手術日当日、お昼12時頃にお呼びがかかり、点滴スタンドを引きながら、歩いて手術室へ向かった。途中、ナースステーションの前を通った時、看護師の皆さんが「がんばってね!!」と声を掛けて頂いた。
私は、「昨夜は寝不足なので手術中爆睡してやります!」と、威勢よく返した。しかし、内心は初めての手術で少し緊張していたのだ。
手術室に入ると、ドラマで見るような広いお部屋に手術台が1台。白を基調とした清潔感のある空間で複数のモニターが配置されている。手術室では音楽が流れているという話を聞いたことがあったが、本当に流れていた。
そして、いつもは白衣を着ている担当医も緑色の手術着で、リラックスモードなのか、戦闘モードなのか、診察室とは異なる雰囲気で準備をされていた。
私:先生、本日はよろしくお願いします!
先生:よろしくお願いしますね。昨夜はよく眠れましたか?
私:それがほとんど寝れませんでした。。夜な夜な隣のベッドや向かいのベッドからうめき声や叫び声が聞こえて。。
先生:ははは。まぁ、入院患者さんにはいろんな人がいるからね。
私:今日は別の部屋に移れるみたいなのでホッとしています。
先生:それはよかった。では、早速、手術をはじめますね。まずは麻酔を打つので、ベッドの上で横向きになって、ぐっと膝を抱えるように背中を丸めて下さい。
助手:点滴で刺している針より細いので、そんなに痛くないと思いますよー。
(ナイスな助言!)
先生:では、打ちますねー(ブスっ💉)
(助手さんの言う通りほとんど痛みは感じなかった)
先生:少しずつ足が痺れてくると思いますよー。
私:な、なんか変な感じがします。
助手:お尻に力入りますか?
(お尻に力を入れてみたが、、)
私:あれ?なんか力が入らないです。
先生:麻酔が効いてきたかな。では、手術の体制を作りますね。
(うつ伏せの姿勢で少し足を開き、お尻が開くようにテープが貼られた)
私:あの、、まだ足の感覚が少し残ってるのですが、これって麻酔効いてますかね?
先生:下半身の感覚は100%失われるものではなく、多少触られてる感じが残るので大丈夫ですよ。痛みは感じないはずなので、もし少しでも痛みを感じたら言ってくださいね。
私:は、はい。わかりました。よろしくお願いします。
先生:では、はじめます。🔪
(手術開始の言葉と同時に菅田将暉のさよならエレジーが流れた。さよなら、私のお尻。。)
ジーッ、ジジッ、ジーーッ。(電気メスの音)
先生:これ、痛みありますか?
私:いえ、全然痛くないです。
先生:OK。じゃあ進めていきますね。30分から40分くらいかかるのでリラックスしていて下さいね。
ジーーッ、ジジジーッ、ジジッ。(電気メスの音)
どんどんメスで患部を切り開いているんだろうなぁーと思いながら、退屈な時間を過ごしていた。
そして手術開始から15分後、先生から聞きたくない言葉が。
先生:そこのゴムとって〜。
ガーーーーーーーン。。
1年がかりのシートン治療確定😇
でもしょうがない。これがベストな選択なんだから。と言い聞かせた。
そして、手術開始から30分が経過。
先生:よし。では、終わりましょう。お疲れ様でした。
私:先生、ありがとうございました!
先生:下半身動かないと思うけど、頑張って横のベッドに移りましょう。
(助手さんが下半身を持ち上げてなんとか横のベッドに移動できた。)
助手さんと担当医がベッドを押して、手術室の外へ。
私:今回はシートン法ですよね。ゴムは何本入っていますか?
先生:ゴムは合計で3本。やはり結構深かったので、申し訳ないけど、まぁまぁ大きめの穴を2つ開けさせてもらったよ。
私:え、2つですか。。結構大掛かりな手術だったんですね。。石垣島だとこの手術をできる人はいなかったのかもしれませんよね。
先生:うん。痔瘻の中でもこれはまぁまぁ難しい手術かな。総合外科医とは違って僕たちはお尻専門だから日常的にこの手術をこなしてるからね。
私:とにかく無事に終わってよかったです。本当にありがとうございました。
そして、押されたベッドは新しい入院部屋へ入るのであった。
続く。