ギャスパール、結婚式へ行く -Gaspard va au mariage | 仏映画

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個人評価: ♪♪♪
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製作年/Sortie: 2017
監督/Réalisation: アントニー・コルディエ/Antony Cordier
脚本/Scénario: アントニー・コルディエ/Antony Cordier Florence Vignon
出演/Acteurs:  
フェリックス・モナティ/Félix Moati
ギヨーム・グイ/Guillaume Gouix
レティシア・ドッシュ/Lætitia Dosch
クリスタ・テレ/Christa Theret
ヨハン・ヘルデンベルグ/Johan Heldenbergh
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あらすじ
家族と疎遠になっていた25歳の青年ギャスパール、田舎で開かれる父の再婚式にひとりで出席するのが嫌で、偶然知り合った旅の女性、ローラに恋人のふりをして欲しいと頼み込む。
ギャスパーの実家は家族経営の動物園、客が減り経営が苦しい中、どうにか持ちこたえている。自分を幼い頃から見つめてきた動物達や家族に成長した自分を見せる心の準備が無かったのだ。

動物園を守ってきたのはギャスパールの家族。浮気癖があり我儘な父親、律儀な兄、死んだ子熊の毛皮を纏う美人妹がいる。動物園の中で動物達に近い生活をしてきた家族がローラの出現により、変化が生まれる。

旅路ローラと出会うギャスパール

久しぶりの帰郷

仲の良い兄弟妹



感想・ネタバレ
DVDジャケットや映画ポスターから、ライト・コメディと勘違いする人は多いだろう。喜劇風なフレンチ群像劇、邦画では見ない作風だ。物語がギャスパールとローラの出会いから始まるが、二人の関係は最後まではっきりしないのでラブストーリーに期待すると肩透かしに会う。『動物園を経営する家族、個性的な登場人物を楽しむ映画』と考えれば、、フランスの動物園の裏側、働く人の生活も見られる、かなり楽しめる映画に変化する。


物語はギャスパールとローラ、コリーヌを中心に展開、動物に目透かしに会うのが嫌で帰省を躊躇する主人公ギャスパール、既に常人の感覚ではない。フランス人は日本人に比較し体臭に趣向を示す人は多いが、ギャスパールの体臭への執着は尋常では無くローラの足の膝の裏の匂いを嗅ぐ様子は動物そのもの。

兄のギャスパールに恋心を抱き、予定外の客人ローラに敵対心を抱く妹コリーヌ。獣化した妹が森を練り歩く姿は野生に近くも見える。だが多くの動物は近親個体とあまりにかけ離れすぎていない個体をつがい相手に選ぶ傾向にあるが、近親交配を避ける。常に子熊の皮を頭から被るのは精神の停滞、変化を嫌う彼女の主張であり、ローラへの嫉妬は縄張り意識かもしれない。動物園の動物が野犬に襲われ、コリーヌはローラを野犬同様アウトサイダー扱いする。




注意)
一般的に仏映画は裸への躊躇は皆無、フルヌードも自然体に魅せる。本作官能映画では無いが、この映画の登場人物は男女問わず全裸になるので、視聴時は要注意。

相談する子供達とドクターフィッシュ水槽で入浴する父