トライアスロンをはじめて1年と4ヶ月。ついに、念願のロングディスタンス(総距離226km)を完走しました。苦手、というか、ほとんど泳げなかったスイム、そして、かつて、「歩かずに完走」が目標だったランをなんとか人並みになるまで練習して臨んだ大会当日。そのレポートです。

 

 

1.スイム 3.8km

 

今年は水温が低かったようで、ノースリーブであるロングジョンではかなり辛かったです。試泳から震えが止まらず。スタートの位置取りは、少し左寄りの4~5列目。周囲の選手の流れに乗ってスタートしました。

 

ショートと違って、かなり泳力に余裕のある選手ばかりで、ほとんどバトルは無し。バトルを仕掛けると周囲から報復され続けることになるので、結局自分が消耗するだけで良いことはありません。隣の選手の身体に自分が触れた瞬間、手の力をふっと抜いてあげると、わざとぶつかっている訳ではないんだなということが相手に伝わり、お互い邪魔にならない位置取りをしてくれます。ちょっとした紳士的な行為が同じエリアを泳ぐ集団全体に伝わって、みんなで協調しながら泳ぐ意志を持った、大きなストリームラインが形成されるのです。一度これが出来上がると、しばらくは天国のような穏やかなひとときになります。昼寝しながら泳げます。もちろん寝ないけど。

 

バトルを仕掛けてくる選手もたまに出あいますが、そのような選手は大抵、左右に迷走しているだけなのですかさず逃げ、できるだけ綺麗な泳ぎをしている選手の近くに行きます。ブイの近くは混戦になることから、ロープから離れてゆったりと泳ぐ作戦。五島は変則的なコースなので、ブイの近くの混戦を避けて空いているエリアを選んで泳いだ方がずっと楽だと思います。特に第2ブイ。

 

第2ブイから第3ブイまではかなり長いのですが、赤色のブイ(中間に設置されている)を視界に入れて泳ぎます。陸から離れるに従って予想外のうねりに多少苦戦しますが、昨年の指宿トライアスロンに比べれば全然大したことはありません。心配していた第4ブイから第5ブイもちゃんと見えたので、左のロープ側に寄る集団から離れてひとり、最短距離を泳ぐことにしました。

 

昨年のBタイプ覇者さんから、第5ブイまでは自分を信じて最短距離を泳ぐべし、とアドバイスいただいていたのですが、集団から外れると自力で泳ぐ必要があるし、コース確認のためのヘッドアップを多用しなくてはならないし、なによりひとり旅は超心細いしで精神的にはあまり良くありません。あげくのはてに、ライフセイバーさんから「集団から離れてますよ」と心配される始末。最短距離を泳いでいるつもりなんですけど、、orz

 

2周目は遠回りでも集団についていこうと決意しつつ1周目を終える。時計を見ると35分。まずまず。お湯を飲んでからもう1周。先は長いのでウォーミングアップのつもりでのんびり泳ぎ、トータル75分でスイムアップ。想定内。

 

 

2.バイク 180km

バイクはもともと得意なのですが、ここ1年、ほとんど乗っていないので不安も少しありました。とにかく無理をしないように、サイクリング気分で180kmを終えることを考えました。なにしろ、その後にフルマラソンが控えているのですから。

 

実は数日前から腰痛が酷くて、バイクの最初からゴールまで悩まされることになります。宿でフェイタスを腰に貼って、スイムで濡れても剥がれないようにその上からテーピングしてからウエットスーツを着ました。でも、泳いでいるうちに有効成分が流れてしまったらしく、バイクに乗った瞬間から腰痛でかなりキツイ状況です。これはまずいなと、登りは休むダンシングで通すことにしました。ダンシングしながら腰を伸ばしてあげると痛みが和らぐので、平地でも積極的にダンシング。なかなかタフな1日になりそうです。 orz

 

30km走って二本楠の周回に入り、1周55kmの最初の周回を終えた時の平均時速は30kph台。ここまではまずまずのペースでしたが、やはり腰痛が酷くて集中力を欠いてしまい、2周回目は思いっきりタレてしまいます。登り、サイコンを見ると10kphを下回っている!ことがあっても何も感じないぐらいダメダメっぷり。そんなスピードでよく転けないなと思いながら休むダンシング。バイク降りて歩いた方が速いのでは、、 orz

 

結局、スペシャルエイドで大休止。預けていたカフェイン400mgを摂取するとようやく復活し、最初のペースを取り戻し、実質6時間10分ぐらいで福江に戻ってきました。時刻は14時台。制限時間は22時までなので、バイクを終えた時点で完走を確信しました。

 

ここで、「完走」から「少しでも明るいうちに完走」に目標を切り替え。

 

 

3.ラン 42.195km

ランに持ち込めばこっちのもの。なにしろ私、ウルトラランナーなのですから。

 

できればサブフォーを狙いたいけど、現実的には4時間30分ぐらいでは走れるかな、と思っていたのは大間違い。腰痛のせいで全く走れず。

 

最初はキロ6分で走れていたけれどすぐにペースが落ちていきます。20km走ったところの登りでついに歩きが入ってしまいます。アップダウンだらけの奥出雲でも100km走り通したのに!orz

 

前屈で腰を伸ばしながら走ってみるも、もう限界。30km地点で予備のフェイタスを貼り直します。これが奇跡的に効いてくれて大復活。残り10kmちょっとをごぼう抜きしながらゴールまでひた走り、12時間40分台でなんとかゴール!明るいとは言えずとも、真っ暗でもない時間帯で戻ってこれました。

 

MCの方の「バーラモーン、キーーーング!」とのかけ声すら耳に入らず。ゴールの瞬間、ガッツポーズをしたことだけ覚えています。正直、もう少し楽に走れきれるかなと思っていましたが、なんの、とってもハードな1日になりました。バイク2周回めでタレてしまったこと、ランで大失速したことが反省点です。来年はもっと強くなって帰ってきたいと思います。

 

まる1日、私たちのために島を貸していただきました。朝早くから夜遅くまで応援してくださった地元のみなさま。この日のために準備をしてくださったボランティアのみなさま。この素晴らしい大会に関わっていただいたすべての方に心から、感謝致します。

 

翌朝、7時すぎに会場に行くと、完走証とリザルトが机の上に、もう用意されていました。私のゴールシーンの写真もちゃんとプリントアウトされていて、レースナンバーごとに袋に入れられていました。私が寝ている間に、おそらく、ほとんど寝ずに作業していただいた方々の姿が目に浮かびました。

 

226kmを走りきることは途方もないことだと、この大会に参加するまでは、そう思っていました。でも、私たちがゴールすることができたのは、顔も知らない多くの方々の支えがあってこそなのだということに気付かされました。本当に、感謝の言葉しかありません。私は、関係者のみなさまの多大な苦労に見合うだけのお返しができたのでしょうか。

 

もうひとつ、来年までに答えを出さなくてはならない課題ができたと感じながら、帰りのフェリーに乗船したのでした。

 

 

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#五島長崎国際トライアスロン大会2017