いつも練習場は小学校のグラウンドですから、ナイターなんてありません。清水第八との練習試合で、入江小学校のナイター設備を見た時はとてもうらやましかったなぁ。

冬場は、真っ暗な中、1本の外灯を頼りに練習をしていました。「ボールが見えないよー!」なんて叫びながらやっていましたね。

週7日休みの無い練習。中学校の友達と遊んだ記憶がありません。学校へは休養するために行っていたような印象です。

そんな中、ハードな練習に耐えられず、次々とメンバーが辞めていきます。チーム立ち上げ時に22人いたメンバーも、シーズン途中には、とうとう私とやっこちゃん含めた5人だけになってしまいました。5人では試合どころかミニゲームも出来なかったのです。

やっこちゃんは神奈川県に引っ越してしまい、平日は練習に来られません。他のメンバーは部活を掛け持ちしていたので、練習に行っても私1人という日が珍しくありませんでした。

毎日の様に永沢さんとのマンツーマン練習です。ドリブラーの永沢さんからみっちり教えてもらえるなんて、私って、すっごいラッキー! と喜んでいましたよ。永沢さんのおかげで私もドリブラーになれたんです。

 

その頃教わったドリブルをもうちょっと詳しく説明しましょう。永沢さんがDFに入り、私がFWで向かい合っての1対1をいつもやっていました。まずドリブルのコースですが、「スペースに向かって進め」と指導する方もいらっしゃいますが、永沢さんは「相手に向かって進め」です。

更に、相手DFがたいてい両足を揃えない様に、はすに構えていますので、「相手が前後の足を入れ替えなくてはならなくなるよう背後を狙って進め」です。なるべくスピードに乗っている方が相手のバランスをくずしやすくなります。簡単にバランスを崩さない相手に対してはフェイントをかけて逆をつきます。フェイントをかける間合いは、何度も経験する中で掴み取るものだと思いますが、スピードに乗っていれば乗っているほど間合いは広めになります。

相手を抜いた後は、ボールを相手の背後にコースどり、ボールと抜いた相手の間に自分の身体が入るようにします。(この時両手を広げていると効果的だというのは、永沢さんからではなくイタリアで覚えましたの。)これで自分より足の速いDFにも追いつかれなくなります。

 

相手の背後にボールを運ぶドリブル練習は、コーンを2本置いて(間隔は2mくらい。)、8の字ドリブルがオススメです。コーンを回りきる前に肩から身体を入れるようにボールを向かいのコーンにワンタッチで対角に運びます。(伝わるかな?)最少タッチ数で8の字に回れるようにするのです。

 

マンツーマン練習ではヘディングもやりました。ロープのついたボールを永沢さんが持っていて、それをゴールのバーにぶら下げてヘディングをします。ジャンプして空中でエビ反りになり、ボールをたたくヘディングの見本を見せてくれるのですが、そんな風にはとても出来ません。だいたいジャンプしてロケットのように突き上げるヘディングになってしまいますし、滞空時間が短いのでエビ反りになろうと思うともう地面に着地してしまうのです。

ロープのついたボールを永沢さんから借りて、家の栗の木に括り付けて毎日練習しました。毎日やっていると、そのうちジャンプ力もつくのか、タイミングもつかめてきて、エビ反りヘディングが出来るようになりました。身長が低くてもヘディングが得意になったのは、この時のロープつきボールのおかげかな。

 

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