※貯えもないのに49歳でサラリーマンを辞めてしまった(当時の)私の、その後です。やりたいことは、非営利の患者支援活動。でもそれじゃ、食べていけないし、生活が成り立たないから大変。何とかしなくちゃと色んなことにチャレンジしたのですが、

 

その一つに、東京大学の職員、というのがあります。。

 

東大の職員といっても、先生という訳ではなく、かと言って事務職員でもなく

 

「特任研究員」という不思議な肩書でした。

 

 

一般的に想像するのは「給料をもらって研究するひと」という感じでしょうか。

 

 

でも、私は研究をするわけではなく、営業とか事業化の仕事をしていました。

 

 

昔も今も、「大学発ベンチャー」とか言うじゃないですか!

 

でも大学の先生たちって営業は苦手、しかもビジネスのことはよく解らない、という課題があるのです。

 

 

そこで「大久保さん、大学発ベンチャーの営業をやってください。肩書は特任研究員です」という訳です。

 

 

最初そのお話を頂いたときは、受けようかどうかどうしよう~?とかなり迷ったのですが、

 

 

迷った理由:

 

1.お手当が安いです。。時給○○円という世界でした。それまで、年棒○○円という世界にいたので、かなり精神的な壁がありました。だって、お手当だけで言うなら、もっと高い他のお仕事がある訳なので。なぜ、時給換算で安いほうを選ぶのか?となっちゃうわけです。

 

理由2.外資系証券と大学では、カルチャーが違い過ぎるから、こんな自分に務まるのかなあ?という大不安

 

 

それでも、お受けすることにした理由:

 

3.お金が必要だったから。確かに安いのですが、採用される先生とお話しして、お受けすることにしました。※ただ、採用のときに合意した条件が、途中からひっくり返されてかなり驚きました。契約という概念が無い口約束の世界で、外資系企業ではありえないカルチャーでした。。

 

理由4.東大の名刺があれば、色んな企業のかたとお会いできるから

 

 

がんなどという、ヘルスケア的な事なる業界で、ゼロから働くには、信用が大事です。

 

私、元外資系証券なのですが、今後はがん患者支援をしたくて、、なんてメールとか、電話で自己紹介しても、企業の人は「???」となりどこの会社も会ってくれません。

 

 

これでは、何も始まらないため、取りあえず、企業の人に会ってもらうためには、「NPO法人5years」の名刺ではなく、社会的信用度の高い名刺が欲しかったのです。

 

 

もちろん、東大の仕事として会う訳ですが、個人的な人間関係が出来たら、その会社の中で「がん患者支援」と接点がある担当者のかたを紹介してくださいとお願いするために、名刺が必要だったのです。かなりの年月が必要ですが、、

 

 

まあ、私にすると、確かに遠回りなのですが、何かを成し遂げようとしたら直線的にたどり着くなんて有り得ないだろうと思い、

 

特任研究員という、つなぎのお仕事をしていたことがありました。

 

その仕事は、1年1年の更新なので、キリの良いところで終えました。

 

そのつなぎの間に(ありがたいことに)講演のお仕事とか、社外役員・社外顧問のお仕事が増えていき、

 

上手く収入ありのお仕事をスイッチできたのです。

 

※実際にはスイッチなんて簡単にはいきません。今の仕事に辿り着くために、どんなことをしたのかは別の機会にご説明したいと思います。