今年もPK戦で幕を閉じた、鳥取県勢の全国高校サッカー選手権。
勝てそう・・・。
というときほど悔しいのがPK戦。
2年連続でそんな幕切れでした。
青森山田は強かった。
が、米子北も思った通り、やっぱり強かった。
相手の方がうまいのはうまいのだけど、
米子北は米子北のやり方を徹底。
勝負に勝つというのは、けっしてうまいだけで決まるものじゃない。
それはこの試合を見てもだし、
「ジャイアントキリング」と呼ばれるものが起こるのもそうだ。
守備を固めた米子北。
人数を思い切り引かせて、というよりは、
あるラインに入ってくる相手に複数で囲むというイメージか。
ボールが動く度に数人が連動してプレス。
お見事としか言いようがなかった。
青森山田はあきらかにいらだちを隠せなかったのだから。
そうしていると、やはり流れはくるもので。
CKから先制。
あと30分。守れるか・・・。
これほど時間が長く感じたことはなかった。
もちろん追加点のチャンスもあったが、
それ以上に意地を見せてきた青森山田。
米子北の運動量がやや落ちたところで、
ドリブル突破を仕掛けてくるあたりは、さすがの一言。
そして10番のその突破から同点にされた。
そのままPKへ。
4番目。
米子北、エースが止められる。
長い助走からだった。
いつもの豪快なシュートは影を潜め、弱々しいキック。
GKにがっちりと止められた。
「後半、両足がつっていた。助走から『やばい』と思った」
とエース。
すでに限界だった。
でも、そうでもしなければPKまで行けず、負けていた。
かもしれない。
だから、仕方がないことだと思う。
あの場面でエースに託したくなるのは。
ここまでチームに勝利をもたらしてきた右足に。
お疲れ様。ありがとう。と言いたい。
そんなこんなで「日本一」という目標は、
主将の涙とともに後輩へ託された。
夢は続く。
国立のピッチを笑顔で去る、その日まで。