S

カチャ…

2週間ぶりの我が家
愛しい匂いと感じる存在感
あー、ホッとする~~~~~


「ただいまー」


俺は一目散に愛しい人の所へ



「おかえり、しょおくん❤」


俺の愛しのじゅ~~~~~ん

荷物を放置し、さっそく抱き締める

スリスリ

くんくん

あー、じゅんだ❤

「擽ったいよ、しょおくん。うがい、手洗いしてきて。」

そう言ってくるりと洗面所に向かわされる


その間もキッチンから漂ういい匂いと落ち着く生活音


「じゅーん、今日の晩メシなに?」

「今日はお味噌鍋にしたよ。大野さんがお味噌送ってくれたんだぁ。」


大野さんとは潤の義理のお兄さん
潤の実家の老舗の旅館を潤のお姉さんと一緒に切り盛りしている
手作りに拘る料理とお兄さん自ら釣ってくる新鮮な魚が評判の旅館だ


「出来たてほやほやだよ。あったかいうちに早く食べよっ!」

潤に促されて食卓につこうとすると、潤が片足を引きづってる事に気付く


「潤………?」

「…やっぱり気付いた?」

苦笑いを浮かべる潤

「昨日の夜、仕事しながら寝ちゃてさ。目が覚めたら膝掛け、落ちちゃってて…」

「無理はしない約束だよな?」

「ごめん……急ぎの依頼があってさ、ついつい。しょおくん………?」

上目遣い、ズルいよなぁー

「風呂から出たらマッサージな」

「うんっ!お願いしますっ!」

途端に笑顔になる潤
その笑顔についつい許してしまう俺

はぁー、単純…


潤は心身に少しだけ障害がある
幼い頃に土砂崩れに巻き込まれて、両親を亡くした
その時、潤は両親のおかげで生命は助かったが片足に障害が残ってしまった

通常の生活は送れるくらいのものだが、疲れが出たり冷えたりと少し油断すると、症状が酷くなる

潤もそれはわかっているが、性格上すぐに無理をする

だから俺がいつもストッパーになってあげる

「飯にしようぜっ!」

潤から鍋を受け取って、せっせとデーブルにセッティング
グツグツといい匂いが漂う食卓に潤の笑顔

俺はこれだけで幸せだぁ~~~~