佐藤青南
中公文庫
2021年7月発行
佐藤青南さん、前回はこちら
別のシリーズも読んでみよう、と思いまして・・
題名にも惹かれましたしね。
死体が見つかったのは都内の小さな公園。
彼は・・死亡する直前に東亜フィルハーモニーの演奏を聞いていたことが判明。
服装はクラシックコンサートに出入りするような格好ではありませんでした。
捜査一課の音喜多弦は所轄の鳴海桜子と共に捜査を担当します。
これがですね・・鳴海桜子と言う刑事がなかなかの変わり者でして・・
そもそも音楽隊志望で警察に入り・・ずっと異動願いを出していると言う・・
その上・・音喜多と似たような格好をしてる人がいるとそちらについて行ってしまう。
2019年11月の現在と・・1984年の過去が交互に語られていき・・
過去の部はピアノ教室に通っている小学生の女の子とその同級生男子のお話
ある時2人は連弾をして・・
450ページ以上もある長編です。
いやもう・・鳴海の刑事離れしてるところもすごくて・・
天然ボケみたいなところも多く・・人の顔は覚えないし、食欲はいつも旺盛
それでも観察力は凄いし相手の懐に飛び込んで気に入られてしまう
絶対音感があって・・聴取した人物の声の音程から「おかしい」と気づいたり
過去の部もなかなかの圧巻で・・いじめ、虐待、殺人
はあ・・結構複雑な筋なのですが・・ぐんぐん読ませる筆力があって。
時を超えた愛憎と狂気が渦巻く、慟哭の傑作ミステリ
とカバー裏にありましたが、まさにその通りでした。
いや、何度かじっくり読み直したいかも。