3新日本昔話「河童の恩返し」

第三話


河童は自分のせいで推しの踊り子さんが契約解除になってしまったのでとてもショックを受けました。

「それでは、河童家に伝わる伝説の宝物である尻子玉で過去を消し去ろう!」

尻子玉とは名前はちょっと下品ですが、不思議な力を秘めている宝珠のことです。

普通は河童が相撲に勝つと人から奪うとされていますが、河童が使うとどんな願いもかなうと言われています。

「そうだ、スマホとLINEを21世紀まで消し去ろう。そうすればLINEで繋がったことがなかったことになる…
えいっ!」

すると不思議なことに、漠捨座の踊り子さんたちの名前が名簿に戻ってきて、いつものように舞台で歌ったり踊ったりする姿が現われました。

夏摘姫もなにごともなかったかのように舞台で歌ったり踊ったりしています。

しかし、河童が尻子玉を使うと、その前後の記憶もすべて消えてしまうのです。なぜなら記憶を消さないとあたしのスマホがなーい、LINEがこの世から消えた! と大騒ぎになってしまうからです。

もちろん、愛し合ったことすらも…

もう河童と夏摘姫が街ですれちがっても元の見知らぬふたりに戻ってしまいました。

しかし、夏摘姫のお腹の中にはふたりの赤ちゃんがいて、すくすくと育っていました…

めでたし、めで…たくない! ただの無責任なオッさんやないか、河童の奴!