1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2015-12-22 21:20:25

いるか、かめ、メヒカリ、り、り、、りす

テーマ:おやすみ

2015年の歌小屋の2階以外のツアーライヴ全行程終えて


我が家に帰ってきて、死んだように眠って、狂ったように片付けと家事をして、


ひと段落。そらはピカピカの洗い立てみたいな青。


あっという間に夕暮れが来て、今日は珍しく父のリクエストで近所の串屋さんにでかけた。


(私は高知にいるとき極端に外出を拒むので)


家族四人で、夕闇迫る12月の町をしりとりしながら歩いた。


しりとりは「生き物、もしくは植物しりとり」だ。


なんかいやっても「る」がむずかしい。


瑠璃、瑠璃菊、くらいしか思い浮かばない。


る、る、る・・・。


串屋さんは、ちょっとリッチなたたずまいで、お任せコースでストップというまで


色んな串を出してくれる。普通のお店ではないような面白い串もたくさんあって、


美味しくて、普段よりたくさん食べた。


両親はビールを、私はワインをのんで、王様はジュースを飲んだ。


お店ではしりとりはしなかった。(しりとりの醍醐味は移動中か湯船だから)


少し酔っぱらった父は、


先日の京都でのリクエストライヴをとても面白かったと言ってくれて、


私の音楽について


「今まで走り続けてきたから、これからはゆったりと休息しながらしなさい


 いい音楽は休息の中で生まれるのだ」


というようないいことを言ってくれた。


「合点承知の助!でも動かないと稼ぎはないで」


と答えると


「稼ぎがなかったらみんなで食べんかったらえいき」


といって笑った。


私はこの人たちが家族でほんとによかったなあと思った。


帰り道は、大人はみんな酔っぱらっていたので、


しりとりはできなかった。


もうすぐクリスマス。


静かであったかい12月。






いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2014-10-27 00:42:58

矢野絢子「ほどくコラム」7・8・10

テーマ:おやすみ


矢野絢子「ほどくコラム7」



「真夏の恋」


 まるで色紙を切り取ったような真っ青な空に眩しい純白の入道雲。


 荘厳といった面持ちでそびえたつ山々の影、


 そこから伸びる曲がりくねった農道、小川に田畑。


 あちこちに毒々しいほど鮮やかな色の花々。


 むんと喉に張り付く熱い風。


 灼熱の太陽がアスファルトに落とす濃い影。


 首筋や太ももを伝う汗、


 自分の息づかいと心臓の音がやけに大きく聞こえる。



 圧倒的な夏に打ちのめされて私は突っ立つ。


 誰もいない、あまりにも圧倒的な夏の風景。


 思考回路はショートして


 ただただ魚のように命がピチピチと音を立てて跳ねるのを朦朧と感じる。


 肌をヒリヒリ刺す暑さと裏腹に、


 心はどこかノスタルジックな既視感に襲われて、切ないのだ。


 おお。


 これは、この感覚は、まるで恋心ではないか。


 恋というものは全くどこから降ってくるかわからないからワクワクする。


 相手が人とも限らない。



 静かで激しい真夏の恋。




矢野絢子「ほどくコラム8」


「なんにもないこと」


 人生であの時に戻れるならば違う選択をしたい、という考えが私には皆無である。


 後悔なし。


 その事についてあまり深く自身の考えを考察したことがないのだが、最近色々な場所で色々な人に私の分析のカケラのような言葉をもらい、なるほどーと閃いた。



 私は自分の人生に目標設定がないのだ。

 向上心くらいはある。

 思い返すと昔から「いつ死んでもいいように」と本気で思っていた。


「家で一日ピアノを弾き新しい今の私の歌を作る事」

 昔も今も変わらぬこの行為が私の生きる糧の全てと言っても過言でない。


 一番大切なことは生きて生活する中で見失ったり忘れたり省かれたりする。

 なので何度も私はこれを思い出してハッとする。



 真夜中に久々に歌を書くためペンを握った。


 全く何も浮かばず、

 窓から聞こえるリーリーリーという音だけをぼんやりと長い間きいていた。



 いつもそこにあるもの。










矢野絢子「ほどくコラム10


「書物と人」


 人に出会う事は、ある人生に出会う事。


 それはまた物語と出会う事である。


 私はしばしば初対面の人と時間を過ごす。

 流れるように過ごす時もあれば、沢山話を聞き、質問をして噛み砕いて味わう時もある。


 そして別れた後、彼らの寝床を思い、一人の時を思い、愛する者と語らう時間を思う。


