京橋にある加島美術で開催中の、動物画の展覧会「アニマルワールド」に行って来ました。
大好きな渡辺省亭(せいてい)の作品を楽しみにしていました。
3作出品されていました。
省亭は明治時代に活躍した画家で、日本では長らく忘れられたといってもよい無名の存在でしたが、フランスなど欧米での評価が高いことが日本でも知られて再評価されてきたという、若冲と同じ「逆輸入型」の画家です。
渡辺省亭《紅葉蔦に鷹》
昨春にこのギャラリーで彼に特化した展覧会が行われた その時の鑑賞メモはこちら ほか、都内の複数の美術館(松岡美術館、山種美術館など)で同時期に作品が展示され、「省亭巡り」をする愛好家も出ました。
どこがどう虎なのか、すぐにお気づきになりましたか?
お恥ずかしながら、私はスタッフの方にお聞きするまでわかりませんでした。
漢字で「虎」の文字を荒々しく表現しているんです。
花鳥画は好きなものの、これまで動物画で大好きという程の作品はあまりなかったのですが、今回は、虎を描いた作品が気に入りました。
この橋本関雪の虎は大いに迫力が!
橋本関雪《龍逓図隻幅》
色合いは柔らかく、むしろ優しい程の印象でしたが、ポーズや牙にリアリティーがあるので、百獣の王と呼ぶにふさわしい威厳が絵から漂っています。
筆致が細やかで、撫でたくなるような滑らかさを感じさせる毛並み。
細部にまで魂が宿っているのがひしひしと伝わってきました。
あと二枚、さらに迫力ある虎がこの作品の左横に並んでいましたが、残念ながらそちらは撮影禁止。
小林古径《兎》
動物画ではないですが、春草は好きな画家なので。
田崎草雲 《蛙図》
さて、再び一階へ。
円山応挙《昼顔鯉之図》
円山応挙《鶏図》
張月樵「花鳥図」
中国画は華やかですね。
森祖仙《白薔薇猿之図》 猿の絵を得意にしていた画家だそうです。
岸駒(がんく) 《孔雀図》
羽根がゴージャスです。
長澤芦雪 《月下鹿図》
虎、孔雀、鹿、鳥、猿など、たくさんの生き物がギャラリーにひしめいていました。
作品情報に抜けの多い乱文で申し訳ないのですが、会期終了直前なので、お知らせまで。
「アニマルワールド~日本画の動物ってこんなにかわいい!~」展
会期: 開催中~2018年2月25日 10-18時
開催場所: 加島美術ギャラリー メトロ京橋3番出口すぐ
入場無料(約50点展示)