技能科目の勉強はテスト前日だけ勉強する人が多いのではないでしょうか。
中には、主要５科目の勉強は大変だから、技能科目をがんばりたいという方もおられます。
塾の先生は受験を意識しているので、５科目の勉強をさせたいという気持ちが強いように思われます。私も技能科目より５科目に力を入れてほしいと思ってしまいます。しかし、それは先生の考えで、生徒は少し違うのだという出来事がございました。
以前、テスト期間中に指導していたときのことです。午前中に理科の勉強をしている生徒がいました。「理科の勉強に疲れたので、午後からは技能科目をしたい」と言われましたので、理科は技能科目をした後、勉強することにしました。だいたい、このような場合、後回しにした勉強をしないことが多いのですが、案の定、その日は技能科目の勉強で終わりました。私はその生徒に「理科の続きはいつしようか」と聞いてみたところ、「明日しようかな」と言ってくれましたので、理科の勉強は次の日にすることになりました。
次の日、その生徒と学校の理科ワークをテスト範囲まで解くことができました。私としては、テスト前にもう一度解き直さなければきちんと覚えられないと思いましたので、「テスト前日にもう一度しようか」と話しました。テスト前日、科目は「理科と技能２科目」だったと思うのですが、その生徒は技能科目を先に勉強したいと言い、理科の勉強は後回しになりました。結局、後回しにした理科は勉強時間が取れず、その日はタイムオーバーとなりました。理科の勉強時間は前回よりも少なかったため、下がるのではないかと私は内心焦っていました。
後日面談でテスト結果の聞き取りを行い、技能科目は90点以上、理科は50点台だったと思います。生徒本人は技能科目で良い点数が取れたことがうれしかったようで、５科目の合計点は同じくらいでしたが９科目の合計点は上がっていました。理科も私が思っていたほど低い点数ではなく、いつも通りの結果となりました。私が理科について話すと、塾から帰った後少し見直しをしたとのことでした。
私はできるだけ生徒がしたいと思っている勉強をさせていますが、それでは嫌いな科目をしないのではないかと心配される方がいらしゃいます。ただ、実際に嫌いな科目を勉強しない生徒には会ったことがなく、むしろしたい科目がない生徒の方が、指示されるまで勉強しないように思います。このような生徒も、話すことが苦手な場合やそもそも自分の考えというものに自信がないことが多く、何も考えていない人は珍しいタイプのように思われます。勉強というものは、気持ちの面で前向きに取り組めるかどうかが大切で、「アクティブラーニング」という言葉が流行りましたが、そうゆうものだと私も感じております。その点で、受動的な姿勢をいかに能動的な姿勢に変えていくかが、この仕事の難しいところであります。
テスト範囲を１週間以上前に出してくれる学校の先生方、大変ありがとうございます。
お忙しいと思いますが、塾としては本当に助かります。