僕らが生まれてくるずっとずっと前にはもうアポロ11号は月に行ったっていうのに。MEWです。

 

 「RARITY COLLECTION -20th ANNIVERSARY EDITION」(以下RC02)の発売日が迫ってきました。

 《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》が注目されていますが、【ブラック・マジシャン】使いでもある自分にとってはやはり《竜騎士ブラック・マジシャン》が一番の注目株です。

 

☆8 闇属性 ドラゴン族 ATK3000 DEF2500
「ブラック・マジシャン」+ドラゴン族モンスター
①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「ブラック・マジシャン」として扱う。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの魔法・罠カードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 いつぞや登場した《竜騎士ブラック・マジシャン・ガール》や《呪符竜》に続く、《ティマイオスの眼》に対応した融合モンスター。元々は海外先行カードでしたが、このたび日本にやって来ることが決定しました。

 ブラマジ好きな人やブラック・マジシャン使いの奇術師は注目していることでしょう。

 

 で、このモンスター。《呪符竜》と素材が被っているけど、どんな感じに強いん?

 そんな疑問を持つ人のために色々と考察してみました。

 

 

【《竜騎士ブラック・マジシャン》の強さ】

 融合素材に《ブラック・マジシャン》を指定していることからわかるように、ほぼ【ブラック・マジシャン】専用のカードです。一応《デビル・フランケン》とかで(融合以外の方法でEXデッキから)特殊召喚できるのですが、それをやるぐらいならもっといい融合モンスターは山ほどいるので、あえてこのカードを呼び出す理由は無いでしょう。

 

 ①のルール効果によって《ブラック・マジシャン》を指定するサポートカードを使用することができます。《千本ナイフ》や《黒魔導》といったお決まりのカードも全部使用可能です。

 そこそこ攻撃力は高いですが自身が相手に干渉する能力を何ら持ち合わせていないので、これらサポートカードによる恩恵を最大限利用するのがベストでしょう。

 

 ②の永続効果は魔法&罠ゾーンのカードの防御。

 元々【ブラック・マジシャン】は現環境では珍しくバックへの比重が大きいうえに永続系カードも多く、それ故に《サイクロン》程度のカードでも場合によっては致命傷になりかねないことがよくあります。

 それだけにこの防御能力はかなり頼りになります。

 破壊はおろか対象選択すら不可能、かつ裏側にしているセットカードも防御できるため、《ブラック・マジシャン》関連カード以外にも《神の宣告》などの汎用カードも守れるのが大きいです。

 無力化できるカードの中で現環境かで使われている代表的なものをいくつか挙げてみると、《ハーピィの羽根帚》《ツインツイスター》《コズミック・サイクロン》《醒めない悪夢》《幽鬼うさぎ》《トロイメア・フェニックス》等々。

 自分から破壊することは可能なので《天空の虹彩》などの効果を阻害しませんが、自分が全体破壊系カードを利用しづらいということでもあります。しかし【ブラック・マジシャン】ではデッキ構成上、元々そんなカードを入れることは稀なので、特に気にする必要はないかと。

 

 この①と②の効果の恩恵を最大限受けられるのが《永遠の魂》でしょう。

永遠の魂

 フィールドではカード名が「ブラック・マジシャン」になるため、《永遠の魂》の②の効果によって相手のカード効果を一切受け付けず、またカード名は墓地でも「ブラック・マジシャン」に変化するため、破壊されて墓地に送られても《永遠の魂》の①の効果で繰り返し特殊召喚することができます。そのため一度正規召喚に成功すればしつこくフィールドを行き来してくれます。破壊&効果耐性があるようなものです。

 では《永遠の魂》の方を先に処理しようにも、《竜騎士ブラック・マジシャン》の効果で破壊することが難しくなっているため、容易ではありません。

 現実的な処理方法は、いったん戦闘破壊などで《竜騎士ブラック・マジシャン》をフィールドから離しておき、かつフィールドに蘇生される前のわずかな間に《永遠の魂》を処理するしかありませんが、《永遠の魂》の①の効果がフリーチェーンであるため実際はかなり難しく、突破は至難の業です。

 

 《永遠の魂》のポテンシャルを最大限に引き出すことができるのがこのカード最大の利点と言えるでしょう。既存の【ブラック・マジシャン】に《ティマイオスの眼》を差し込む他、普通にデッキの中心戦術に組み込むことも十分考えられます。

 

 

 

【融合召喚するためには】

 紹介した本カードの上記の強みは全てフィールドに特殊召喚してから初めて発揮されるものであるため、とにもかくにも、このカードを特殊召喚しなければ何も始まりません。

 

 現状【ブラック・マジシャン】にあえてドラゴン族を採用する理由はあまりなく、正規の方法による融合召喚は必要パーツが多くなってしまうためあまり現実的ではありませんが、《ティマイオスの眼》があるので正規融合にこだわらなくても大丈夫。

