数学・算数とどう付き合うか(ある数学がクソ苦手な男の体験談から) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、シンフォニックメタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)


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 コメントをいただいたので、今日は、数学についての記事にしてみたいと思います。

 数学をどう扱うか、が受験では大きなテーマとなります。やはり数学が強い子は、入試でも圧倒的に有利です。

 

 僕はこのブログでも何度か書いているように、大の数学嫌いでした。中学受験でも苦労しましたし、中高6年間、大学受験と才能のなさを痛感しながら生きています。

 

 テスト2週間前から問題集(今でいう4STEP的な数研出版のやつ)全問を解き、かつ、すべての解法を覚えていっても30点台のこともありました。とにかく、どんなに完璧にしていっても、点数がいってせいぜい平均くらい、何かのミスであっという間にお荷物教科となってしまいました。

 

 物理も同じ感じだったので、迷わず生物選択にしたのですが、やはり自分の夢だった生物学者の道も当時は歩んでいまして、理系に進み、さらなる地獄が待っていました。

 

 高3時には受験勉強の8割くらいの時間を数学に充てたのですが、センターでは数1・Aで失敗し全国平均くらい、東大の二次試験でも20点くらい(120点満点)でした。中高6年間を真面目に過ごし、定期テストには全力を尽くし、すべての問題をしっかりやった自負があるのに、その体たらくです。

 

 自分の横で、僕の半分以下も勉強していないような友人が、倍以上の点数をとっていることも一度や二度ではなかったです。全統記述模試では、友人に100点差を数学だけでつけられたこともあります。

 ここまで才能がないと自覚すると、もう笑うしかなかったですね。(センター失敗の時は震えましたがw)

 

 ですので、今、数学でご苦労されている方は、僕よりは才能・センスがあるでしょうが、中高6年間をすべて賭けても、大した点数が取れない可能性も想定しておいてください。

 

 数学を苦手とする人間にブレイクスルーなど来ない、といい切ることもできます。(その理由も後述します)

 でも、別に理系を選んでも、東大理1や理2ならなんとかはなります。戦略をその分、しっかり立てればいいのです。

 

 結論から言いますと、数学は絶対にやっておいた方が良い学問です。点数云々の問題ではなく、避けて通らない方がいいです。純粋理性の偉大さを絶対に感じておくべきですし、数学は大きな有形無形のプラスを人生に与えてもくれます。

 僕も、ほとんど受験本番では点数になりませんでしたが、学んだことから得たものは大きいと感じています。

 

 

 今は教える立場となり、ずいぶん経ちます。中学受験では算数の案件ばかりが来るので淡々とこなしていましたし、なんだかんだ数学の案件が多いので毎年のように授業をし、好きでもないのに精通するようになってしまいました。(対して理科はイキイキして授業していたはず)

 

 そうすると、気づくことも多くありました。

 

 どこかの過去記事でも書いているように、数年前に「数学ガール」シリーズを読んだのが大きいです。

 

 その後、マーカスデュソートイの「素数の音楽」や「物語数学の歴史」、ポアンカレ予想の読み物などを読むようになり、ちょっとぶっ飛びました(笑) 数学のことが「こういうのなら面白いかもしれん」と少し思えるようになったのです。

 

 今の僕でも数学ガールシリーズは難解ですが、面白いので着々と読んでいます。高校程度の数学がしっかり入っていれば、十分に楽しめると思いますのでおススメです。

 

 結局、数学と半強制的に向き合わされ深めていくうちに、ポアンカレ予想が宇宙の形を規定することになったり、数式の展開によって宇宙が膨張するのを示したり(これはソートイがNHKの白熱授業でやっていた)、といった数式の中に、確かに真理めいたものを感じることができました。

 最近は岡潔などの情緒型数学の本もいくつか読み、新たな見解を得ています。

 

 結論としては、とことん深めるしかないです。単なる問題演習で終わらせず、その意義、意味、なんでこうなるのか、ここで違うやり方はできないのか、といった「深み」を感じながら、楽しんでいくのが数学の良いやり方です。

 

 数学の先生というのは、基本的に数学がお好きなはずで、自分なりに数学の感動ポイントを持っています。でもそれは、こちらの資質が相当に育っていないと、言われても通じないし、「はあ?」で終わります。また、それを伝えるのが下手な先生が多いのも特徴だと思います。

 

 僕が一つ、数学の意義を感じたのは、「未来予知・創造」が数学でできると思った点です。今のほとんどの科学技術は僕ら凡人には10年前からでも驚くような進歩ではあるのですが、偉大な数学者は19世紀や18世紀ごろに、すでに今の科学技術の基となるような発想を行っています。

 

