「ツール・ド・シュト」尾道での夜 | ピエロが西を向く!!

ピエロが西を向く!!

世田谷区経堂「しゅとカフェ」のオーナーシェフ。

気温も良く風もあって気持ちの良い夜。
3人とも爆睡してた。


午前2時を回った頃か。
急にババババっとバケツをひっくり返したようないきなりのゲリラ豪雨!!!
しかし、ほんの数秒。
最初は何だ?と思いながらも、誰も声も出さず
「あっ雨か…でも止んだ。良かったぁ〜」
と思ったに違いない。

そしたら数分後にまたババババっ!!と豪雨が!!
(うぉっ!何だこれ?変だぞ?)

すると、
「スプリンクラーだ!!首藤さんスプリンクラーすよ!あっまた攻めてきます!!!早く今のうちに!」
「え?スプリンクラー?!!おー!!うわー!まじだ!撤収撤収!!」

そう、芝生用のスプリンクラーが回っていたのだ。
多分時間設定されてたんだろう。
とりあえず僕らは急いで寝袋と荷物を持ち、
「どーする?どこに移るか!」
「隣の芝生のエリアは回ってないっす!ここだけスプリンクラーあるんじゃないすか?」
「そうだなぁ、そう言われるとこっちの芝生はなんかショボいしなぁ。真ん中のエリアだけか。こっちはスプリンクラーないよなぁ?」
僕らは隣の芝生に移り、スプリンクラーがないか確かめる。
「ないみたいですね〜。いやぁ気付かなかったっすねぇ。」
「よし、じゃあこっちで寝るか。てかビビったけどウケるな!」

濡れた寝袋と荷物をタオルで拭いて僕らはまた寝る。

そしてまた30分後。
ババババっ!!!

「うわっ!こっちもだ!!うおー冷てー!!」
もうこうなったら笑うしかない。

「おい!なんかスプリンクラー生えてるぞ!!」

時間差で隣の芝生もスプリンクラーが回り始めたのだ。どうやらスプリンクラーは隠れているらしく、時間になるとニョキニョキっと生えて回り始めるのだ。
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寝てて放水されるとは思わなかった。

もうしょうがない。
芝生を諦めて海の方まで逃げてベンチに寝袋を敷いて寝る。

「首藤さん!!野宿ってヤバいっすねぇー!!!」
「だろ?!お前ら!スプリンクラーの近くでは寝ちゃダメだからな!覚えたか?!」

日が昇りあたりが暑くなり始めた朝、2人がやってきて
「首藤さん、ありがとうございました!なんか野宿楽しかったです!!必ずカフェ行きますんで!!」
「僕も楽しかったです!歯医者じゃなくてカフェ目指します!!」
「おいおい。それはダメだろ。いやぁ悪りぃことしたなぁー。でもなんか楽しかったな!またな!!」


初めての野宿でスプリンクラーの洗礼を受けた2人は朝日に照らされて、駅の方に歩いていったとさ。