ティマイオスの眼

 これさえあれば《ブラック・マジシャン》を召喚し、あとはこのカードを手札から使用するだけなのですが、《ティマイオスの眼》は《マジシャンズ・ロッド》や《黒の魔導陣》などによってサーチすることができません。理由は以前解説したので割愛しますが、【ブラック・マジシャン】を使い始めた人やコンマイ語初心者は割とここで引っかかりやすいです。

 そのため、既存の構成では《ティマイオスの眼》を安定して手札に加えることは難しく、素引きするぐらいしか手は無いでしょう。そのうえで最上級モンスターである《ブラック・マジシャン》の召喚まで両立させるとなると、融合召喚の難易度は跳ね上がります。

 そのため、《竜騎士ブラック・マジシャン》は切り札の一つとして確立させ、普段は普通に【ブラック・マジシャン】で戦いつつ、融合召喚できる状況が整ったら召喚する、といったスタンスで行くのが一番現実的でしょうか。

 少なくともMEWが試した結果、ピン刺し程度では10戦やって9戦出番がありませんでした。主力にするなら3積みしたいですが、レアリティが高く高価なカードなため、入手は困難です。

 幸いにも再録が決定しており、これまでと比べるとやや安価になると思われるので、この機会に【ブラック・マジシャン】使いは目に留めておきたいですね。

 

 

 《ティマイオスの眼》による融合召喚に特化させる場合は、キーカードである《ティマイオスの眼》は3積みするとして、そのうえで《ブラック・マジシャン》の用意は《E・HERO プリズマー》を利用するのがベストかと思われます。

E・HEROプリズマー

 《増援》や《E-エマージェンシーコール》でサーチ、しかも☆4なので普通に《ブラック・マジシャン》を召喚するより遙かに簡単です。

 しかも《ヒーローアライブ》でデッキから直接特殊召喚できるため、通常召喚しなければならない《マジシャンズ・ロッド》などと競合しない利点があるうえに、構築次第では一部の【HERO】ギミックを自然に出張投入することも可能になるでしょう。ダークロウとかダークロウとかダークロウとか。

 

 正規の融合召喚に頼るのであれば、《ブラック・マジシャン》や《融合》をサーチできる手段は豊富にあるのでドラゴン族側を選定する必要があるでしょう。ただサポートカードの違いと数の差などから、どちらかを入れすぎるとデッキ全体のバランスが崩れがちになります。そもそも《竜騎士ブラック・マジシャン》が単体で相手に干渉できない防御向きの能力なので、サポートは必須になってきます。そのうえで最上級モンスター+シナジーの無い種族のモンスター+《融合》の組み合わせを揃えるのは難しいので、EXデッキもフル活用してやるのがいいと思われます。

 

 また融合先がドラゴン族なので《龍の鏡》が利用できる(こちらもサーチが効きませんが…)ので、墓地をありったけ肥やす戦法をとる他、召喚した《ブラック・マジシャン》を素材に《星杯竜イムドゥーク》をL召喚し、そのまま《龍の鏡》を打てば融合召喚できます。

 

 そのほか、融合素材に《ブラック・マジシャン》を名称指定しているので、融合素材代用モンスターが利用でき、「融合素材代用モンスター+ドラゴン族」の組み合わせでも融合召喚できます。

 

 また、先述の通り融合召喚以外の特殊召喚にも対応しているので、出すだけなら《融合呪印生物-闇》の効果が利用できます。

 《簡易融合》で《暗黒火炎龍》あたりを出し、《融合呪印生物-闇》を通常召喚してその効果を使用すれば1ターンで召喚することもできますが、融合召喚では無い(正規の方法による特殊召喚ではない)ため、その《竜騎士ブラック・マジシャン》では《永遠の魂》を使った反復横跳びはできなくなります。ご注意を。

 

 

【運用上のアレコレ】

●自身はドラゴン族なので、魔法使い族を指定するサポートカードの恩恵は受けられない。「ブラック・マジシャン」関連のカードでは《黒魔導強化》など。

 

●効果が無効にされると《ブラック・マジシャン》扱いにならない為、各種サポートカードを併用できなくなる。

 《永遠の魂》適用中であっても、《竜騎士ブラック・マジシャン》召喚前に《スキルドレイン》を使用されていると、《竜騎士ブラック・マジシャン》の①の効果が適用される前に先出ししていた《スキルドレイン》が先に適用されるため、①の効果が無効となり、フィールドでは「ブラック・マジシャン」になれない。こちらで解説済み。

 

●自身がドラゴン族であるため、ドラゴン族モンスターとして2体目の《竜騎士ブラック・マジシャン》等の融合素材にすることは可能。

 同じ理由で自身の効果でカード名が《ブラック・マジシャン》であるため、《ブラック・マジシャン》として2体目の《竜騎士ブラック・マジシャン》等の融合素材にすることも可能。

 このカードを《ティマイオスの眼》の対象にして2体目を出すという芸当も可能。

 

●《永遠の魂》の他、《安全地帯》や《ディメンション・ガーディアン》なども便利でオススメ。

 

 

 

 今回の【ブラック・マジシャン】の強化はもちろん、割と定期的に強くなってきているデッキなので、関連カード以外にも新しいカードが出てくるたびに注目のデッキとも言えますね。