ユーミンの歌なんですが、"悲しいほどお天気"という歌があります。
初出は1979年12月です。
ユーミンが自身の美大時代を歌った歌なんですが、とても斬新なコード展開と洗練された歌詞を有していて、佳品ともいうべき作品です。
この歌のラストに、
"いつまでも私の心のギャラリーにあるあなたの描いた風景は、悲しいほどお天気"というフレーズがありますが、
私は、流石はユーミンだなぁと感心してしまいます。
晴れ、
お天気、
雲一つない晴天、
悲しいほどお天気(悲しいほど天気が良い)。
なぜお天気なのに悲しくなるのだろう
ユーミンには美大時代に、素晴らしい絵の才能を持った男友達がいたのでしょう。
ユーミンはその男友達の才能を高く評価するとともに、彼を片想していたのです。
いつもいつも、彼は私を見つめてくれず、見つめるのは白いキャンバスばかり。
彼は、作品毎に才能を一歩前へと前進させていく。
私の絵の才能は、彼に追いついたと思った瞬間に、さらに引き離されてゆく。
どんなに想っていても、彼を恋愛の曇天に引きずり込むことができない。
彼が私の心に残したのは、一点の曇りもない、悲しいほど爽やかな面影だけ…
というような意味合いではないかと、私は勝手に解釈しております。
このような歌を作れるのですから、作詞でも作曲でも、ユーミンは非凡なんだと思います