❏❏❏ 回顧録:2007年3月15日 東京・慈恵医大病院
検査室から戻ると、看護師が「入院診療計画書」なるものを持ってきて、説明が始まった。
今日は、21:00以降、食事と水分は取らない。
明朝の排便をしやすくする為、下剤を服用し寝るときには「睡眠導入剤」を飲み、しっかり寝るというもの。
翌日朝方、「浣腸薬」により腸内のものを全て排出させる。
そして、尿道には、例の尿チューブを入れて、小便は尿パックに貯める。
そして、いよいよ14:00「入室開始」である。
※入室というのは手術室に入ることだ。
手術時間は、5時間の見込み。
翌々日は、お昼から食事が可能。
そう言うことを説明してくれた。
明日は、家族が見守る中、癌(がん)に侵された右精巣の摘出手術が行われる。
「無事に終わって欲しい。ただ、それだけだ」
夕食を終え、一人の部屋でボーとしながら、そんな事を思っていた。
なんだろう、緊張というのでもない、不安というのでもない、
「ともかく、明日を乗り越えよう」
そんなことを考えていた。