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会場のあちこちで拍手をしてくれる人がいる
全員が……という訳にはいかないが、それは仕方ない
これからの俺たちを見てくれたらいいなと思う



パーティーも終わり、今日は旅館にお泊まり
なぜか櫻井家が合流する


2人が良かったのに………



通された部屋に行くとすでに呑み始めている面々


「あっ、潤くんっ!」

「潤さんっ!」


潤の顔を見るなり駆け寄る妹弟

「おーい、兄もいるけど―」

そんな俺にはお構い無し

「潤くん、いつなら予定なし?夜が無理ならランチでもどう?」

「潤さん、次の休みいつっすか?」 


攻め込む2人に笑顔ながらも完全に困惑している潤


「はーい、離れてー。潤は今、忙しいからお前らの相手なんかしてられないの。だから却下っ!」


旅館のリノベーションや俺たちの家のリフォーム過程を会社のホームページで公開した途端、問い合わせがすごくて、毎日、クライアントとの打ち合わせに励む潤


「兄貴だけズリぃよっ!」

「ズルくないっ!潤は俺のだっ!俺だって会えないの我慢してるんだよっ!」

ついつい出てしまった俺の言葉に妹弟はぽかんと口を開けた


「ち、ちょっとしょおくんっ!」

隣で真っ赤な顔をする潤

これはヤバいのか?

「もうっ!」

プイッと横を向いてせっせと俺の両親の横に行ってしまった


「ち、ちょっと、潤っ!」

俺の声には耳も傾けず、親父にお酌をしながらおふくろと話す潤


「兄貴……俺らにまで嫉妬するなよー」

「まさか、こんなにお兄ちゃんがねー」

「嫉妬ばかりする男は嫌われるぞー」

「心の狭い男はどうかと思うわよね―」

口々に俺に批難の言葉を浴びせる妹弟

「お前らのせいだっ!」


潤の機嫌を早く治さねば………
甘い夜が…………



じゅ~~~~~ん!!