診療所のじほさん

診療所のじほさん

2011年10月に小さなクリニックを始めた内科医(専門は糖尿病・内分泌)が、日々の業務での心や印象に残ったこと、発信したいこと、多くの方に役立ちそうなこと、またはどうでもよいことも不定期で書き記します。
注) “じほ”は私の本名ではありません。

「糖尿病だと、新型コロナウイルス、危ないんですよね…。」

 

こう仰る方が増えてきました。

 

糖尿病における新型コロナウイルスに対するリスクの上昇は、確かに報告されています。下記の表は、中国での新型コロナウイルス感染による致命率の調査結果です。

 

確かに糖尿病の他、諸条件で致死率は上昇してしまっていることが分かります。

 

でも、申し上げたいのです。言葉は悪いかも知れませんが、いまさら慌てないでくださいね、と。

冒頭のように仰る方には問い返します。

「糖尿病の診断がなされた当時、どのように説明(または勉強)しましたっけ?」

 

糖尿病は合併症を抑制することで、十分な健康寿命を全うすることを目標として治療する疾患です。

糖尿病に特有のものや特有でないもの含め、種々の合併症のリスクがありますが、その中に「感染症」というのがあったはずです。

感染症と言ってもいろいろありますね。

感染症のリスクが高まる理由も含めて、下記をご参照ください。

https://dm-net.co.jp/seminar/25/

 

血糖コントロールをしっかりつけるということは、感染症の合併症のリスクも下げることになるという“触れ込み”であった筈です。

冬場の一般的な風邪やインフルエンザの季節でも同様ですが、流行り始めてから慌てるより、普段からしっかり血糖管理を行っておきたいものです。

今からでも結構です。バランスの良い食事に徹していきましょう。

運動は何かとやりづらい環境になってしまいましたが、屋内でできる運動もテレビやネットで沢山紹介されていますね。仕事の合間にホンの何分間か立位を取るだけでも違います。当院でも簡単な運動の資料を受け取られた方がいる筈です。また、幸い気候も温暖になりつつあります。「密閉、密集、密着」の「三密」を避ければいいわけですから、短時間、細切れでも気分転換に外の空気を吸いにウォーキングなど出かけてみましょう。体に刺激を与えることは、ストレスの解消にも有効な筈です。

 

そして、休養も大事。疲れ、寝不足は血糖に影響します。ストレスを感じているときは、心が疲れますので、せめて休養などで体のケアだけでもしっかりしないと、ストレス耐性も落ちます。

 

ところで、血糖はどのくらいにすればいいのでしょうか。血糖コントロール目標は本来、個々に違いますし、一方免疫の機構には様々なポイントがあるので、それら全てを考慮して、明確な数値を示すのは難しいです。免疫だけの点からは、低いに越したことはありませんが、低血糖や低栄養などの有害な事象も無視してはなりません。

 

あくまでも参考ですが、白血球が病原体を取り込んで処理する力(貪食能)は血糖値が250㎎/dl以上で低下するそうです。

また、本邦で敗血症(最近が血液中に入り込み、全身で炎症を起こし様々な障害を起こしている状態)の重症患者において、目標血糖値を144~180㎎/dlとしており、米国心臓病学会でも入院患者の目標血糖値を144~180㎎/dlとの声明を出しています。

くどい様ですが参考までに、です。

 

どうか、無理やリスクのない血糖管理を、主治医や医療スタッフと相談しながら目指してください。

同時に新型コロナウイルスの流行は、自身や他人の健康に無頓着だったり、不摂生だったりする生活を見直し、改める好機とも言えますね。

 

 

尚、新型コロナウイルスへの不安を理由に、血糖などの検査はせずに、薬のみ要望される方が増えています。高血糖状態を放置して通院を躊躇する方もいることを、他施設の関係者からも聞いたりします。

 

当方からは、普段の状態が良い方を中心に処方日数をいくらかでも延ばして、通院頻度を減らす工夫もしています(当院は従来より、長期処方の傾向がありますのでご理解ください)。

