シネトーク64『さや侍』●松ちゃんはこの映画で何を目指したんだろう? | ぶっちゃけシネマ人生一直線!
2011年06月24日(金) 02時40分09秒

シネトーク64『さや侍』●松ちゃんはこの映画で何を目指したんだろう?

テーマ:ぶっちゃけシネトーク

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三度のメシぐらい映画が好きな
てるおたくお
ぶっちゃけシネトーク

●今日のてるたくのちょい気になることシネ言

「最近、映画館で予告編を見てて『邦画って犬と難病ものが好きだね~』と思うことが多い」




シネトーク64
『さや侍』
&『大日本人』『シンボル』



監督・企画・脚本:松本人志 脚本協力:高須光聖/板尾創路/長谷川朝二/江間浩司/倉本美津留
出演:野見隆明/熊田聖亜/板尾創路/柄本時生/りょう/ROLLY/腹筋善之介/清水柊馬/竹原和生/伊武雅刀/國村隼


2011年日本/103分/ビスタサイズ/松竹配給(2011年6月11日公開)



※ネタバレしてます! ご注意ください





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●まず『大日本人』と『しんぼる』を観て・・・・


たくお 「CSで『大日本人』と『シンボル』を2本続けて初めて観たんだけどさ、すごいなコレ。コレが劇場にかかったんでしょ? 映画館で観た人の感想が聞きたい」


てるお 「俺、『大日本人』は劇場で観たよ。公開2日目に観に行って客席もほぼ満席だったのに、ほとんど誰もクスリともしてなかった。自分は観客なのになんか気まずい空気に申し訳なく感じたのを覚えてる(笑


たくお 「すごいな、ソレ」


てるお 「映画が終わって場内が明るくなった時の観客の異様なざわめきは今でも忘れられないね。茫然自失で劇場をあとにしたよ(笑)」


たくお 「暗視カメラで『大日本人』を観てる観客の顔を見てみたい」


てるお 「『大日本人』の公開時はあの松ちゃんが監督デビュー作で何を見せてくれるのかとけっこう話題になってたし、世間の期待も大きかった」


たくお 「で、映画を観た観客はハトが豆鉄砲を食らったみたいになってたらしい(笑)」


てるお 「いつも笑いのツボを押さえているはずの松ちゃんなのにこのハズしっぷりはどーしたんだ? とマジで考えたもん」


たくお 「僕は『ごっつええ感じ』『VISUALBUM』はDVD全巻持ってるぐらいハマッてて、松ちゃんの笑いに対する妥協しない姿勢は好きなんだけど、映画ではそれがズレちゃってる


てるお 「すべらない話やトーク番組でタレントをツッコむ松ちゃんも好きなんだけど、『ごっつ』時代の彼が一番光ってた。あのときのコントの完成度は本当に高かったし」


たくお 「今でも松ちゃんのコント番組を観たいと思う時がある。それでやってきた人だし。カッパの親子シリーズとかめっちゃ好きだった」


てるお 「俺はミラクルエースにハマってたなあ」


たくお 「ただ、NHKで9年ぶりにやったコント番組『松本人志のコントMHK』はあんまり面白くなかったけど(笑)」


てるお 「どうも、松ちゃんの最近のコントは『分かる人だけに分かる』的なものが強くなってる気がする。シュールとはまた違うような・・・・」


たくお 「初期の『ごっつ』のような一般ウケするコントをしなくなったのはやっぱ寂しい」


てるお 「だからといってバラエティ番組のコントを映画館で観て面白いかと言われたら、それは面白くないでしょ。松ちゃんには『分かる人だけに分かればいい』という映画を撮ってほしくなかった


たくお 「本人はそういうつもりはないにしても、この2本はどう見ても“分かる人にしか分からない”映画になっている。TVやDVDでコントを観る時は気が抜けてダラダラしながら観てるので、ちょっとしたネタでも笑える。でも、劇場では観客は集中して観ているからそうはいかない


てるお 「映画では観客の笑い声効果音は付けられないからね。それをやっちゃうともう映画じゃない」


たくお 「映画の既成概念を崩してやろうとする松ちゃんのやり方は評価してるし、むしろ映画の枠を超えたもので楽しませてくれるなら歓迎したい


てるお 「でもそれがこれまでTVで散々見せられたものを映画で見せるということじゃないと思う」


たくお 「タダで観られるTVと1800円払って観る映画とでは、作品への受け止め方が全然違ってくるからね。邦画はTVも映画も同じというのが多いけど」


てるお 「なので『大日本人』がハリウッドでリメイクされると聞いてビックリした。ハリウッドもそこまでネタ不足なのかよって(笑)


