夫の暴行止めず、責任重大…小4死亡、母も逮捕
千葉県野田市の小学4年栗原心愛(みあ)さん(10)が1月に自宅で死亡し、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件で、県警は4日、母親の栗原なぎさ容疑者(31)を傷害の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
なぎさ容疑者は県警の任意の調べに対し、事件当日は自宅におり、勇一郎容疑者が心愛さんに暴行を加えているのを知っていたと話したという。県警は、暴行を把握しながら止めなかったことで共犯関係が成立するとして、逮捕に踏み切った。
勇一郎容疑者は1月24日午前10時頃から午後11時20分頃までの間、自宅で長女の心愛さんに服の上からシャワーで冷水を浴びせたり、首付近をわしづかみにしたりするなどして、けがを負わせた疑いで同25日に逮捕された。捜査関係者によると、なぎさ容疑者が直接、心愛さんに暴行を加えた形跡はないものの、県警は、勇一郎容疑者を制止しなかった責任は重いと判断した。
1月24日深夜、勇一郎容疑者の通報で駆けつけた救急隊員が、浴室で倒れている心愛さんを見つけたが、既に死亡していた。遺体には古いあざが複数あったという。
心愛さんは2017年8月、沖縄県糸満市から野田市に転居した。同年11月の学校のアンケートで勇一郎容疑者からの虐待を訴え、千葉県柏児童相談所に一時保護された。保護は同年12月に解除され、心愛さんは親族宅を経て18年3月、自宅に戻った。
アンケートを巡っては、野田市教育委員会が18年1月、コピーを勇一郎容疑者に渡したことが問題視されている。