十六歳のアメリカ ベースボール 三二、勝負はこれから 125 | 六月の虫のブログ

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 翌日、我がチームにはリッチ・サウス (Rich South) 高校とのダブルヘッダーが待っていた。二ゲームとも、前日の打棒爆発が嘘のように、点が取れない。結局、第一試合が一対九、第二試合がゼロ対三と二連敗に終わった。第二試合は、クリスが好投したものの打線の援護がなく、彼は見殺しにあった。ボクは肩にまだ張りがあり、とても投げられる状態ではなかった。ブライアン・ジョンソンもブライアン・マーサリも、翌週の同じカンカキー地区のセイント・アン (St.Anne) 高校とウエストヴュー高校戦に先発の予定で、リッチ・サウス戦での出番はなかった。エースが投げていないせいもあり、このダブルヘッダーの二連敗にもチームのムードは暗くなかった。

 翌週の水曜日、セイント・アン高校戦に先発したのは、勝ち頭のブライアン・ジョンソンだった。さすがにもう既に二勝を上げているだけあって、彼のピッチングは安定していた。ところが、六対二で迎えた最終回、ブライアンが疲れを見せ出した。ワン・アウトを取ったもののストライクが入らず、三つのフォアボールで満塁にしてしまった。ボクはそうとも知らず、ブルペンでピッ

チング練習をしていた。この時は、文字通り練習していただけで、リリーフの準備をしていたわけではなかった。ベンチの前から、ハイランドがボクを呼んだ。ミスターZはマウンドのブライアンのところにいた。そして、ブライアンとの話しが一段落した後、ハイランドに呼ばれてベンチの前まで戻っていたボクに、続きを投げるよう言った。あまりにも急だったので、緊張する暇がなかったのがかえって良かったのか、ブルペンの調子で気楽に投げられた。ボクは、結局、二人のバッターをショート・フライとサード・ゴロに討ち取って、ブライアンに三勝目をプレゼントした。

 週末のウエストヴュー高校戦は、ブライアン・マーサリが六対三で完投勝利を上げた。さすがにシニアだけあって、ジョンソンやボクよりもピッチングに安定感があった。翌週の水曜日は、ボクの出番だった。ビーチャー (Beecher) 高校に先発して、五回まで投げて三失点。結局、チームは三対五で負けて、敗戦投手になってしまった。この時はそんなに悔しくなかったので、ベンチに戻った後、平然としていたらミスターZに「負けても平気な顔をしているようでは次の試合にも勝てないぞ」と注意された。

 この週末のウエストヴュー高校とのダブルヘッダーも四対六、ゼロ対六と連敗した。ここまで二十四ゲーム消化して、六勝十八敗の成績だ。これからは、地区のトーナメントやカンカキー・ヴァレー・コンファランス(KVC)の試合が多くなる。KVCのゲームについては、ボクのビーチャー戦の負けを入れてここまで二勝二敗と五分できている。ここにきて活躍が目立つのは、ケリーとルースターだ。この二人の一、二番コンビが確立してから点が取れるようになったし、守備も安定しだした。次のハーシャー高校とのKVCの公式戦の後は、州のトーナメント行きを目指した地区トーナメントが始まる。


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                自作の絵