前回に続いてサクラカーの謎のバス、今回はそのバリエーションモデルで、明らかに当時の神奈川中央交通仕様のモデルです。前回の2種と同様に謎に満ちたモデルで、長年に渡り私を悩まし続けて来た1台です。

このモデルを初めて知ったのは、小学6年の時に手にした『魅惑のミニチュアカー8000台 芸文社1978年刊』と言う当時流行っていたムック本で、その中の『国産ミニチュアカーメーカー別総覧』のサクラペットに『三菱ワンマンバス神奈中バス』とあり、更に備考欄に『横浜高島屋限定販売』とありました。しかし当時はサクラ製の『三菱ワンマンバス』自体の実態も不明で、とにかくそのモデルを一度は拝んでみたいと、小学6年の私は思い続けて来ました。

それから30数年経ってから前回の2種と共に、このモデルも手にする事になるのですが、またもやこのモデルに対して悩みの種が現れる事になります。

近年においてコレクター貴兄の本棚には必ず収まっている『モデルカーズ ミニチュアカー考古学 ネコ・パブリッシング1996年刊』に、このモデルそのものが掲載されており、そこには何と『このモデルは企画だけで終わった』と記されています。だとすると『魅惑のミニチュアカー8000台』にあった『横浜高島屋限定販売』は何だったのか、或いは当時の記録が正しく『モデルカーズ ミニチュアカー考古学』の『企画だけに終わった』は誤報だったのか、またはその逆なのか、未だにその真相は掴めていません。

サクラ製のモデルは日本のミニチュアカー史に埋もれてしまったミニカーが多く、まだミニカーが大人のコレクションの対象と見られる事が稀だった頃に生まれ、そして消えて行ったブランドなので、それも仕方ない話なのですが、先程挙げた本のタイトル通り、今となってはメーカーも消滅している事も手伝い、本当にミニカーの考古学となっている、ミステリアスなブランドだと私は思います。

1977年頃発売(?)詳細不明