梵語-4(字母と発音) | 先祖を尋ねて

先祖を尋ねて

姓氏のご紹介はほぼ終わったので、日常雑事、架空の物語、政治経済など気儘に書き込む。
参考資料、文献などは要所に集約して示す。

梵語-4
詩歌

字母と発音
(サンスクリット入門-4)


 昨日の50音図は吉備大臣が奈良時代から、
初心者向きに残してくれたものだが、野球に例えると
キャッチボールに相当する。(^O^)
準備運動や練習には必要であるが、
やや早合点する人には百害がある(笑)。

まとめると次の通り:
(1)基本字母は51個ある。異体文字も別にある。
(2)発音は中天音、南天音の2種類あるので、
  51×2=102種類、以上ある。初心者は中天音で。

(3)発音記号はカタカナでは無理。ローマ字が比較的
 正確だが、表現できないものも多いので、
 発音記号の上及び下に(-)や(・)付けたり、
 (h)を挿入する。これらは中国ではなく、西洋の
 言語学の習慣であろうと思う。

(4)梵語の御経や原典は、チベットや中国にも残らず、
 日本にのみ残されている。

(1)基本字母
  ツリー状に表現される。悉曇字母.jpg

(光注:)
①悉曇(シッタン)学はサンスクリット字母の形や音韻の学問。
 悉曇字母とはダブった表現だが、文字と音の意味。
 字母51個が合成されて、数百万の文字になる!!
②母音のことを、摩多(マタ)文と呼び16個ある。A表、B表に。

③子音(シイン)と云う書物もあるが、父音(フイン)字母と呼び骨格に
 なるので、体文と呼び35個ある。解説テキストでは
 点線の□で示される。○ではない習慣です。

悉曇A表.jpg悉曇B表.jpg
図5.A表。------------------図6.B表。


悉曇C表.jpg 悉曇D表.jpg
図7.C表。------------------図8.D表。

 眺めるだけで十分ですので、カタカナの読みを割愛。
昔の中国の漢字は、可なり正確に音写できる様子です。

日本語は少ない母音で、ヤ行、ワ行は半分以下になり、
発音できない、聞き取れない民族になりました。


その国にだけ、サンスクリット文化が残されているとは
皮肉なことですね。

【参考、引用文献追加】
①徳山睴純著「梵字の書き方」木耳社刊 昭和60年
②大マンダラ展資料 古代オリエント博物館 サンシャインシティの文化会館
  年度不明なるも昭和60年頃であろう。m(_ _ )m
(続く)