さて、いわゆる一般人にも感じられるくらいには情報社会になっていて、今、受験界を含め世間の常識はどんどん変わっています。その中で、ここ数年、10代の子の常識や学歴に対する考え方がずいぶん変わってきたのを感じます。
対して親の方はいつの時代も変化がゆっくりであり、保守的なものであり、子供の意識の変革や時代の変化にイマイチついていけずやや遅れているのが常のようです。
よく見かける親と子の価値観の相違は以下のような感じです。
<稼げる職業が最上>
……よくいるのが、医者や公務員を最上だと子供に言い続けている親御さんです。安定や収入のことばかりに視点が集中していて、やりがいや楽しさ、まで考慮できていない親御さんが多いようです。
僕は下記の記事でも指摘しているとおり、動かしがたい日本の人口動態から(人口動態の予測はほぼ確実に当たる)、医者がかつての弁護士などのようにこれまでのように「おいしい」職業ではなくなることを予想しています。
今のような安定や収入重視で医学部を目指す風潮に警鐘を鳴らしています。
・好きになれない・トキめかない年収2000万より、楽しそうな年収600万くらいを選ぶ
という傾向がどんどん強くなっています。
さすがに僕のようにバンドをやるためなら、年収200万くらいでも平気(今はマシになってます、笑)、という子は少ないですが、今後は増えていく可能性は結構あると思っています。
つまり、収入で頑張れる子、というのは幼いころから貧困を感じた子だけであり、お金の無さからくる恐怖を実感できる子は今の中学受験層にはいないことでしょう。
僕の両親は高卒のド中流家庭ですが、それでも食うに困るというレベルの貧困は味わったことがありませんし(20代後半はやばかったw)、お金の重要性はわかってはいたものの、「それ」で頑張ったという事実はありません。
もちろん、私立中に進学してから、お金持ちの他の家庭が羨まかったのはあります。
今の子の大半は、「これで稼げる」「安定する」ということをいくら言っても、それで勉強をする気にはなってくれないことでしょう。僕の著書などでいう4タイプで言えば、委員長タイプの子のみ、響く可能性はありますが、そういう子も時代の風潮的に少ないと思います。
それよりは、「皆のお役に立てる」「社会貢献できたらいいな」「そもそも楽しい」「目的が持てる」「わくわくする」このどれかの要素が必要に思います。
また、「自分らしく」「個性的に」生きることが価値である風潮もありますが、親が職業の問題を出すときは、急に個性などは言わなくなり、話から消えますね(笑)
東大卒→準メジャーレーベルのバンドマン兼家庭教師、というわけわかんない経歴の代表格であろう僕からは、
・学歴と実能力と礼儀(感謝観)があれば、わけわかんない人生になってもなんとかなる
・学歴の助けを借りることで、真に個性は持ちやすい
ということは言っておきたいと思います。
今後、社会はAIの台頭などで予測できない時代になります。今は安定と言われている職業のどれが消えてどれが残るか、などは、考えるだけ無駄に思います。どうせ僕らの浅い予想では、外れます。
それより、子供自身が選択してなりたい、よさそう、と思えるものに突撃して、その職がなくなっても大丈夫なように、教養と思考力、挨拶と思いやりを育てておけば、どうなろうと大丈夫です。
親が選ぶ職業や学校を、子供が半強制的に誘導され選ばされることは、後の不幸を生むことになると思います。
もちろん、中学受験もできれば子供自身がやりたいと言って挑ませることが大事ですが、まあ小4時点では子供の自我は育っていませんから、良かれとおもって塾に入れることは、しょうがない部分はあります。
<合格しなけりゃ意味がない>
これも、もちろん、プロとしてはそうなのですが、結果や学歴、合格ばかりを求めると
・かえってこじれることになる
ということが言えます。結果ばかり意識してする努力は、メンタルがつらくなりやすいです。
結果やガワだけ追い求めると、老子にみられるような「すべては逆になる」という皮肉な現象があります。(気になる方は老子道徳経などをお読みください)
人間が最も病んだり、失敗する時に起こることの一つに「力み」の存在がありまして、これがバカにできません。
