こちらに戻ってきて、満たされるべきものは満たされた。

あちらになくてこちらにあってといったものはどんどん拾えたし、
それでいて生活の一部になっていることのありがたみも薄れてきていることは、
かなり幸せなんだと思う。

ただ、戻ってきてからはなにか描けなくなったものがある。

よほどのプライオリティを帯びないからして、判断材料にたつこともないそれは、
多分、この後の自らの人生には必要がないもの。

ただ、それはひとつの諦めがどうしても付随してしまうもの。

本当にこれでよかったのか?というありきたりかつ、これまた長い付き合いの命題は、
なくなることがないにしても、やはり「生活」が形作られるその片隅には見ないフリしか出来ない、
でも間違いなくそこにあり続ける疑問。

今、動いたとして、また新しく同じ言葉の命題が繰り返されるのは分かってる。
でも、あちらとこちら、どちらが土台になるべきかというのは、
多分、身が二つにでもならない限り、答えは持ち得ないんだと思う。

本当に大切なものというのは、常に変わり続けるものだと考えているんだけど、
無いものばかりを抽出してしまっては、多分永遠に満たされることはないんだろうな。

たとえ、それが世界を舞台にしたとして、解決はされない。

かつてあった、唯一の解決方法を拾いきれなかった人間は、
ある程度の後悔とともに歩んでいくこと。
それを理解しつつも、なにか掴みかけてる自分に、やきもきさせられてます。