❏❏❏ 回顧録:2007年6月15日 東京・慈恵医大病院

 

私は、今後の治療方針が、手術「後腹膜リンパ背郭清術」と知らされ、愕然とした。

 

色んなことを事前に調べておいたので、そういわれる可能性も解っていた。

 

だが、実際に言われると嫌なものだ。

 

即座に先生に、「セカンドオピニオン」を受けたいので、紹介状と検査結果をください、そうお願いした。

 

いまでこそ電子化が進んでいるが、当時は、CTの画像というと

 

縦横1メートルの大きな画用紙ほどのレントゲン写真フィルムを7枚、持参するのだ。

 

結構、重たい。

 

讃岐先生が、私に言った。

 

「大久保さんなら、アメリカの病院に行って意見を聞いてきてもいいんじゃないですか?」と。

 

私は、ランス・アームストロングが治療を受けたインディアナ大学医療センターのニコルズ医師から、意見を聞きたいと常々思っていたからだ。

 

ただ、いま、この体調で、飛行機に乗ってアメリカまで行くなんて、自信がなかった。

 

それにニコルズ医師が、もしかしたら、転勤して他の病院にいるかもしれない。

 

慈恵医大病院もそうだが、大学病院の医師達は、定期的に人事異動する。

 

数年も経ったら、そこにはいないのが常だ。

 

そして、「セカンドオピニオン」だが、当時はまだ、習慣として根付いていなかった。

 

病院とか、医師によっては、

 

「そんなに、僕の治療方針が信用できないのかね」と気分を害され、その病院との関係がこじれてしまいかねないと、

 

セカンドオピニオンを怖がり敬遠する患者が多くいた。

 

木村先生や讃岐先生は、当時から大人なひとだったから、

 

「大久保さんが、納得するまで、徹底的にやったらいいですよ」と理解を示してくれた。

 

ただ、問題は、どこの病院に意見を聞きに行くか?だ。

 

私は、運営している「認定NPO法人5years」でも、患者さんや、ご家族から、どこの病院にセカンドオピニオンを聞けばいいのでしょうか?と時々聞かれる。

 

それはそうだ。

 

だって、医療なんて、一般の私たちには非現実な世界で、縁遠いものだ。

 

世の中にどんな病院があるのかなんて、普通は知らない。

 

そんな中、私は、一生懸命、インターネットを使い日本中の病院を調べていった。