いらっしゃいませ久々の更新です。
昨夜の雨風は激しかったですね。
皆さんのお住いの地域は大丈夫でしたか?
天候の変化がみられるのも、春の訪れが近づいているからでしょうか。
皆さん、なお一層お体ご自愛くださいね。
では早速本題へ
帝一の國(2017)日本
原作は古屋兎丸氏作の漫画です。
『ジャンプSQ.19』にて、2010年の創刊号から2011年の秋号まで連載。
その後『ジャンプ・スクエア』に掲載を移します。
2012年の3月号から2016年の5月号まで連載が続き。
2017年の5月号に完結編となる番外編が掲載されました。
この番外編は映画版の小説に収録されているそうです。
超簡単なあらすじ
舞台は昭和(いつ頃かという詳細は不明)。
日本全国から集まった優秀な頭脳を持つ800人の先鋭たちが集う
名門『海帝高校』で、未来の生徒会長になるために、
若者たちが、全身全霊をかけて、しのぎを削り合い
己と闘う姿を描いた物語です。
赤場帝一は、高校一年にして自らの将来を見据えていました。
夢は総理大臣になる事!そして自分の國をつくること!
今どきの平凡な高校生からすれば、何それ?と思うくらい
大いなる野心を胸に抱く燃える男子です。
実は帝一には、密かに抱き続けて来た、もう一つの夢があり、
むしろその夢のために、自分の國をつくりたいのだと願っていることが明らかになります。
そんな一面を観ると、内面は純真な少年であることが伝わって来る場面です。
しかしながら、やはり帝一は帝一であり、自分の國をつくるためにこれからも
大いなる野心と輝くビジョンを描き続ける・・・というクライマックスに落ち着きます。
海帝高校で生徒会長をつとめた者は、将来政治家となり
内閣入りが確約されているというぶっ飛んだ設定です。
↓
海帝高校の生徒の父君たちは、政財界に太いコネクションを持っている。
あるいは政財界の第一線で活躍する人物たちであるという設定。
入学した瞬間から、すでに勝負は始まっており。
総理大臣を目指すものはルーム長になり、生徒会入りを果たします。
2年後の生徒会長選でのアドバンテージを握るために、
水面下では静かな駆け引きが始まっています。
高校生だというのに、押したり引いたりと心の読み合いがあり、
中でも帝一の立ち振る舞い、やることなすことが大人顔負けなのです
ノンストップ!のストーリー展開で、中だるみも感じません。
すべての能力を使いきり、猪突猛進で突き進む帝一を観ていると
自分の夢の為に、なりふり構わず熱中出来るって…まぶしいな、と感じます。
帝一に限らず、劇中に登場する若者たちのイキイキとした姿は見どころです。
海帝高校の拍手
とにかく学生たちの姿勢がイイです。両腕を背中に回す立ち姿や、
切れのイイ短い拍手も独特のスタイルだと思います。
全てが勝負!勉強も命がけ
政治とは流血を伴なわぬ戦争 (帝一の座右の銘)
16才の男子が、なぜにここまで…と思っちゃうんですけどね。
主な登場人物
赤場 帝一 (菅田将暉)
幼い頃から勉学優秀、品行方正な帝一は、ピアノを愛する心優しい少年でした。
官僚である父によって、徹底的な帝王学を叩きこまれた帝一は…
いつしか大好きなピアノから遠ざかります。
そして、高校一年生になった彼の夢は総理大臣になり自分の國をつくる事でした。
ちなみに写真のシーンは生徒総会で掲揚されている校旗のワイヤーに
アクシデントが発生した時の様子です。
「万が一不手際が生じた時は架空切腹が待っている」
と先輩たちから念を押されており、ご覧の通りのビビリようです。汗
赤場 譲介(吉田鋼太郎) 帝一の父親
通産省の事務次官という設定です。
家長としても、父としても厳格な男です。
昔は、一般家庭でも、こんなお父さんが結構いました。
例えば…寺内貫太郎一家。
典型的な昭和の頑固おやじでしたよね♪
加藤治子さんステキ♡懐かしいお顔ですね~梶芽衣子さんもお美しいわぁ
樹木希林さんに、浅田美代子さんもいらっしゃる
リンゴと蜂蜜とろ~りとけてる秀樹~感激
小学生の高学年の頃だったかな、傷だらけのローラの真似をしたもんです。
ありゃ~気がつけば脱線
ソーリーです。
ただし、寺内貫太郎と赤場譲介の違うところは、
一般家庭と、政治に関わる一族というところです。
何が何でも、息子・帝一を総理大臣にしたいんだ!