しかし、普段の血糖コントロールの悪い方の検査が長期間なされない状態が増えることは、非常に問題です。また、コントロールが良い方も、長期間の無検査期間の間に、いつの間にか悪化していたということがあってはいけません。

“血糖コントロール不良人口”の増加

=感染リスク・重症化リスク人口の増加

と考えられるからです。

 

我々は、そんな血糖コントロールの悪い、感染・重症化リスクの高い人口集団を作らないために、微力ながらできるだけ力を注ぐ決意をしております。つまりは感染リスクの幾らか高まっている方が集まります。

現在「新型コロナウイルスの感染者はあらゆるところに存在する」という前提で、国を挙げて施策しております。

従って、感染症状が出ている方は、原則院内にはお入り頂かないようにしております。当院は新型コロナウイルスの検査のための設備、装備もございません。

申し訳ありませんが、新型コロナウイルスの心配をなさる方は、絶対に当院にいきなり立ち入らずに、「有症状者センター」に相談するなど、ルールに則った受診行動をお取りください。

ルールの具体的なことにつきましては、厚生労働省のHP、日本医師会のHP、県や市のHPなど幅広く広報されておりますので、ご参照ください。

 

当院は糖尿病の方だけでも約2,000人ほどが通院されています。

安心して普段の糖尿病などの慢性疾患の療養ができる場を、守りたいと思います。

 

 

参照)

1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き(一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合会)

2)糖尿病患者さんと医療スタッフのための情報サイト 糖尿病ネットワーク 

3)日本内科学会雑誌 102:856-861.2013

4)Moghissi E S: Reexamining the evidence for inpatient glucose control: new recommendations for glycemic targets. Am J Health Syst Pharm 2010; 67 (16 Suppl8):S3-8

5)American Diabetes Association: Standards of medical care in diabetes―2010. Diabetes Care 2010; 33 (Suppl1):S11-61 

6)織田成人,相引眞幸,池田寿明,今泉 均,遠藤重厚, 落合亮一,他:日本版敗血症診療ガイドライン。日集中医誌 2013;20:143-70

 

先日テレビ信州さんの「報道ゲンバFacehttp://www.tsb.co.jp/tsb-bangumi/face/」という番組の取材を受け、3月8日に放送されました。

 

内容は、糖尿病が大変多いこととその怖さや、改善・予防のための食事の対処法についてなどで、当院の診療の様子や、小生のコメントも紹介されました。

 

簡単に紹介すると、

・日本の糖尿病人口は316万人、世界でも4億人余りと大変に多いこと

・大きく分けて、自己免疫が関係し、インスリンを作る膵臓の細胞が破壊される「1型糖尿病」と生活習慣が関与する「2型糖尿病」があること

・2型糖尿病が大変増えており、問題であること

・糖尿病の合併症~動脈硬化の怖さ、足病変の話など

・1型糖尿病の方の生活の様子

・食事の際は食物繊維を先に食べると、血糖上昇が緩やかになること

・食事のポイント~主食、主菜、副菜バランスよくたべること、腹8分目で食べ過ぎない、よく噛んでゆっくり食べる、「いただきます」と「ごちそうさま」の挨拶で食べ初めと食べ終わりの区切りをつける

 

・・・といった内容になるかと思います。

 

原稿のない、インタビュー形式のコメントは話し下手な小生にとっては少々難しく、後で内容の追加やポイントの整理などを何度かメールで依頼させていただきましたが、上手に且つ一生懸命対応していただき、編集やキャスターのコメントでフォローしていただけたと思っております。

 

実際に放送を観て、糖尿病の合併症の中の小さな血管の合併症(細小血管障害)の説明が不十分だったと反省しました。

 

所謂、「しめじ」といわれる、3大合併症です。

し・・・糖尿病性神経障害(神経の「し」)

め・・・糖尿病性網膜症(他、眼に出てくる眼合併症;「め」)

じ・・・糖尿病性腎症(腎臓の「じ」)

 

