インターネットや文献などで調べても、脱嚢までの日数にバラツキが有り
30日~45日と記載している物もあれば、70日~75日と記載されている物も有る
何故? バラツキが生じてしまうのか?
交尾の確認が必要である事と、未熟児での出産の為に妊娠や、お産に気が付く
のが容易でない事が要因で、脱嚢までの基準値がバラバラになる事で
記述に誤差が生じる為と判断が出来ます。
長年、フクロモモンガの繁殖に携わった方々のお話ですと
やはり正確には誕生から脱嚢までは、70日~75日が正しいと言う事です
何故に私が脱嚢までの正確な日数に拘るのか?
それは、ペアで飼育する限り増え続けて行くと言う事です。
運が良いと1年で8匹を(通常は3匹~6匹)お産してしまう可能性が有る為
1年で10匹をお世話する事になります。
数が増えれば、それだけご飯代が掛かってしまうと言う事になる訳です。
飼い主の責任の一つとして、増やしすぎない為の知識が必要になると
考えているからです。
集団生活をし、発情期があり、♂も子育てに参加する動物の場合
上記の知識は必要不可欠な物だと思います。
私がフクロモモンガの繁殖を観察した結果
脱嚢と発情と子育ては密接に関係していて、効率良く子孫を増やす為に
サイクルが決まっている事が分かって来ました。
発情は鳴き声(ワンワンと犬の様に鳴く)で知ることが出来ます。
聞き逃してしまった場合は、やはり脱嚢を基準に考える
方法が良い様に思います。
通常♂の発情サイクルは29日周期なのですが、♀と同居し
その♀が育児嚢で子育てをしている場合は、脱嚢により発情サイクルが変化し
29日周期が早まるパターンが存在する様です。
フェロモン若しくはホルモンの関係なのか?
現在、飼育しているペアで観察した結果と、今までに飼育をして来た
他のペアの日誌を照らし合わせた結果をご紹介を致します
又、♂♀のペアの場合と、ハーレムを形成した場合の違いなども
今後、ご紹介できたらと考えております。
先ずは、♂も2♀もベビーからの飼育個体で
お産の経験が無い状態からの観察になります。
最初の♀をA♀とし、2匹目の♀をB♀とします。
A♀が先に妊娠をしました。
その後、29日周期で発情が起き、3回目の発情周期でB♀との
交尾を目視で確認する事が出来ました。
その5日後に、A♀のベビーが脱嚢をしたのです。
出産から76日で脱嚢した計算になりました。
(発情周期29日と妊娠期間16日を+して逆算をした結果)
発情周期が、脱嚢の後に訪れると、その発情は訪れず?
通常の半分の周期で、次の発情が訪れる様です。
産まれ過ぎを回避するには、ベビー脱嚢を基準に考えて、数日後に
♂と♀を別居させ、母親のみに育児を任せる方法が良いと思います。
この場合、ベビーや母親の様子に絶えず気を配る必要があります。
今後、フクロモモンガをお迎えの方々や、ベビーを産ませて
見たい方々の参考にして頂ければ幸いです。 by 寅造
次回は、詳しい日数に付いて、お話をさせて頂きます。