こんにちは

 

今日は、1954年に生産されていた501XXと501ZXXを紹介します。

 

よろしくお願いします。。。

 

 

(1954年代) リーバイス 501XX

              

       

       

基本的な仕様やシルエットは、1953年と変わりませんが、1954年の501XXの特徴はバックスタイルにあります。

この年代から、ベルトループがオフセットされた「オフセットベルトループ」が使われます。

※オフセットセンターループ…バックサイドのセンターのベルトループをヒップ縫い合わせのステッチラインを避けて縫われたセンターのベルトループのことを指し、生地の厚いところを縫うことで生まれる生産の不効率性を解消したものです。

こちらのディテールは1954年~1965年まで使われていたもので、1966年からは、以前の「センターベルトループ」に戻されます。(例外あり)

また、バックポケットのアーキュエイトステッチ(1943年に商標登録)は、イエロー×オレンジのステッチで40年代の物よりも左右均等で縫製されています。

 

         

この年代(1954年)までの、No.1デニム(XXデニム)を使ったリーバイスデニム製品には必ず付いていた革パッチも1955年には、紙素材に変更されるためギャランティーが確認できるものは現在では、とても希少です。

 

         

フロントトップボタンは、以前(1947年~1953年)の物と比べると、彫りの深さが浅くなり、文字が見やすくなりました。

また、ボタン被せ部分の材質は鉄で、ジンク(亜鉛)メッキが施されているので剥がれると錆びます。

 

         

フロントポケット右にある、コインポケットはウエストバンドから3センチほど離されて付けられていますが、50年代中盤以降には、幅があるゴツくて派手なベルトやバックルがカウボーイやバイカーの間で流行ったため、この様にかなり下に位置した作りになっています。

 

         

隠しリベットは、銅製で刻印は以前の物と変わりません。

デッドストックでは、画像のようなオレンジ色をしていますが、一度でも水通しをしてしまうと茶色になってしまうので、新品で当時のものを確認できることは希少です。

 

         

1953年から両面にLEVI'Sの文字が刺繍された通称「両面タブ」が使われていて、丸R(レジスターマーク)とVの書体が均一の太さを持った「均等V」が使われています。

また、LEVI'S(リーバイス)で使われている物を「タブ」と呼び、LEE(リー)やWRANGLER(ラングラー)に使われているものは「タグ」と呼ばれています。

タブ…片方または一部分だけ貼り付けたもの

タグ…全体または四方を縫い貼り付けたもの

 

         

まるで、レプリカジーンズや復刻版ジーンズのお手本のような赤耳(レッドセルビッジ)を使っていました。

もちろん、コーンミルズ製で現在LVCから発売されているオランダの委託工場では無く、当時のアメリカ自社工場で作られた、本物のXXデニム生地が使われています。

 

 

(1954年代) リーバイス 501ZXX

         

         

         

1950年代初頭、ファッションアイテムとして広がり始めたジーンズは、ジッパーフライが人気を得るようになります。

しかしリーバイスは、ファッションアイテムとしての市場シェアが低かったため、1954年にジッパーを用いた501ZXXを発表しました。

ジッパーフライを使った品番は501だけでなく、子供向けの「504ZXX」や、それまでフロントボタン開きのジーンズに抵抗があった女性のための「701XX」もジッパーフライを採用しました。

また、1960年代中期に入ると品番が「502」へ変更されます。

品番を見ると「551ZXX」という物も存在しますが、これは501(レギュラーストレート)ではなく、505(スリムタイプ)のシルエットを持ったジッパーフライタイプのジーンズです。

 

         

ジッパーには、角型GRIPPER(グリッパー)を使用しています。

リーバイスは、デニム生地に防縮加工を施していなかったため、ジッパー不良になる事が多かったようです。

※GRIPPER(グリッパー)…1950年代から急速に普及したスコービル社によるジッパーブランドのことで、初期型を「ピンロック式」・後期型を「カムロック式」の二種類の固定金具が存在します。

画像は、後期型(カムロック式)が使われています。

 

          

         

トップボタンは、ジンク(亜鉛)ボタンが使われています。

また、60年代の502では見られない、ウエストシングルのVステッチでの処理がされています。

501XXの各ディテールを持ちながら、使いやすいジッパーフライなので、根強いファンが多いモデルでもあります。

 

         

ボタン裏のリベットは、平らで点での刻印がされている50年代のXXでも古いタイプが使われています。

 

         

501XX同様に、股にカンヌキ留めが入りません。

 

         

リベットは銅製のものが使われています。

また、刻印は大文字で全体的に印字されていて、取り付けは打ち抜き式です。

 

         

コインポケット口には、セルビッジが使われています。

502になると、ここの部分にセルビッジが使われたものが殆ど無いので、501ZXXは希少性も高いです。

 

         

501XX同様に、隠しリベットが打たれています。

こちらも銅製で、刻印は18です。

 

         

         

バックポケットのアキュエイトステッチは、オレンジ×イエローの人気があるタイプで、ビンテージらしさがでています。

 

         

均等V・BigE・両面タブが使われています。

レーヨン製で、洗濯をすることで丸まり、刺繍のため経年劣化で解れてしまいます。

 

         

501XX同様に左右のセルビッジ幅が均等なタイプで、赤耳(ピンク)が使われています。

 

今回は、1954年の501XXと501ZXXを紹介しました。

とくに、ボタンフライからジッパーフライをはじめて採用した革命的なジーンズでもあります。

次回は、1955年から1960年まで生産された、紙パッチ 通称「紙ギャラあり」の501XXを紹介します。

 

長文、お付合いありがとうございました。

 

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