たくお 「僕は逆に期待してるんだけど。僕みたいな凡人には理解しがたい異様すぎるアノ映画空間をハリウッドがどう調理してくれるか(笑)」


てるお 「ラスト10分でウルトラマンのできそこないみたいなヒーローがトートツに出てくる場面もそのままリメイクしたらスゴイけど


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たくお 「観客放置プレーで話題騒然となったあのシーンね(笑)。実は僕が唯一笑ったのはあのシーンなんだよ。あそこだけ『ごっつ』的な面白さがあった


てるお 「元々のオリジナルが傑作ならリメイクする必要があるか?と思うけど、『大日本人』ならもっとイイものが作れそうな気がする(笑)


たくお 「ぜひ!(笑)」


てるお 「さすがに『大日本人』でコリて『しんぼる』はレンタルで観たけど、これも劇場で観てたら確実にブチギレてたな」


たくお 「僕は『修業編』のところまでは好意的に観れたんだけどね。でもプロレスラーとのつながりと、最後のオチがさっぱり意味不明だった


てるお 「覆面レスラーの話と松本が神になるエピソード、全然いらねえじゃん。俺の中ではあのシーンは全カットだよ」


たくお 「そうなんだよね。全編『修業編』にして、松ちゃんの脱出作戦をめっちゃユル~い『CUBE』みたいな感じで映像化すりゃ良かったのに。エンジェルのポコチン・スイッチを色々と押して、もっとギミックな笑いに徹してくれれば面白かったと思う


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てるお 「てか、ギャグがクドすぎ。箸を大量に出す場面とか、黙々と寿司を食べてるところとか。もっとテンポよくチャッチャッと見せてくれ!とイライラした」


たくお 「笑ったのは醤油が出てくる場面と閉まる扉で腰を何度も強打するリピートギャグだけで、他は尋常じゃないスベリっぷりだったもんなあ。脱出ひらめきの英語解説シーンとかもクドいし」


てるお 「松ちゃんがいちいちリアクション取るところとか、ずっとワーワーわめいてるのもクドいし(笑)」


たくお 「彼じゃなくてこういう空間限定コメディを面白おかしくこなせる俳優さんに任せたらよかったのに」


てるお 「なんだろね、『大日本人』も『しんぼる』も松ちゃんの“お笑い忍耐テスト”を試されてるような感じ。『天才松ちゃんのお笑いセンスに君たちはどこまでついてこれるか』みたいな空気感が漂ってる。ヒネくれた見方なのかもしれないけど


たくお 「どっかの映画サイトで、『しんぼる』に隠された哲学的なテーマを読み取れない人は映画ファン失格だ、みたいな全く意味不明な批評を読んだけど、僕らはそんなもんハナッから読み取るつもりはない(笑)


てるお 「松ちゃんが創造する『独創的なお笑いエンタメ映画』として期待して大いにズッコケた僕は映画ファン失格ってことかい?(笑)」


たくお 「この2作、やっぱり映画というメディアじゃなくて『VISUALBUM』とかバラエティの特番だったら面白く観れたと思う


てるお 「人の感じる笑いなんて千差万別。松ちゃんの笑いが好きな人がいれば、全然苦手な人もいるわけで」


たくお 「松ちゃんも昔から笑いで生きてきた人だから、映画に対しても“笑いの計算”をして撮ってるんだろうとけど、この2作で見る彼の“脳内お笑い革命”を理解できる人はかなり限られそう」


てるお 「映画で“松ちゃん流お笑い”を観るという覚悟がないとあまりオススメできないけど、ま、『世の中にはこういう映画もあるんだよ』という意味では一度は観てもいいかも(笑)






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●結局、野見侍が何をしたいのかが分からない


てるお 「前2作で受けた傷跡がかなり深かったのである程度の覚悟をして観たけど、『さや侍』は意外とマトモな映画だった


たくお 「松ちゃん映画としての個性は薄れてしまってるけど。でも『働くおっさん劇場』しか出たことのない演技経験ゼロの素人のおっさんを主演にして、しかも映画撮影であることを本人に隠して台本も渡さないで撮ったというここでも映画製作の概念を崩そうとしている松ちゃんのこだわりが


