (0.3) 15941472
[金融機関計うち]信託銀行 500547630 (6.0) 605257308 (7.4) 104709678
[金融機関計うち]その他金融機関 13152923 (0.2) 15432124 (0.2) 2279201



外国人は売りに出すというのはヘッジファンドの決算期でもありましたので、仕方がないところではありますが、次に多かったのはやはり余力がきつくなった個人でした。個人信用は仕方がないものの、安値圏で個人現金が売ってきたのですから、やはり二段下げって効くなぁ、という感じです。



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