入院中、食べる量はほんの少しです。付き添いで毎晩一緒に泊まっています。昼に一度だけ帰宅をして夫が食べた物を作りとんぼ返りで病院です。一度だけ長女が変わってくれました。

痛みはその時に依ってですが、フェントステープと座薬で落ち着き、直ぐに対応してくれるので病院だと安心できます。

ラーメン好きでしたので、ダメ元で病院の食堂で食べました。

院内をお散歩もしました。夜中は相変わらず眠れないと言って眠剤で1~2時間は寝ていました。

看護師のYさんは夫に一番やりたいことを確認しました。

私の予想通り、夫は母親に会いたいだけです。S先生からは無理と断られましたが、Yさんは先生を説得しました。どこの病院でも診てもらえる診断書を用意するのでお母さんの所にいきましょう、と言ってくれました。ただし、死ぬ覚悟もしてね、と付け加えてます。車で順調に言って6時間、私の兄が運転を引き受けてくれました。途中まで義兄も迎えにきます。お膳立てが出来たら、夫は「そんな恐い思いをして行きたくない、お袋には申し訳ないけど行かない」と言い出しました。私は内心ほっとしました。痛みのコントロールや万が一を考えると不安でした。

Yさん、第二段階の望みを聞きます。夫は家に帰りたいのです。

以前に介護認定を申請してましたので、Yさんの指示で介護に必要な物を揃えて夫にとって万全の環境にして下さいとのことです。

ケアマネジャーを探し、ベッドを始め点滴台などを搬入しました。

在宅の看護師さんはこの病院の在宅看護でお願いし、そちらの看護師さんを含めカンファレンスが組まれました。24時間の点滴や薬を管理してくださる薬局も決めます。大忙しでした。お医者さんは在宅看護チームで馴染みの方にお願いします。このお医者さんが最悪だったのです。

 

どうにか準備が整い、6.23、早々に退院です。今までになくお世話になった看護師さん全員が夫に挨拶をしてくれました。師長さんYさんは私に「困ったら、直ぐに戻っていいのですよ。頑張り過ぎないで下さい。明日でも受け入れますからね」心強い言葉をくれました。

私は感謝の気持ちを伝えお礼をしました。師長さんは涙目で「患者さん本人と家族がこんなに頑張るとね、応援するしかないのよ」家族全員を褒めてもらい身の引き締まるのを感じました。

車で家に着くと早々に看護師さんが来ました。在宅看護の師長さんは子供の習い事で顔見知りの方で、担当は30代のO さんです。なんとYさんも居ます。退院する時にサプライズがありますからと言ってました、Yさんが来てくれて夫は大喜びです。夫の身体の状態や困った時の対応方法等々、確認を終えて帰られました。二日に一度来てくれます。次は在宅のお医者さんとその看護師さんきました。50半ばで女〇医大に居たことを自慢して夫が信頼しているH先生を君付けで呼び横柄な印象ですが、お世話になる立場ですから夫共々に丁寧な応対をしました。週に二回の予定で来ます。

夫が凄く気を遣っているのが嫌でした。と言うより、癌性疼痛の患者にそこまでさせる態度に腹が立ちました。(後々、私は喧嘩をすることになります。)

やっぱり家はいいなあ~、痛みが落ち着いている時はいつも通りの夫なんです。トイレやお風呂は一人で大丈夫なんです。なのに日に日に症状が変わります。出来ることをしなくちゃ、そんな毎日でした。子供達は大学が終わると急いで帰ります。協力を惜しまずしてくれます。お父さんに居て欲しい気持ちだけです。

 

痛みの限界、在宅で痛みのコントロール限界、、

次回に続きます