最近、仕事中にだるくなってくると、水分補給と気分転換を兼ねてコーラを飲んでいる。この日もかなり楽になってきたとはいえ気だるさが残っている。そこでコーラを購入し飲んだ。するとコーラが私の体にあっているのかプラシーボなのかわからないが、体が楽になってきた。
そうなればこれから観戦する試合は大社vs神村学園、この夏の主役であると同時に、当初からこの夏の私の推しだった大社である。気分は否が応でも盛り上がってくる。

スターティングメンバーが発表される。予想していたが、大社はエース馬庭の先発を回避してきた。早稲田実戦後のインタビューで石飛監督が
「試合途中から馬庭の足が震えていた」
と言っていたのでそうそう無理はさせられないだろうと思っていたからだ。

ちょっとここで観念的な話をさせていただく。この試合の前までネットやマスコミでは、大社を100回大会の金足農に比していたものがけっこう目立った。
ただ、これまでの試合で私が持った印象は違っていた。大社から感じる雰囲気はむしろ93回大会の能代商に近いのだ。おそらく記録に残らないが、強烈な印象と記憶を残すチームではないのかと。


そんな気持ちはさておき、試合が始まった。不安な気持ちで見ていたが、立ち上がり岸投手は神村学園打線を三者凡退で抑えた。嫌でも大社贔屓で見ている観客が盛り上がる展開である。
そして1回裏、大社の応援が始まる。1番藤原佑の応援は定番ソングの『キューティーハニー』で、野球部がオリジナルの歌詞を歌って応援するのは全国共通だが、大社の応援はやはり違っていた。一般の応援団がメガホンで手拍子を行い、歌詞に名前の「藤原佑」がくるところは大声でコールしている。この「一般応援団が野球部、学校応援団とまとまって一緒に応援する」というスタイルが、他にはない稀有な応援であり、空間だった。

実は数日前、私はネットで大社の応援の資料を入手していた。プリントアウトしていたが持ってくるのを忘れた。持ってきていればより大社の応援が楽しめたと思うが、持ってきていて外野席ではしゃいでいるのも考えてみたら微妙なものがある。これはこれでよかったのかもしれない。


大社の応援が凄いのは動員ではなく、動員されている人全員が応援しているからだが、その理由にこのような資料が手に入りやすいということも見逃してはいけないだろう。

ここで藤原佑が盗塁を決め、大社のチャンスである。