という、あまりにも非現実的で、壮大な野望を抱いたところです。
(自分の果たせなかった夢を息子に託すなんて無謀な挑戦ですよね~)
いやはや…二人とも生真面目過ぎるゆえにすったもんだありますが。
その内面には、ちゃんと深い愛情が流れています。
父と子の呼吸がぴったりと合っているのは観ていて気持ちいいです。
ベテラン、吉田鋼太郎さんの舞台仕込みの演技は
こういった喜劇にも見事にマッチしているなぁと感じます。
鋼太郎さんは蜷川さんの後継者として舞台の演出をなさっていますよね。
白鳥 美美子(永野芽郁)
小学生の頃からの幼馴染であり、帝一のガールフレンドです。
良いとこのお嬢さんですが、全く気取りのない心がまっすぐな女の子です。
ガッツがあり、正義感に溢れています。ハイキックが武器です。
帝一にとって、疲れた心をいやすビタミン剤のような役割を果たしてくれる女の子です。
榊原 光明(志尊淳)可愛いけどれっきとした男の子です。
帝一の中学生の頃からの相棒です。(中学時代の生徒会長と副会長)
頭の回転が速く、先を読む力もあります。
様々な発明品を駆使し、優秀なブレーンとして帝一を支えます。
深い洞察力を持ち、情報収集を得意とする光明。
帝一が全幅の信頼を置く人物です。
大鷹 弾(竹内涼真)
とにかく爽やかなナイスガイです。
父親を早くに亡くし、仕事で忙しい母を支えながら幼い兄弟たちの世話をしています。
くよくよしない性格で正義感も強く、クラスの人気者です。
特別推薦枠の超難関試験を通過し、海帝高校に入学します。
政治には全く関心がありませんが、ある事がきっかけとなり
森園先輩の選挙を手伝うことになります。
森園 億人(千葉雄大)
将棋を得意とする彼は印象深い言葉を発します。
「負は敵陣に入ると金に代わります」
「安全なところから叫んでても、何一つ声は届かない
流れを変えるなら敵陣に踏み込まないと」
まさに将棋の戦法を意味しているような発言ですね。
生徒会長選候補であり帝一の先輩。
成績優秀・将棋の達人。
見かけは物静かでおっとりとしていますが、
実は芯の強い、骨太の精神の持ち主です。
生徒会の改革を公約に掲げます。
①努力したものが報われる、能力主義の学風にしたい。
②指名制から、立候補制へ全校生徒全員参加の選挙へと改革したい。
僕はね!勝負には絶対に負けたくないんだよ。
男の子だからね。
猪突猛進タイプの帝一とは、一味違ったタイプのウォーリアです。
氷室 ローランド(間宮祥太朗)
名前からお察しの通りハーフという設定です。
ヘアースタイルも漫画チックですよね。
帝一たちの先輩であり、生徒会長選の有力候補者です。
押しが強く人望もあり、数々の武勇伝を持っているようです。
先を読んだ帝一は、迷うことなくローランドの派閥に入り参謀となりますが…
帝一のライヴァルである、東郷菊馬の入れ知恵によって
ローランドも納得で、生徒たちにわいろをばらまき、実弾作戦に手を出します。
この役は、物語の重要な部分に深く関わっており、
ローランド役の間宮祥太朗さんの演技力が光ります。
そういえば…この方、以前、「必殺仕事人SP」でもお見かけしました。
大ベテランの奥田英二さん、黒木瞳さんとの共演でしたが、
堂々とした演技でした。(悪役)
東郷 菊馬 (野村周平)
子供の頃から帝一を嫉み、常にライヴァル視をしているという役柄です。
父親同士も学生時代から因縁の関係であったことが影響しているらしく。