てるお 「それってこだわりというより、野見さんをうまく使いこなすためだけの禁じ手のやり方に過ぎないのでは。ま、ある意味、こだわりと言えばこわだりなんだろうけど」

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たくお 「刀を持てなくなった侍が、切腹の猶予として30日以内に笑わなくなった若君を笑わせようと奔走するという着想は面白いと思った」


てるお 「ウ~ン、奔走してないけどね(笑)。どっちかというとやらされてただけだし。ストーリーや演出はやっと映画的になっているんだけど、1本の映画として観たら今回もキツい


たくお 「松ちゃん映画としての見どころは“三十日の業”で繰り出される数々の笑いネタなんだけど、それでもクスッとする程度で終わってしまってるのはもったいない」


てるお 「もっとドカーンとくるものが欲しかった。色々工夫しているけど今ひとつパンチに欠けるし、抑揚のない間延びした演出もキツい」


たくお 「まさに野見さんのワンマンショーなんだよね。この独特の笑いの間も松ちゃんらしいっちゃらしいけど


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てるお 「ただもう3本目だし、映画という土俵に上がるからには、松ちゃんというイメージを捨ててきちんとを作品を見せるべきでしょ」


たくお 「そういう意味では映画の輪郭は出てきたけど、1本の作品としては物足りないと」


てるお 「野見さんを知ってるファンは必死にネタに臨む彼の滑稽な姿だけでも笑えるのかもしれない。でも、『働くおっさん』を観てなくて彼を知らない俺は、素人のオッサンの一芸を延々と見せられてもあまり面白くないのよ」


たくお 「ある意味、“内輪ウケ”映画」


てるお 「ネタにしてもほっしゃんの鼻うどんすすりや首落ちビックリとか、『笑ってはいけない』シリーズで見たことあるものばかりだし」


たくお 「ある意味、ネタ・リサイクル映画(笑)」


てるお 「良かったのは娘役の聖亜ちゃん。無口な野見さんに対して彼女はずっと喋ってる。この対照的な父娘の描写がどこか滑稽で可笑しかったけど


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たくお 「松ちゃんは演技のできない野見さんだけではキツすぎるから子役も出したらしいけど、その判断は正しい。野見さんと板尾の掛け合いだけだったらかなりキツいことになってた


てるお 「聖亜ちゃんの堂々っぷりに救われてるよね


たくお 「松ちゃんも愛娘ができたせいか、野見さんよりも聖亜ちゃんのほうが存在感があるような撮り方をしてる」


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てるお 「そうそう。野見さんも色々と体を張ってるんだけど、聖亜ちゃんに印象負けしてる(笑)


たくお 「一番分からなかったのは野見侍は何がやりたかったのか


てるお 「奥さんを失って刀が握れなくなりすっかり“逃げ侍”となってしまい、娘からは罵倒されっぱなし。この親子関係が話のアクセントになってると思ったんだけど、そうでもないんだよね


たくお 「一生懸命頑張っているのに人が笑ってくれない恐怖感を感じている野見さんがなんか松ちゃんに見えちゃって・・・・。『僕の映画をなぜみんなは理解してくれない!?』という松ちゃんの心の叫びなのでは?


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てるお 「俺も野見侍が松ちゃんに見えちゃった。芸人のプライドを賭けて臨んだ意欲作だろうし、前2作よりも評判が良いから松ちゃんは『笑っていいとも』で嬉しそうにPRしてたなあ」


たくお 「前2作に比べて映画としての体裁は整っているようにみえるけど、ストーリーの運び方があまりうまくない。ラストの切腹がやはりトートツすぎるし


てるお 「それまでずっと一芸を披露するシーンがダラダラ続いてたのに、急に硬派な時代劇になってしまい、観てるこっちはまた豆鉄砲食らったハトのような気分だった(笑)」


たくお 「野見侍がああいう決断を下すまでの描写がないし、伏線も薄いから????になっちゃうんだよ。俺は若君を笑わせる最後の仕込みかと思ったんだけどそうじゃないし


てるお 「アレだとずっと『自害して下さい!』と父を罵倒してた娘のせいだと思われないか? なんか後味も悪い」


たくお 「野見さんが初めて見せた切腹での熱演はすごくカッコよく撮られてたのに、場面として唐突だから違和感が残ったまま。侍のハラキリが日本人の美徳だと思っているなら、それは違うと思う