これらは、放置しておくと自覚症状のないままに進行し、おかしいと思ったときは取り返しがつかない状態となっていたりします。合併症もきちんと評価して、「大難は小難に、小難は無難に」収めるよう、きちんと治療・予防していきましょう。

 

また、今回運動の重要さは触れられていませんでしたが、何かの機会に紹介できたらと思います。

 

強度の強い運動、まとまった時間の運動・・・に固執する必要はありません。

細々した短時間の動きでも、活動性を維持できるだけでも違います。

 

1日中動かない方でも、是非時々立ち上がる時間を作り、体に適度な刺激を与え、リフレッシュしてください。

 

テレビ信州の藤原キャスター他、関係者の皆様方、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的な内科系の診療所の診療時間を見ていると、午前の終了から午後の開始までが長いことが多いですよね。

 

さぞかし、ゆったりとした休憩時間を取られていることでしょう…と思ったりしておりました。

自分も開業するまでは…。

 

実はこれがとんでもないことで。

 

当院の場合、午前の「診療終了」は12:30、午後の「受付け開始」は14:30と表示させて頂いており、「診療開始」は15:00としております(診療の開始時刻と終了時刻は正式に届け出をしなくてはなりません)。

 

即ち休憩時間は2時間という形になっており、他と比べるとやや短いです。

 

実際は、12:30に診療が時間通りに収まることは極めて珍しいことで、だいたい13:00位までは押してしまいます。過去にはほぼ14:00まで押してしまったこともありました。

 

終了して、しばらくは腰が立たないくらいぐったりしておりますが、やおら立ち上がり周囲の整頓等を行い、棚をみると毎日大抵10部~20部は郵便物が届いております。重要な物が多いので、封筒をチョッキンチョッキンして、中身を確認し、各々の内容に沿った対応を行います。これにより大体はその日の夜の残務が増えることになります。

 

その後各種業者やMRと対面します。とても毎日複数との面会は困難なので、面会枠は時間や日を決めて厳しくコントロールして、アポイント制にさせて頂いております。

 

そして、自分の部屋でパソコンを開きます。多くのメールが毎日届いておりますが、業務と関係ある重要なメールをセレクトして内容を確認し、返信します。同時に片手で食べられる、パンやおにぎり、カロリーメイトなどで昼食は「しっかり」摂ります。できれば野菜ジュースくらいは一緒に摂ります。

 

忙しくて食事は抜いてしまう方のためのお手本になるかな??

 

ここまでくると大体14:00回ります。頭と目の休憩が全くなしに午後の診療に突入すると、自分でも何をやっているか分からないことになり、大変危険を覚えますので、多少目閉じて外界からの情報をシャットアウトする時間を15分程度は必ず作るように努めております。

 

お昼には特別な予定~勉強会やミーティング、職員面談を行うことも割とあります。これらは医院運営上大変重要な事ですが、こんな時は気合いで時間を捻出しているような感じでしょうか…笑。

 

さらに毎月2~3回は昼の間に外部の会議への出席を命じられております。信号待ちなどはカロリーメイトをかじるための格好の時間ですね!

 

また午前と午後の狭間や1日の終業後などに職員達と雑談ができることが、実は運営上とても重要なこととも捉えています。職員達との雑談はただの戯れではありません。貴重な情報源であり、貴重な関係構築の場でもあります。雑談の時間も全く取れないような、医院経営はしたくありません。これは管理職を経験している方には分かって頂けることと思います。

 

勿論各種設備のメインテナンスにもお昼の時間は費やされます。

 

当院においては、こんな感じで昼休みはあってないようなものです。

 

午後の診療は15:00~ではなかったかって? 14:30~受付開始して、沢山の方が待合にいるのにただ休んでいるわけにもいかないでしょう。検査なしで診察できる人はどんどんしてしまいます。従来から待ち時間の長さが当院の課題の一つでもありますし、夜だって診療終了後に業務が沢山のこっているし、出かけなくてはならないことも多いので、時間が押すわけにはいきません。

 

そんなわけで診療時間外に、運営に関する大事な事を沢山行っております。その上で当院の診療や療養指導のクオリティーが保たれていると言うことを、どうかご理解下さい。

 