(菊馬の父は、海帝高校の生徒会長OBで、念願の内閣入りを果たしています)。
帝一の邪魔をすることが彼の生きがいなのか…そのために日々奔走します。
これが漫画や映画の世界でなければ、結構時間の無駄遣いをしているわけで…
もったいないですし、残念な感じです。
その貴重な時間を自分磨きに使うほうが絶対にいいのに…。
‥どんな物語にも敵役がいて、正義が存在します。
菊馬もまた、なくてはならない重要な役だったと思います。
ちなみに、菊馬が陰謀を図れば図るほど、裏目に出るという格好です。
(ここら辺は善と悪がハッキリしていて、観ていてスッキリします)
日本一の名門・海帝高校を舞台に、「総理大臣になって自分の國つくる」
という偉大な野望を抱く赤場帝一が・・・弱冠高1というのも凄い話しですが
己の未来のための足場固めとして臨む、先輩たちの生徒会選挙に
自分の持てるすべての能力を駆使して行く姿が、まさに政治なんですよ。
学校だけではなく、赤場家の様子もちょくちょく登場します。
帝一と父・譲介(吉田鋼太郎)との、父と子のやり取りがとにかくアツすぎ
親子のあり方や愛情表現って、その家によっていろんな形があるんだな
と感じさせるシーンも多々あります。
「決めたよ、光明、僕は修羅の道を行く」
造反を決断した時の光明へ発した第一声。
ここから物語は大きく逆転します。
帝一語録は、言葉の一つ一つに重みがあります。
高校生でありながら、大人顔負けの立ち回りをする姿には
ただただ驚くばかりです。
ところで…2014年から今年まで上演されている、舞台「學蘭歌劇 帝一の國」ですが、
好評のうちに第三章までが上演されています。
その舞台版で主人公・赤場帝一を演じたのが、
今回の映画「帝一の國」で堂山会長を演じた木村了さんです。
では帝一へと戻ります。
糸電話
この糸、かなり長いです。
ちなみに男女交際は禁止となっている海帝高校
もっぱらデートは、このように糸電話での会話です。
帝一いわく、盗聴防止のためだそうですが…
かえって目立つと思うのですが…
なんとも…発想が可愛いじゃありませんか。
帝一の國 マイムマイム♪
劇中、男子生徒たちが踊ります。男だけのマイムマイムの群舞って…
中々お目にかかれませんよ
これは、父・譲介のアドバイスによって、ひらめいた帝一のアイディアです。
「戊辰戦争の時、新政府軍が旧幕府軍打倒の切り札に用いたのが旗だった…」
旗が、人心を集めるための秘策だったと言われているそうです。
輪の中央に立っているのは会長候補である、森園 億人先輩(千葉雄大)です。
彼らにとって、学校の中が一つの社会であり。
その中心に生徒会という政治を司る世界があります。
よく、考えられているなぁと思います。これぞ原作の力ですよね。
帝一独自のファッションも見どころですよ。
菅田将暉さんは、とても細身ですので綺麗に着こなしています。
彼は劇中、ほぼ全シーンに登場しており
凄まじいパワーで、帝一節を演じています。
漫画が原作といえども、シリアスな場面も盛り込まれており。
造反とか、実弾とか、分かりやすい政治ネタが満載なところも見逃せません。
…今どきこんなタイプの高校生は、なかなかお目にかかれないかもしれませんが、
現実離れしている部分も含めて、丸ごと楽しめる作品だと感じました。
気になる方にはお勧めです。
お越し頂きありがとうございます。
動画と画像はお借りしたものです。