bokuno


フジテレビで10月10日(火)22:00からスタートした、草彅剛主演のドラマ「僕の歩く道」 を観ました。


今クールは社会派ドラマ目白押しです。軽薄な連ドラへの視聴者のマンネリ感がようやく製作者やテレビ局に伝わったのでしょうか。このドラマもある種これまでタレントが主演するようなテレビドラマではタブーだったテーマに果敢に取り組んでいます。私はそれだけでも十分に評価されることのように思います。


人はさまざまな事情や病気を抱えて生きているのに、語ることや表に出すことが悪いことのように目くじらを立てる、事なかれ主義のテレビ界、それが象徴する日本の社会のそうした側面は好きではありませんでした。でも最近ではようやく心の病や今回の自閉症のような誤解を招きやすいテーマにも取り組むようになりました。私は身内がそうした悩みを持っているので、こういうことに敏感ですが、まったく悪いこととは思いません。


このドラマも、まだ初回だけなので内容の評価はできませんが、語り口は悪くない。そして草彅さんの演技もなかなか良いと感じました。人気タレントがやると美しくまとまりすぎて現実感がないのですが、彼の場合、どうもそうならないのは役者としては良いことでしょう。ドラマでは草彅さん演じる自閉症の31歳の青年・大竹輝明が幼なじみの獣医の女性・都古(香里奈)の紹介で動物園に就職します。そこで起こるさまざまな出来事が核となり、今後周辺のドラマも描かれるということでしょう。今のところ、特別意地悪な人も、特別善人も出てこない。そういう意味ではリアリティもあるように思います。あえて言えば、都古の存在がドラマ的ファンタジーのように思います。この人の役なくしては物語は成立しないのですが、ちょっと演技が下手すぎると思うのは私だけでしょうか?


全体としては丁寧に作られていると思います。落ち着いて観られるドラマです。来週以降が楽しみです。