 それは私に関係のない時間であるにも関わらず、私に安心を与えてくれる。



 朝が来て夜が来て、月日はめぐり季節も変わる。


 私が忘れている間も彼らの人生は止まることなく流れる。


 そこが生きている者の面白く素晴らしいところだ。


 本は開けば物語が動きだし、閉じれば止まり、又好きな時に続きから読める。


 けれど人は。


 同じ屋根の下で始終共に暮らしてる者同士でさえ、


 お互いの物語の言葉一つ残らず読み切ることは出来ない。


 にも関わらず、一瞬にして読み逃した物語を、残らず受け止め合う事も出来る。


 見つめ合う、という行為だけで。







いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2014-10-26 23:52:22

矢野絢子「ほどくコラム」4から6

テーマ:おやすみ

 高知は劇場歌小屋の2階での矢野絢子ライヴ2014「ほどく」という年間タイトルで毎月末2デイズやってます。

 ライヴごとに毎月コラムをちらしとして原稿用紙1枚に書いて配っています。

3月まではブログのライヴレポで発表していたが、4月以降ちっともレポを書いていないので、ここで4月から今月10月までのコラムをまとめて掲載します。(手書きの文章と若干変更箇所あり、9月は最月イベント出演のみだったので書いてません)


 秋の夜長の暇つぶしにどうぞ。





矢野絢子「ほどくコラム4」



「子供の大人」


 夢の中で子供の私は猛烈に怒っていた。目の前の誰かの体を千切れんばかりに揺さぶって。言葉もろくに話せぬほどの猛烈な怒りのたけを全てぶつけてブルブルと震えていた。


 目が覚めると十歳だった。


 古い和室の天井と蛍光灯うっすら明るい窓、ここは何処?お婆ちゃんち?何でここで寝てるんだっけ?



 だんだん意識が戻る。

 私は三十四歳で歌を歌って旅をしており、ここは小樽のなまらやさん。昨夜1階でライヴをし、ワインをしこたま呑んで酔っ払い、2階で泊まらせてもらったんだ。



 現実に戻りほっとしつつ、心には夢の中の怒りが生々しく、でも他人事の様に残っていた。そういや出産する前までは、自分の中のマグマのような怒りパワーに支配されていたっけな。


 忘れたって消えない。でも大丈夫。

 生まれてから今まで、そしてこれからのあれこれを、ちゃんとほどいて抱きしめて放してゆく。

 怒りも喜びも全部大事にできるって事、大人の私は知っている。

 

 これぞ究極、愛のナルシズム。






矢野絢子「ほどくコラム5」


「女たちの二の腕」


 全ての女は美しいと昔池氏が言っていた。


 今回の旅は女たちを巡る旅だった。南の女は皆カラッと元気である。


 北九州の伝説のフォーク箱で、赤い紅をくっきり引いた推定六十云歳のママが、マイクセッティングから音響照明受付ドリンクまで一人でやってのける姿はいつ見てもカッコいいと思う。

 はたまた沖縄で、私から見たら少女のような若い女たちがライヴ中周囲構わずとめどなく流す涙や、宝物を見せあいこするようにキラキラと自分らの音楽を演奏する姿も愛おしかった。


 何処へ行っても女たちの他愛ない笑い声がその場を明るくさせてくれる。

 

 ふと、幸福は女の二の腕にあるのかもしれないと思う。

 細いのや太いのや餅のようなそれらに、言葉などにしなくても十分に伝わってくる女の愛が詰まっているのだ。


 さて私の二の腕は。

 最近けっこうむっちり育ってきたようだが。どんな愛が詰まっているやら。






矢野絢子「ほどくコラム6」


「生きる才能」



 自分の仕事は自分で決める。きちんと最後までやり通す。

 人と生きる時、できるだけ穏やかにあれ。

 お互いが気持ちよくあれるよう、やれる事はやる。

 必要なもの、大事なものは握りしめず、手放して見つめる。


 私は昔から生きる才能に乏しく、散々四苦八苦した。今では昔よりは呼吸しやすく生きられている。それは先に並べたこれらのことをこれまでの人生で手にした書物や音楽、諸先輩方や友人たちから学んできたからだ。


 若者でなくなった今、自分より若い方々にこれらを伝えることはできない。何故なら面倒だからである。

 何でもかんでも手とり足とり教えてもらえると思ったら大間違いである。自分の心で感じ、片っ端から失敗しなければ何も残らぬ。痛みを知らぬ者に限ってやけに転ぶのを恐れ、大げさに痛い痛いと泣き喚く。

 傷を作らぬことが生きる才能ではない。と私は偉そうに声を大にして言う。


 明日は我が身で上等である。





いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。

    Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
    芸能ブログニュース