いろんな子を見ていると力むことが、人生の大きな失敗を引き寄せてしまうのではないか、と思うようになっています。
合格ばかりを気にすると本番で力がでないばかりか、普段の勉強でも
・毎日「○○中学合格!」などの張り紙などを見たり
・トイレにいろいろ貼ったりしたとしても
などの家庭が多いですが、それで改善したりよくなっている家庭を見たことがありません。人は、そういう縛りのような方向性では、頑張ることはできても、能力は伸びにくいのではないか肝心なところで失敗するのではないか、と思っています。
つまり、根性主義は今の子には通用しにくい、と感じます。
真面目な子ほど力みにつながり、むしろテストの点数を欲し過ぎて、ケアレスミスなどでかえって力が出にくい、損するという現象があります。また、メンタル的にも重くなり、努力が継続しない、家でリラックスできない、逃避行動が多くなる、などの特徴が出やすくなります。
それよりは、普段の勉強の中に楽しみを見つけて、しんどさの中に心の支えをいくつか作っていきましょう。頑張ったらゲーム、なども受験学年では甘いですが、それ以外ではしょうがない部分はあります。
<身の丈、とは? 現代的な「おススメ」の捉え方>
先日の記事にはドキッとされた方も多かったらしく、えらい普段とは違うリアクションの多さにびっくりしました。また、あまり理解(読解)されてないな、と思うことも多かったですね。まだまだ僕も伝え方が甘いです。近いうちに配信にて解説をしてみたいと思います。
昭和の時代であれば、一部の金持ち以外、自分の将来は自分で考えるのが当たり前だったでしょうし、勉強だって自分で工夫するのが当たり前だったと思います。それが社会の自由化や少子化が進むにつれ、なぜか子供が親にまるで隷属するようになっていきました。
それで成績が伸びたり、うまくいくならいいのですが、僕からの視点ではまるでうまくいっておらず、こじれていることの方が多いように思います。それは、上記のような親子の意識のずれ、意識の持っていき方が不味いのではないかな、と思うようになっています。
まず、身の丈にあった、という意味を僕なりに定義しておきたいと思います。
身の丈にあった学校、というのは、
・満足いくまで努力したうえで行ける学校
という意味とするのがいろんな物事の好転を促すと思います。
その「満足いくまで」というのは、
・親の満足ではなく、子供自身である
ということを厳守すべきです。親からみて「全然頑張ってへんやろー」と思えても、子供が頑張った、と思えているならそれで良しとすべきであり、それで行ける学校できっと幸福になっていくことでしょう。
子供が受験を終えた時に、
・けっこう頑張ったな
と思えているか、が最も大事に思います。すべて親が手をだし、口も出し、用意もし、ですと、子供の受験にいつまでたってもならず、受験が終わっても
・なんか他人事である
という状態のままであり、落ちても合格しても、あまりよい結果にはなりません。
時には、突き放して、親子の距離をあけておくことが大事なのです。
ですから、しっかり落ちて泣ける、ということも人生にとっては大事に思います。残念な結果でも、子供側が十分に努力をしきっていれば、その言動でなんとなく、「この子は大丈夫だろう」と思えるものです。
その満足は、本当に、心の底から
・自己満足でいい
です。
もう、他人と比べて優越感からの浅い幸福で喜べたり、メンタルが安定する時代は終わっています。
自分自身の満足感を追い求めていきましょう。それで、実は自走にも向かいやすくなり、結局成績なども安定していくと思います。
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また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしていますので、紛れてわからなくなる場合もあります。返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。
できれば相談内容などは短めでお願いいたします。1件のメールに、1時間近くかけて返信することも多いので、そのあたりをご配慮ください。
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