純 矯正・歯科クリニック院長の村田 純一郎です。
本日のテーマは「抜歯矯正をすると”ほうれい線”が深くなるってネットで見たんですけど本当ですか?」についてです。
ここ最近カウンセリングにいらっしゃる患者様は以前に比べこの事を聞く方が多くなってきた様に思います。
理由については後ほど記載しますが。
先ずは抜歯(永久歯を抜く)矯正について。
叢生(デコボコ)の症状があまりにも強かったり上顎前突(出っ歯)や反対咬合の症状があまりにも強い場合は歯列の側方拡大や遠心(後方)移動に限界がありますので抜歯矯正をお勧めしています。
また叢生(デコボコ)がそこまで強い症状がなくても全体的に歯が唇側(外側)傾斜し口元が出ている(口ゴボ)方の場合で口元の改善をご希望の方には抜歯矯正を勧めしています。
私の場合は抜歯矯正派でも非抜歯矯正派でも無く至ってニュートラルな立場で、患者様の症状とご希望を考慮しどの様な治療をすれば最良であるかを判断し治療方針を決定しております。
では、実際の症例を教示致します。
こちらの患者様は小児矯正(第一期)治療でしっかり成果を出したので非抜歯で本格(第二期)矯正治療を行おうと考えておりました。
しかし本格(第二期)矯正治療開始の検査に入ったところ患者様の“口元を改善したい”とのご希望で抜歯矯正に変更しました。
上下顎の前後的位置関係に大きな不調和が認められないため抜歯部位は上下顎左右側第一小臼歯に決定しました。診断から動的矯正治療開始まで様々な理由から1年を要しております
・装置はリンガル(舌側)ブラケット矯正装置を選択されましたので、下顎の左右側第一小臼歯抜歯後にリンガルアーチを装着し重なりが強い下顎左右側犬歯の遠心(後方)移動から開始しました。
・上顎左右側第一小臼歯抜歯後にMBS(マルチブラケット)装置を装着し歯の移動(レベリング)を開始しました。
・下顎左右側犬歯の遠心(後方)移動が終了したので下顎にMBS(マルチブラケット)装置を装着し歯の移動(レベリング)を開始しました。
・上下のレベリング(デコボコの改善と歯の高さを合わせる)が完了したのでスペースクロージング(空隙閉鎖)に入りました。
・スペースクロージング(空隙閉鎖)より1年。抜歯した隙間が小さくなってきました。
・スペースクロージング終了後に個々の歯の微調整を行い
・2年2か月で動的矯正治療が終了しました。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時の口腔内正面と側面の比較です。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時の頭部X線規格写真の比較です。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時のトレース重ね合わせです。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時の重ね合わせです。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時の角度および線分析です。
小臼歯抜歯をしているので前歯と大臼歯の距離が短くなっておりますが、骨格には大きな変化はなく下顎前歯の舌側(内側)移動と上顎前歯の舌側(内側)傾斜が主な変化となります。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時のEラインの変化です。
上下顎の口唇がEライン上に整い特に下口唇とオトガイ部の間にくびれが生じ美しいS字状の“オトガイ唇溝”が形成され患者様も横顔の変化に満足されております。
・本格矯正(第二期治療)開始時と動的矯正治療終了時のほうれい線についてですが、
違いが分かりますか?? 私にはほとんど見分けがつきません。つまり“ほうれい線”の変化に関してはこれ位なのです。そして矯正治療により口元の突出が改善された事で口が閉じやすく上下の唇を合わせやすくなった結果、オトガイ部(下あご下部)の皺(しわ)が治療後に無くなっております。
我々日本人・アジア人(モンゴロイド)に関しては白人(コーカソイド)に比較して口元が突出している事が多いので抜歯矯正をしたから口元が寂しくなるとか、歯が内側に入りすぎて“ほうれい線”が深くなりすぎ老け込んだ顔になるという事はほとんど無いと考えて良いと思います。
では、なぜ最近“ほうれい線”がという話が度々出てくるのか?
SNSやTV等を通したプロモーション広告は当然“商業ベース”だからなのです。
例えば美容や美容医療業界の方は“ほうれい線”を浅く見せるためのクリームの販売やボトックス等の施術プロモーション。
歯科医療業界だと
・非抜〇矯正を主体としたグループ
・歯体移動が苦手なマウ〇ピース矯正グループ
・歯並びの改善は矯正治療でなく歯を削ってかぶせ物にするセラ〇ック矯正を売りにする美容歯科を主体としたグループ
なのかもしれませんね?
様々な思惑があると思いますが、人の不安を煽るような事実と反する内容の発信に関しては厳しく規制して頂きたいと思っております。
それでは!!

















