以前の記事の続きです。
今回はデータの活用の新分野のなかでも断トツに出題されやすい中央値の問題にしぼって取り上げます。
中央値①(和歌山信愛2024)
下の表は、児童12人の1日の学習時間を調べたものです。中央値は▢分です。
「中央値」とは資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値のことをいう。そしてデータの数が偶数のときは中央にある2つの値の平均値となる。
- ぜんぶで12あるデータを小さい順に並べかえると 30、40、45、45、52、54、60、65、65、70、80、90(45と65は2人ずついる)
- データは偶数個だから中央にある2つの値(54と60)の平均値をとると57
よって▢=57
中央値②(普連土2024算数)
5人であるゲームを行いました。次の資料はその得点です。すると、中央値としては何通りの値が考えられますか。
【8, 14, 17, 22, ▢(点)】
「中央値」とは資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値のことをいう。▢の点数で中央値がどう変わるか場合分けしてしらべると
- ▢が14点のとき…8,14,14,17,22となるから14点。なお▢が13点以下のときも右から3番目の14は動かないので中央値(真ん中にくる値)はかわらず14点
- ▢が15点のとき…8,14,15,17,22となるから15点
- ▢が16点のとき…8,14,16,17,22となるから16点
- □が17点のとき…8,14,17,17,22となるから17点。なお▢が18点以上のときも左から3番目の17は動かないので中央値はかわらず17点
よって14、15、16、17の4通り
中央値と平均値(洗足学園2024第2回)
下の表は、クラスの生徒20人が50点満点のテストを受けたときの点数の結果を表したものです。中央値が27.5、平均値が29であったとき、[ア]×[イ]+[ウ]÷[エ] を計算しなさい。
*見やすさのため2段にわけた
「中央値」とは資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値のことをいう。そしてデータの数が偶数のときは中央にある2つの値の平均値となる
- 「クラスの生徒20人」だから小さい方から10番目と11番目の平均値が中央値となる。そして「中央値が27.5」だから10番目は25点、11番目は30点となる。つまり25点以下が10人いる
- そして度数分布表をみると25点以下の生徒数は2+1+4+ア=7+ア。これが10人だからア=3がまず決まる
- つぎに「平均値が29」より合計点数は580点(=29×20)。一方、表から合計点数を出すと(10×2+15×1+20×4+25×3+30×4+35×イ+40×ウ+45×エ+50×1=580 より 35×イ+40×ウ+45×エ=220 だから)7×イ+8×ウ+9×エ=44…❶
- また表から合計人数を出すと(2+1+4+3+4+イ+ウ+エ+1=20 より)イ+ウ+エ=5…❷
- ここで❷×7をすると 7×イ+7×ウ+7×エ=35。これと❶より ウ+2×エ=9。これをみたす (ウ,エ) は (1,4) (3,3) (5,2) (7,1) の4通り考えられるが、❷も考えると (イ,ウ,エ)=(0,1,4) の1つに決まる
よって ア×イ+ウ÷エ=3×0+1÷4=¼