美と技術の結晶イスハク・パシャ宮殿へ【ヴァン湖周辺旅行⑥ アール県】 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

はるばる国境ちかくのドーウバヤズットまで来たのは、このイスハク・パシャ宮殿 İshak Paşa Sarayıを見るため。

 

トプカプ宮殿に次いでトルコで2番目に大きい、アナトリアの地では現存する唯一の宮殿 (saray) です。

 

イサク・パシャと表記されることも。イスハークإسحاقという人名は、アブラハムの息子「イサク」のアラビア語版

 

 

18世紀にこの地方の知事(サンジャクベイ)だった、クルド人のチョラック・アブディ・パシャと、その甥イスハク・パシャによって建てられたこの宮殿、

 

ここが正面の門。月曜日は閉館日

 

 

とにかくその美しさで名高いです。

 

 

 

浮かし彫りがふんだんに施された装飾は、セルジューク風、ペルシア、オスマン、バロック、ゴシック、アンピールなど、多種多様な様式が取り混ぜられた、独特のスタイル。

 

 

 

 

最も目を惹くハレム入り口の門 Harem Kapısıは、セルジューク朝風で、上から下までびっしりと彫りこまれた文様が圧巻✨

 

 

 

個人的にトルコ最高峰と思うディヴリィのモスクと、植物の描き方などが少し似ています。

きっとあれを参考に作られたのでしょう。

 

 

↓そこはディヴリィの方が時代も古いし彫刻とデザインの素晴らしさは比べ物になりませんが

 

 

敷地内には、パシャと妻たちのプライベートルーム(ハレム)の他、会議を行う部屋(ディーヴァーン)、モスク🕌、監獄👮‍♀️、厨房🔪、ハマム🛀、116の部屋があったそう。

 

これは会議堂とモスク方面へ入るための入り口。

 

植物(生命の樹?)の描き方が、インドやペルシャっぽくて、私の好みですラブ


 

こちらが会議堂。屋根がなくなってしまってますが、壁にもアーチにも繊細な彫刻がされています。

 

 

 

なんと、これらの部屋の床や壁には陶器で作られたパイプが通っていて、

 

雪が降る寒い冬の日⛄️には、地下の大窯で沸かしたお湯の蒸気をめぐらせて室内を暖めるシステム♨︎がとられていたこと。

 

つまり、世界初のセントラルヒーティング付き宮殿だったんですね‼️ポーンポーンポーン

 

壁に残されているパイプ用の空洞

 

 

敷地の中央のモスクは、約10年前の修復が終わって以来、宮殿が打ち捨てられてから1世紀ぶりに、現役のモスクとして礼拝に使われています。

 

手前にある円錐形の屋根は霊廟。これもセルジューク風

 

 

上の写真ではミナレットがドームに隠れてしまってますが、シマシマ柄で特徴があります。

 

 

 

モスク内部は、彫刻された白い石で作られていて、無骨な外部の印象とは違ってエレガントな感じ。

 

 

 

ドーム内部の壁画は失われていますが、全体的にロココ調?西欧風な印象。

 

ここの室内も床にセントラルヒーティングシステムが入っていて、床暖房だったそうですびっくり

そう、暖房の無いモスクって床から底冷えするんですよねぇ〜

 

 


そんなに広いわけでもないので、パッと周れば短時間で見て回れますが……

 

広場からの景色が美しすぎて、なかなか立ち去れませんでした。。。

 

 

 

見終わったら、正門手前の丘を車で上がって、展望台に寄るのも忘れずに。

 

ドーウバヤズットの町を背景に、イスハク・パシャ宮殿を一望できる絶景が広がっていました✨

 

 

 

アララト山とイスハク・パシャ宮殿を見て、郷土料理を楽しんだアール県の旅は終わりました。

 

 

 

この後は、ビトリス県、ムシュ県への旅が続きます👟