お昼は、優雅に時間を取って…と思われている外部の方がいないではないようですので、実態をお話しさせて頂きました。特にアポなしで飛び込んでくる業者の方、切にご遠慮願いたいものです。

 

今回は大変つまらない内容で申し訳ありませんmm

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年8月から時間指定による、診療予約は廃止と致します。

受診の際は、直接のご来院か、当日につきましてはwebによる順番の確保でご利用ください。

来院者の増加や診療内容の多様化に伴い、時間指定のはずの予約がほとんど時間通りに機能しなくなる状況が続いておりました。

また、予約の方の指定時間に多分に配慮すると、受付や案内業務が煩雑となり、医療安全の確保の困難さが生じるようになりました。
その割に、お時間のお約束を守ることができず、受診される方へのご迷惑や、苦情にもつながっておりました。

結果、全体の診療効率の低下も否めない状況となっておりました。


小生の勤務医時代の経験です。
外来につきましては、ほぼ時間予約のみの診療体制がほとんどでした。

しかし、この予約時刻通りに進んだ例しが「ほとんど皆無」なのでした。


2011年開業当時の考えは、経験を踏まえ、以下のようなものでした。

日時の予約をしたい方はいるでしょうし、予定の変更などで予約日時でないときに受診したくなる場合も生じます。また逆に日時を指定されても困る方もおられます。何かの事情で、定期受診とは別に診察を受ける必要性が、急に生じることも起こりえますし、感冒などの急性疾患については日時を予約しての受診は不可能であろうとも思います。

そんな時、任意の日時で受診したとしますと、全ての時間が予約で埋まっている場合には、待ち時間が限りなく長くなります。また、予約の合間に予約外の方の順番を「エイヤ!」でねじ込むと、途端に予約診療が破綻します。

また、一人一人の診察に要する時間も様々で、大体は想定より長引きます。
勤務医時代はそのような事が普通でありました。


そこで、開業当初は時間指定の予約は見込まれる人数全体の1/2~1/3に留めておいた上で、合間に予約外で受診された方や、webで順番を取った方を差し込んでいこうとの発想で開始致しました。

それでも何れ人数が増えれば、時間指定の予約は機能しなくなる・・・。正直そのような事は予想しておりました。

何故かと申しますと、既に開業した先輩の医師からそのような話を聞いていたからです。その診療所でも当初予約を取っていたものを、途中で廃止したそうです。
予約の時間通りに診察を進める事の困難さを身を以て感じておりましたので、その様な話を聞いて、すんなりと納得したものでした。


現在、診察室での患者さん一人あたりの平均の対応時間は、診察の本体に加え、電子カルテの記入や、処方箋発行、検査指示、スタッフへの指示またはスタッフからのフィードバック等々…全ての前後処理込みで、5~6分程度です。正直それより長い時間はかけられませんし、またかけないようにしております。

診察室へ入る前後でも、可能なことはできるだけスタッフがお話を伺ったり、ご指導申し上げたりしております。

つまり診察室外での待ち時間の有効利用を行ったり、わざわざ医師でなくても済むことをスタッフに振る事で、診察室滞在時間を極力短縮化し、回転を速くし、待ち時間の短縮に努めております。

また、webによる当日予約と直接来院との二本立ては、当院独特のシステムと思います。

何れの場合も待ち時間に大きな不均衡が生じないように、枠を調整しております。

ただ、二本立てのシステムは、やはり煩雑性を帯びてしまい、至らぬ点が多々出るかとは思います。どうか鋭意工夫をして参りますので、何卒ご容赦お願い申し上げます。

我々は、診療の体制の事よりも「医療の安全」そのものに対して、より優先して限られた力を注がねばならない立場であることも、どうかご理解下さい。


どうか、これらのことを十分にご理解の上、ご協力をお願い申し上げる次第であります。


ただし、人手を割かなくてはならない栄養指導、超音波検査、インスリン注射や血糖自己測定の指導および相談などは必ず日時の予約をお願い申し上げます


最後までお読みいただきありがとうございました。