ドクター・ストレンジ | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Doctor Strange
監督:スコット・デリクソン
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ/キウェテル・イジョフォー/レイチェル・マクアダムス
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2017年1月
時間:115分




好評上映中のマーベル新作。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズとしては14作目となる。軸となりフェイズごとの“ヒーロー祭り”的な『アベンジャーズ』シリーズに向かい,個々のヒーローのストーリーを見せてゆく戦略は見事だし,それぞれのヒーローが惹き付けるキャラと技を持つ。オフビートなSFコメディの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年・ディズニー),ミクロの世界のヒーロー『アントマン』に続き登場した新ヒーローは,腕力やテクノロジーに依存しない魔術師。まさに飽きさせず隙のない展開だ。

ニューヨークの病院で働く天才外科医スティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。様々な医療知識に精通する高い知性と,手術中に音楽を流したりジョークを飛ばしたりするユーモアさを持ち合わせているが,傲慢さが欠点。ある日,学術発表会に向かう山道で交通事故を起こし,両手の機能を失うという外科医としては致命的な負傷をしてしまう。一瞬にしてその輝かしいキャリアを失った彼は,あらゆる治療法を試してみるが両手の機能は治らず,ただ時間とお金を無駄に使うだけだった。

そんな中,下半身不随になった男がある治療施設に行き歩けるようになったという噂を聞く。藁にもすがる思いでストレンジは,カトマンズの修行場カマー・タージに辿り着く。そこで神秘の力を操る指導者エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン/吹替:樋口可南子)と巡り会った彼は,未知なる世界を目の当たりにして衝撃を受け,ワンに弟子入りする。やがて過酷な修行の末に魔術師として生まれ変わったストレンジ。そんな彼の前に魔術の力で世界を破滅に導こうとする闇の魔術師カエシリウス(マッツ・ミケルセン)が現われ,ストレンジは人類の存亡をかけた戦いの渦に巻き込まれてゆくのだった…。

原作の設定は知らないが,予告編から「これはまたえらく年配のヒーローを作ってきたな」と感じていたカンバーバッチ,実はまだ40歳だという。ロバート・ダウニー・Jrが最初に『アイアンマン』に出たのが43歳だったのと較べると,落ち着いているからだろうか。どちらにせよ今後のMCUにおいて,アイアンマンと並び,ひょっとしたら跡を継ぐ存在になりそうな気がした。それは,この作品の舞台をこれまでの物質世界から精神世界にシフトしたことで,バトル一辺倒になりがちなパワーインフレを回避することに成功したと思えるからだ。

特に,街や建物をひっくり返したり,折り畳んだり,分断したりする別次元でのバトルは圧巻。最初『インセプション』のパクリかと思ったりするが,何度も現れ,はるかに凌ぐその舞台に,映像技術の進化に感動し,この新ヒーローのフィールドに意識ごとのまれてゆく。さらにクライマックスではこれに,時間の逆転という荒業が加わってゆくからたまらない。

まだ観ていない方,見逃した方のために。エンドロール後,2シーンあるからね。それも2つ目のシーンはソー(クリス・ヘムズワース)が登場し,今年後半に全米公開予定の『マイティ・ソー/ラグナロク』に繋がっちゃうので,お見逃しなく。


映画クタ評:★★★★★


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