 それは天才的な発想と思考力を持った数学者ならではのものではあるのですが、その発想が学会で公に発表され、人類みんなで一つ一つ見解を積み重ねてきました。そのいろいろに絡み合う科学技術の積み重ねで築いてきたのが今の我々の文明である、ということが言え、その根っこの基礎の基礎が必ず数学になっています。

 

 数学がどうしても好きになれない方は、数学の歴史を学んでみて欲しく思います。なぜ代数と幾何にわかれているのか、これには理由がありますし、これは非常に重要な区分です。数学の歴史上、この区分でないとだめなのです。

 それが分かれば、数学が学ぶ価値のあるものであることがわかります。

 

 その「数学の流れ」の先に、高校数学で比較的新しい分野である「命題・論証」や「確率分布」があったりもします。その先駆は、必ず(日本では)東大の数学の問題に表されています。

 東大の数学の問題は、一線級の教授たちが創ったもので、他の大学とはやはり別格の何かを感じます。

 

 ですから、東大の数学の問題を解くことは非常に大事な数学の流れを感じることができます。進学校に進んだのに、東大の数学に触れないで終わることは、非常にもったいないことであるとも言えるのです。

 

 

 さて、翻って、高校数学までの算数数学の現状はどうなっているでしょうか。なぜ、苦手な人間は真面目にやっても点数がとれないのか。

 

 僕は「難しさがズレている」と感じています。特に関東の中学受験、中高のチャート式に代表される高校数学教材をそのまま真面目にやることで感じる数学の難しさは、数学の本筋とは大きくずれていると思います。

 

 このブログでも以前書きましたように、高校までの数学は、数学的な思考をするための「道具」にすぎません。三角関数や二次関数を「使って」、もっと高度なことを考えるための道具なのです。家を建てることに例えるなら、まだトンカチと釘を『作った』段階に過ぎないのです。

 

 そのレベルの難しい問題、というのは、「道具の使い方がややこしい」といった程度のものです。逆立ちしながらトンカチを使わせるようなことを平気でさせているのが、日本の数学問題だと思います。

 

 苦手で一向に点数が伸びない人のやり方は、まず「公式ややり方をたくさん演習して覚えて」→「似たようなものに対処する」ことを目指しているはずです。それで良いのですが、それだとブレイクスルーは来ません。

 僕のように一生数学に苦戦し続けて終わるでしょう。

 

 まずは、トンカチがどういう構造をしているか(公式などの証明)、数学の歴史上、いつくらいの時代に出てきたものか(ググればウィキペディアなどでわかります)、などをしっかり認識してみましょう。

 ユークリッド幾何学に代表されるギリシャ由来のものか、アラビアの代数由来のものか、それを組み合わせた18世紀以降のものか。

 それがわかるだけでも、数学の意義が見えてきます。

 

 具体的には、4STEP的な問題集の網羅は、「道具」の使い方の基礎演習に過ぎないのですが、まずはそれを十分量やっていれば未来は開けます。今は少々点数が悪くても全問解いているなら良いです。

 

 道具の使い方が4STEPでいうB問題くらいです。A問題は遊び程度のものです。応用はさらにその先で、高校教材にはあまり数はありません。でも、そこまで到達しないと、数学が得意になることはありえません。

 

 以上は一般的な予備校や学校の先生の見解とは違うはずです。入試にとらわれずに数学を見た場合はそのようになる、とでも解釈していただければと思います。本当の一流を目指すなら、せっかくですから数学の本筋を感じられるところまで行ってほしいというのが、僕の願いです。(まあ数学ガールを読むだけでもいいのですが)

 

 

 実は僕は今、以前のように数学が嫌いではありません。不思議なことに割と楽しめています。その上で、やはり東京出版系の「○○への数学」シリーズの素晴らしさに驚嘆しています。このシリーズは、解答が素晴らしいです。

 

 僕自身の経験もふまえ、数学が苦手な方は視野が狭くなっています。また、柔軟にいろいろと応用する感覚がさびついていることも多いです。単純に計算力や作業の遅さが原因となっていることもあります。

 

 また、高校程度の数学が得意といっても、それが本当にアインシュタインやホーキング博士のように数学者的な凄みがあるのかと言えば、これまたそうとも言えないとも思います。(ホーキング博士のご冥福をお祈りします。素晴らしい著書の数々に感謝です)

 

 上記でも言いましたように、日本の受験算数・数学は、公式や知識のいろいろな「使い方」でひっかけてきているだけです。本当に発想が要ったり、応用されたものだと、意外と数学ができないとされる人でもできたりもします。そのあたりは、冷静になられた方がよいです。

 

 ブレイクスルーを期待するのはちょっと置いといて、地道にいろいろな使い方を学んでみましょう。なあに、少々できなくても、東大くらいなら行けますよ。死ぬほどやれば(鬼)

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

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お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。

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