まず、団体予選・個人予選が行われた。特に危なげもなく団体予選は通過した。個人予選は四人通過を果たした。団体準決勝も危なげなく通過した。個人決勝は四人全員とも個人同中競射には進めなかった。
そして、団体決勝では先鋒のサオリが四射全てを外すという波乱が起きた。その時のサオリの様子は明らかに集中できていなかった。弓道の場合、少しでも集中が欠けていれば的に当たることのないすごく繊細な競技なので大きく集中を欠いている状態ではなおさら当たることはないのである。それまでサオリが矢を外すところなんて見たことがなかったからただただ驚くばかりだったし、なぜ急に集中を欠く状態になったのか不思議で仕方がなかった。その後の四人に大きく影響が出るのではなかと心配したが、四人ともすばらしい集中力で矢を放ち全てを的中させた。結果は計十六本であった。他校が計十五本以下であったため、見事優勝しインターハイ出場を果たした。
最後に行われた個人同中競射で一位なった部長のスミレと二位になったアカネが個人でもインターハイ出場を果たした。四位になったサナエと六位になったアリサは個人入賞を果たした。
表彰式を終えて応援に来ていた男子はその場で解散して女子は学校に戻った。女子全員が弓道場に入ったところでアカネが口を開いた。
アカネ「あんまり、こういうことを言いたくないけど、サオリ、決勝では何であんなことになったの?」
スミレ「サオリ、私から言うから何も言わなくてもいいわ。」
サオリ「はい。」
アカネ「はっ、どういうこと?」
スミレ「事前にサオリから言われていたのよ。大会になったらいつもの自分の力が発揮できないかもしれないとね、特に決勝では。ただ、言われていたけれどとても信じられなかったから大会に出場してもらったの。」
アカネ「それで、具体的には何で力が発揮できなくなるの?」
スミレ「それに答えるには、ここにいる部員の中でそのことについて聞きたいという人はしっかり覚悟を持って聞いて欲しいの。だから、聞きたい部員は明日の朝、ここに集合ね。」
アカネ「今は答えられないの?」
スミレ「だから、さっき言ったでしょう。覚悟を持って聞いて欲しいって。ここは譲れないわ。」
アカネ「わかったわ、私は必ず明日の朝来るからその時はしっかり説明してね。」
スミレ「大丈夫よ、その時はしっかり説明するわ。他の人も聞きたい人は来ればいいわ、ただし、覚悟を持ってだけど。それと、サオリごめんね。こんなことになって。このことについて説明は大丈夫かしら。」
サオリ「私事で迷惑かけてすみません。説明のほうは部長が大丈夫であれば大丈夫です。」
スミレ「ありがとう、それと、みんな改めてお疲れ様でした。みんなが頑張ってくれたおかげでインターハイ出場を掴むことができました。また明日から気持ち新たにインターハイ優勝を目指して頑張りましょう。」
女子全員「はい。」
スミレ「片付けが終わり次第解散で。」
女子全員「はい。」
その翌日の朝、女子全員が集まりサオリとスミレの話を聞いた。そして、全員が納得した。読者の皆さんには後にわかるのでそれまで何なのか考えてみてください。