ふにゅ~っ




「はぁひ?」




突然鼻をつままれた




「やっぱり冷たい」




ゆっくりと指を離してそのまま私の中の隠し事を見つけようとするかのように目を覗き込まれる





ちょっと顎を引いて私を下から覗き込むようにするから




大きな目がますます大きくなって、それもきれいすぎて迫力ある三白眼になっているから目線をはずせなくなる




「・・・・・・・・俺が帰ってくるまで何してたの?」




何って…何もしてないんだけど




「本読んだり、友達のブログ読んだりしてたよ」




ベットサイドの小さな照明だけつけて



本当のこと




「じゃ、なんでこんなに冷えてるの?」





頬をきれいな手で撫でられ反対の手で手を握られる




それは暖房を入れてなかったからなんだけど、それを言ったら理由を聞かれるはず




それで理由を聞いたらきっと彼は私にそんな気を使わせてるって思ってしまうかもしれない




でもそれは私が勝手にやっていることで




私が彼とこれからも付き合っていきたいから勝手にしたことで




つまりは自分のためにしてること




だから




「暖房入れてなかったからかも」




「なんで?」




「顔と手は冷えてるけど、体はあったかいよ」




その言葉に彼の手が私のあちこちを確かめるかのようにさわさわと撫でだす




「・・・・・・・・どういうこと?」




最優秀男優賞の俳優さんをだます




それには本当とウソをまぜないと





「ベットで布団にくるまってたの」




「・・・・・・・・・」




意味が分からず不審な顔のまま見つめている




「准君が寒くないように、あっためてあげてたんだよ」




ふざけた口調で言う



布団にくるまってたのは本当のこと



暖房つけなくて寒かったからなんだけど



それを逆にする



布団にくるまってて暖かかったから暖房はつけなかった、と



「寂しかった?」



「……准君の布団にくるまれてたから大丈夫」




「〇〇…」




彼の逞しい腕が私の肩にまわり、抱え込むように引き寄せられ抱きしめられる




「ごめん、もっと早く帰れると思ったんだけど」




彼は



私が寂しくて彼の布団に入っていた、と思ってくれた




冷たい外気をまだ纏っている彼の背中に腕をまわしてきゅうっと抱きしめる




シャツの下にある熱い体が感じられて途端に心臓がぎうぎうになる




「…忙しいのに時間つくってくれるだけですごく嬉しいから」




掴んだシャツのわずかな衣摺れの音が




すごく大きく聞こえてしまう