新年あけましておめでとうございます。

福袋など年末年始のイベントはいかがでしたか?

私は福袋、一つ購入しました。結果はまた後々レビューで公開しますね。

 

さて今回はA10000に彗星の如く現れた新星…

 

SENNHEISER IE40 PRO

 

<オススメ度>☆☆☆★   3.5 購入済

 

もう彗星の如く現れてから随分経ったとは思うんですが、私は比較的新しい段階で購入してました。

SENNHEISERがこの価格帯のイヤホンをIEシリーズで出すのは意外でしたね。

A10000といえば今やかなりの激戦区です。SE215が知名度という点でかなりリードしているのもあって

1万を超える機種が定番として定着できるかはかなり出来が問われます。

【本体】

 

IE40 PROは1DDのシンプルなIEMです。一応リケーブルは可能ですが、SENNHEISERの悪い所である

「独自規格」という魔物が潜んでいました。しかもIE40のみの規格…
IE400・500とすら一致しないのはヤバすぎませんか禅さん!というわけで現在リケーブル選択肢が

ビバボ or Bispaのみになってます。まあ、選択肢があるだけ有り難いですよ。コネクタも売ってないし。

ここは普通のMMCXであるSE215その他A10000の圧勝。

 

ヤベーぞ独自規格だ!

 

見た目はIEシリーズっぽく無いですが悪くないと思います。クリアは透明よりは少しブラストっぽいです。

ベントポートが堂々と空いているので、遮音性や漏れはSE215に少し劣りますね。一般的なIEMの範囲

ではあると思いますが。

 

ケーブルに関しては、コネクタが緩いという声が多いです。実際緩い。おとなしくMMCXにしておけば

いいのに。イヤーフックの針金も自分のは根本が抜けてきて飛び出ちゃいました。しょっぱい。

イヤーピースも変わっていて、十字のガードが付いていて中にスポンジが入ってます。

音質的な効果もなくはないんでしょうが、どっちかというと汗やゴミなどのフィルタと思います。

一応ステム内にもスポンジが入ってます。

コレを考慮すると、スポンジが減る分イヤピースの変更でも結構音は変わりそうです。

 

↓リケーブルはこちらのバランスケーブルを使用しています。

 

 

↓編み込みケーブルが良い方はこちら(3.5mmアンバランス)

 

 

ちょっと良いリケーブルにしたいなぁ、という方はBispaというメーカーをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 


【音の特徴】
<バランス>低域5.5/中域5.5/高域6

 

いきなりで申し訳ないんですが、高域がぶっ刺さります!!

ちょっと出過ぎ、というよりは露骨な刺さりです。帯域のバランスとしてはかなりフラットなんですよ。

最初はイヤピースを変えたからかと思い、純正で聴きましたがダメ。スポンジを増やすと少しマシ程度…

試聴時は曲が違った為かこんなに刺さる印象はありませんでした。

 

それは一旦置いておくと、中高域は非常にクリアで解像度のとても高い音です。

SE215は改良しないと篭もってダメでしたが、IE40は素でも非常に今風の澄んだ音が出ます。

低域は必要十分といった感じであまり主張はしてきません。立ち上がりの良さからスピード感と

アタック感は良いですがあまり低く響く音は出ませんね。スッキリ系の低音です。

逆に高域の抜けはかなり良く、定位も優れていて音場が結構広く感じます

 

問題はとにかく刺さりだけ…コレさえなんとかなれば本当にミドルエンドまで食える実力はある。

と思って試行錯誤していたんですが。

どうにも出来ず、一旦諦めました。ケーブルも変えられないし…

そして年が明けて、(IE40のことはすっかり忘れて)刺さりについて色々調べていた所、

音茶楽Sound Customizeのテクノロジーという音茶楽さん(Donguriのメーカーさん)のサイトを見まして。

「シリコンイヤーピースは反響が綺麗すぎて共振が避けられないのでは?」と思いつき

ウレタンイヤーピースならあるいはと思いJH AUDIOのROSIEに付属していたコンプライ?っぽい

イヤーピースを試した所…アレだけ鋭い刺さりが煙の如く一切消えてしまいました

ウレタンって汚れやすいしヘタるし嫌いだったんですが、この時ばかりは感動しました。

中低域がボヤけたり丸くなったりもしておらず、高域の抜けも変わらないのに刺さりだけ消えました

 