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てるお 「『最後の忠臣蔵』の切腹シーンがもつ意味合いとは全然違う。あっちは娘をきちんと見届けた男の覚悟みたいなものをヒシヒシと感じたけど、本作はそうじゃないし」


たくお 「愛する一人娘をそのまま残して自害する野見侍に共感できないが致命的だよ


てるお 「父娘の心理描写が浅いから野見侍が娘を愛してたのかどうかも分からないし。初めは反抗しつつも、父親の懸命な姿を見て娘の気持ちにも変化が生じていく。にもかかわらず、彼は娘のために生きようとはしなかった」


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たくお 「生き恥を晒すくらいなら自決を選ぶサムライ魂を描きたかったのかどうかは知らんけど、野見侍はすでに民衆の前で生き恥を晒しているので、なおさら切腹の意味が分からない」


てるお 「戦うことをやめて人を笑わせる生き方を選んだ、とかだったらハナシとして活きてくるのにそれもしなかった松ちゃんの狙いが分からん


たくお 「竹原坊主の語り歌といい、聖亜ちゃんがただの泣かせ要員だけになっちゃってるのといい、最近の邦画にやたらと多い『こうすれば泣けるでしょ』演出は松ちゃんにはしてほしくなかった


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てるお 「切腹してまで刀を手に入れたかったさや侍の最後の勇姿と取れなくもないけど、それにしても説明不足」


たくお 「結局、前2作もそうだったけど、土壇場で“逃げ”に入ってしまってるんだよね。『大日本人』では意味のないウルトラマンもどきを出して終わり、『シンボル』では???な哲学的なシメで終わり、で、今回も理解しがたい自決シーンで終わらせる。観てるほうとしてはすごく歯痒い」


てるお 「観客が見たいと思うものをあえて見せようとしない。わざとやってんのかな?」


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たくお 「野見侍が暗殺者トリオに3度も殺されてるのに薬草でケロッと生き返るこれまた意味不明なファンタジー・コメディのシーンで始まって、最後は彼のハラキリと娘の涙で終わらせる。笑わせたいのか泣かせたいのかハッキリさせないこのもどかしさ! モヤモヤ感がずっと残ったまま


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てるお 「オープニングのノリでずっといくのかと思ってた。最後の切腹だって薬草でケロッと治って『な~んちゃって!』というベタなギャグでシメるとかさ」


たくお 「どうも松ちゃんの中でも整理できてなかったんじゃない? とりあえず侍が主人公、野見さんでなんか面白そうなことができそう、最後は切腹で泣かせる、ちゃんと演技できる子役も入れたい・・・・・と、“カタチ”から入ってストーリーが追いついていってないみたいな


てるお 「どうしてもそう思っちゃうよな。野見侍たちがあんな大掛かりな仕掛けをたった1日で作り上げちゃうのもナゾだし。ま、ソレも含めて笑いを狙ってるんだろうけど」


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たくお 「劇中ではほとんど『切腹をもうしつけ~~る!』しか言ってない伊武さんの使い方もゼイタク(笑)」


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てるお 「前2作ほど退屈しなかっただけに、消化できてないところが多くて話がブレちゃってるのはやっぱり残念」


たくお 「松ちゃん映画としては今回は興収が8位→9位と厳しい出足。これは『しんぼる』の半分程度の成績」


てるお 「1000円デーのレイトショーに観たけど15人ぐらいしかいなかった。けっこう年配の人が多かったよ」


たくお 「さすがに松ちゃん映画アレルギーの人は今回は敬遠しちゃってるみたい」


てるお 「吉本と松竹がこの不入りはシャレにならんと思ったのか、野見さんによる上映館のお客さんお見送りツアーを実施してるけど


たくお 「主演俳優が観客をお見送りするって聞いたことがない(笑)。野見さんって、ホントいい人やねえ」


てるお 「でも、この映画を観たら次回作も期待しようかな、という気にはなる」


たくお 「次回作は大きな花火をドカンと打ち上げてほしい」



●『さや侍』満足度料金

てるお  700

たくお  700円



『さや侍』★★













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