ご存知、春にはチューリップ🌷が美しく咲き揃う、エミルギャン公園 Emirgân Korusu、
今年も4月頃、お友達家族とピクニックに行きました。
そんな、エミルギャン公園の隅に、チューリップ博物館 Lale Müzesiというのがあるんですが、
そこで先日行、ユニークな作風で知られるタイル作家、イスマイル・イイットİsmail Yiğit氏のワークショップに参加してきました❗️
この方、パステル調の柔らかい色彩と、水彩画や色鉛筆のようなタッチのタイル作品を発表されているのですが、
これは、従来のトルコタイルの技法では絶対に出せないもの。
どんな秘密があるのか、すごく不思議だったのです。
ワークショップが始まる前に、博物館で展示中の、「タイルとチューリップのダンス展」で、イスマイル・イイット氏の作品を観察。
彼の作品はインスタグラムで見ていて、実は「あまり色使いとか好きじゃないなー」と、既成概念に凝り固まった貧しい感性の私は思っていたんですが😅
なんでワークショップに来たのかというと、彼のファンのお友達に誘われたのでした
実物はとっても綺麗で、かなり印象を覆されました‼️
今までインスタグラムでしか見ていなかった作品を、初めて生で見ます。
こんなレインボーカラーのグラデーション、どうやったらタイルに出せるんでしょう?!
通常トルコタイルでは、黒かコバルトの顔料で輪郭線を引いて、囲った中に他の色を塗ります。
そうでないと、釉薬を乗せて釜で焼いたときに、色がダレて混ざり合ってしまうのです。
なので、黒・コバルト以外の色を、輪郭線で区切らずに隣同士に塗って虹色のようにするのは、不可能にちかいです。
また、黒・コバルト以外の色はダレやすいので、筆で線状に描いても、焼き上がるとボヤ〜っとボケてしまいます。
なのに、氏の作品は、色鉛筆を使ったかのように、いろんな色で線状の表現ができている。
👇伝統的なトルコタイルでは、線や点の表現は黒か紺でのみ行われます
👇氏の作品では、赤やオレンジ、緑色で線状の表現を草花の上でしています
そもそも淡い色味は、釜の温度に左右されて発色が難しいはずですが、彼はパステルカラーのような淡い色を多用していますね。
マジックでしょうか‼️
という疑問を抱きつつ、ワークショップ会場に入ると、
あらかじめ下絵が描かれたタイル素地が並べてあり、各自好きなデザインを選びました。
輪郭線が赤で描いてあるのもありますねぇ。
私が選んだのはこちら。
素地を触ってびっくり 表面が砂壁のようにザラザラです。
通常トルコタイルの絵付けに使う素地は、白い粘土の下地が塗ってあって平らですが、それを塗っていないそう。
そのため吸水が早く、淡い色の顔料でも乗せた瞬間に吸い込んでしまうので、広がらずに細かい表現が可能なのだとか
さっそく氏が、"イスマイル・イイット流の夢色チューリップの描き方"を説明していきます。
よく使う「夢色」は黄色、ターコイズ、ピンクだそうで、
まずは水で薄く伸ばした黄色をベースに塗り、その後でターコイズや緑や、ピンクや赤などを重ねて行きます。
顔料を混ぜるのはテーブルに直接❗️ワイルド!
あら不思議! 夢カワな、イスマイル・イイットの世界観になってくるわけですね。
さっそくやってみましょう!って言われるも、いつものタイルと違いすぎて戸惑う〜
最初はどんな色も薄ーく水で伸ばして使わないと、一瞬で吸収されてベタ塗りになってしまう💦
薄〜い色を重ねて行くと、あの虹っぽい水彩っぽいテイストになるみたい……❗️
その上から、濃度の濃い顔料で細く線を入れると、色鉛筆風なテイストになるんですなぁ〜🤔
でけた!
ふと見上げると、トルコ人の参加者が私たち日本人を見て、目を剥いて
「なんて才能あるのかしら」
「すごく繊細に描けるのね」
……と、口々に言っていました。
え、そ、そぅおぉ?
それを聞いたイスマイル氏、一言。
「仕方ないだろ、だって彼女ら日本人なんだぜ」
イスマイル氏は、"日本人は電化製品とか車とか上手に作るから、ものづくりが得意、器用”という、一昔前のトルコ人が持ってる日本のイメージで言ったんだと思いますが、
昔こんな映画まであったんです。イケてないガルソンが日本人を助けたら、ガルソンが恋焦がれているアイドルにそっくりなアンドロイドを作ってくれたっていう。。。昔の日本人のイメージ😂
あとで別の人は、
「日本ってさ、字を書くとき筆を使ってるんでしょ?」
と言ってきて え!
筆を日常的に使ってるから得意で当然だろう、ってとこに理由を求めたようです
私たちが、もし少しだけ他の参加者よりマシに塗れていたとしたら、
タイル絵付け習ってて、初心者じゃないから。キリッ
ってゆー、身も蓋もない理由だけなんですけどね💦
あと、氏のやり方にちゃーーんと従ってたから❗️
薄い黄色からスタートしろって言われてるのに、全力スルーしている人多々でしたから😅人の話聞こうか
……それはさておき、イスマイル氏のもう一つの特徴は、スポンジ🧽使い!
タイルの背景や、側面に、スポンジでニュアンスカラーを入れていきます。
これも吸収の良い素地を使っているからこそ、できる技ですね。
1時間半ほどのワークショップで、無事に完成しました。
これは、キュタヒヤにあるイスマイル氏のアトリエに運ばれ、そこで釉がけして、焼いてもらいます。
こういうワークショップには初めて参加しましたが、良い経験になりました❣️