ちなみに同じウレタンでも付属のウレタンではいまいち効果が無かった。謎だ…。

 

というわけで、レーティングが変動しました。

 

 

IE40 PRO (COMPLY T-500装着)

 

<オススメ度>☆☆☆☆☆  5 (購入済)

 

<バランス>低域6.5/中域6.5/高域7

 

こうなってみると本当に抜けの良い高域と各帯域の分離の良さ・解像度の高さが際立ちます。

 

改善はしましたが、根本的に刺さりやすい出音ではあるので少し音圧がキツく感じる箇所はありますが

一部の曲で稀にあるかないかくらいに変わります。基本刺さらないと言ってもいいでしょう。

もうセットで販売してもいいくらいですね。ただ、耳道の距離や形によってはIE40が刺さらない方も

いると思うので、IE40が刺さると感じた方はコンプライ、ぜひぜひお試し下さい。

 

3つで2400円。まぁまぁする。ちなみに適合サイズは500番です。

 

 

 

 

 
 
 

 

1ペア毎のバラ売りもありますが、基本複数個のものをオススメします。

コンプライは長期間使っているとヘタるので予備は必要です。

 


<ドライ>-☆---0-----<ウォーム>

かなりカッチリした音です。解像度重視で、音の膨らみのようなモノは感じません。

しっとりした音楽はあまり得意ではないと思います。

逆に現代音楽にはかなりの適正があります。現代の音楽シーンへのSENNHEISERの回答でしょう。


<薄味> -☆---0----- <濃味>

非常にモニターライクなバランスで、明確な特徴付けはされていません。

少し高域寄りではありますが、低域の少ないイヤホンをあまり聴かないが故の感覚な気もします。
縦ノリでとにかくアゲる聴き方よりは音源を細部まで聴き込むようなリスニングに適しています。


【総評】
IE40 PROは、素性は良いのに実に厄介な一癖がある、というイヤホンでした。
自分がウレタンイヤーピースを使う事は今までありませんでしたが(汚れやすいし、ヘタるのが嫌い)
「高域の共振を抑える」という目的を持ってイヤーピースを選ぶという勉強になりました。
 
A10000では様々な機種がしのぎを削っています。その代表格であるSE215 SPEとの比較ですが、
IE40 PROは音質面では完全に格上です。SE215もケーブル・イヤーピース・バランス接続で
大幅に戦闘力を上げる事が出来るのですが、7年の時間はやはり大きいのかもしれません。
今時の音楽性、DAPの高性能化、音源の高品質化。IE40PROは今求められている音を捉えています。
スタジオリスニングに置いてはA10000のイヤホンとしては別格かもしれません。
 
IE40 PROはイヤピース選びが重要な少し難しい可能性のある機種です。
それでもA10000では非常に有力な選択肢である事に変わりはありません。
非常に実力の高いイヤホンで、個人的にはA10000の暫定王者であります。
(コンプライ一緒に買うとちょっと高くなるけど)
 
ただ、それだけに独自規格のコネクタだけは勘弁してくれんか…勧めにくいんじゃ…
まあSENNHEISERが今更反省してMMCXでイヤホンを作るようなメーカーではないことは皆知ってる。
願わくば、ケーブルメーカーの皆さんに頑張っていただけますように。
 
 
 
 
実はわけあって、今回からリファレンスのDAPが変わっています。
???
 
 
詳細はまたレビュー記事にて…。
以上、IE40 PROのレビューでした。
 
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