ルマン24hの事を書くタイミングですが・・・。(汗

ニュルを少し振り返ります。

 

 

 

トヨタ自動車のクルマづくりにおいて、例えば設計しているパーツの仕様変更などを行う場合、稟議などを通し、対策品ができるのに1ヶ月とか2ヶ月とか軽くかかる事もあるらしい。

大きな大きな会社です。決済を取るにしても、トヨタの安全基準をクリアするにしても時間がかかるのは容易に想像できますよね。

 

 

“もっといいクルマづくり“のため、決済にかかる時間を含む、いわゆる”大企業病“を改善する目的で、カンパニー制の導入や、数々の豊田章男社長による改革があると思いますが、それとはまた違った形で TOYOTA GAZOO Racing の活動が、トヨタ自動車に良い風を吹き込もうとしている事をニュルの現場で体験させていただきました。

 

 

Nur24時間耐久レース、木曜日の夜、TOYOTA GAZOO Racingより参戦している #170 レクサス RCにエンジン関係のパーツに耐久性の面で心配な箇所が見つかりました。

その問題箇所は今までの走行では全く姿を見せなかったトラブルで、ニュルの過酷さと、もっといいクルマづくりの為のニュル参戦を選んだ意義を強く感じさせるトラブルでした。

 

 

今回ニュルに仕上げてきたレクサスRCは、トヨタ自動車の社員により、去年のリベンジの意味でも、改善に次ぐ改善を重ねてきたクルマであり、エンジンもまたそうでした。

ニュルの現場でそれらを扱うメンバーも同様のメンバーであり、今回のトラブルを解決する為の対策が、トヨタ自動車の従来の手法では、次の日から始まるニュルブルクリンク24時間耐久レースの決勝に間に合わない事を、誰もが直ぐに感じるトラブルでした。

最悪は、決勝中にそのトラブルが出た際、同じパーツに交換し、その場を凌ぐ事しか出来ないトラブルでした。

 

 

そんな不安な空気に包まれた TOYOTA GAZOO Racing のニュルのピットで、彼らトヨタ自動車のメンバー達が目の当たりにしたのは、レースのプロたちによる、プロ仕事でした。

 

 

木曜日の夜トラブルが発覚して直ぐ、現場に居られたトヨタ自動車 嵯峨専務は、問題のある箇所をチェックし、その対策を自ら考え、それと同時に、ケルンにあるTMG、世界ラリー選手権にTOYOTA GAZOO Racingとしてヤリスで出場しているエンジンを担当する部隊に連絡。当日は休日だったにも関わらず、嵯峨専務の声かけに緊急を要する事を感じTMGのメンバーも“心ひとつに”集結、各分野のスペシャリスト達が嵯峨専務の指示の元、力を合わせて対策部品の製作に取り掛かりました。

 

 

今回の対策品は、非常に製作が困難なパーツにも関わらず、金曜日の夕方にはケルンのTMGからニュルのガレージに到着し、TMGスタッフから現場のトヨタスタッフに引き継がれ、レクサスRCに組み込まれました。

 

 

レースイベントのタイムスケジュールのような明確な時間軸(時間制限)が、普段のトヨタ自動車の業務に無いとしても、普通に対策品を作るのに1ヶ月2ヶ月かかる事を当たり前としている彼らにとっては、レースのプロたちによる作業の早さと、その製品の完成度は、魔法の様な衝撃を感じたと思います。

 

 

こんな経験をニュルの地で体感した彼らですが、ニュルが終われば普通に市販車製造部門に戻ります。そこで彼らは対策品を作るのに1ヶ月とか2ヶ月とかかかるのを今までの様に当たり前と思うでしょうか?絶対思えませんよね。会社の規模は違いますが、彼らは色々な事に対する時間の短縮について、今までの当たり前を壊し、その部署の改善すべき事として、周りに良い影響を与えてくれると僕は信じていますし、嵯峨専務のほんとうの狙いはそこにあったのかもしれません。

 

 

TOYOTA GAZOO Racingの活動で大切な事はこれですよね!?

“もっといいクルマづくり“のための、TOYOTA GAZOO Racingの活動を通じたトヨタ自動車の意識改革。

 

 

僕が現場で何故こんな事に気がついたか、それは、現場に居られたルマン24hのプロジェクトリーダー村田さんからルマン24時間耐久レースに向けて、色々お話をお聞きしていた時の事です。金曜日の夕方、嬉しそうに、子供が楽しみを待つ様に、村田さんがTMGから、その部品の到着を待たれている事に気付いたんです。

村田さんがそこまで楽しみにされる部品を僕も見たくなり、またそれを指揮された嵯峨専務のお話が聞きたくなり、現場のスタッフの感覚、気持ちを知りたくて、取材させて頂いた次第です。

 

 

嵯峨専務・・・トヨタ自動車の専務まで上り詰めた方が、未だに現場でバリバリ細かな技術的な箇所をも考え指揮、指導されるお姿に驚き、その話を聞く若いスタッフの態度にトヨタの未来を感じ、僕は村田さんのご縁から素晴らしい現場を目撃させて頂きました。

 

 

我々のボス豊田章男社長が居ないニュルですが、友山専務がメンバーひとりひとりの気持ちを一つにして、嵯峨専務がメカニックや技術系メンバーたちに寄り添い、そして創りなすTOYOTA GAZOO Racingあの空気感、本当に最高の現場でした。

 

 

こんな経験をしたニュル1年生の若いメンバーは、僕の質問に、力一杯答えてくれました。

 

 

「まずこんな経験をさせていただいた事に感謝します。この経験を絶対無駄にはしない。職場に戻り、この経験を仲間たちに伝え、良い風をトヨタ自動車に吹かせる事が次の僕らの使命です」

 

 

これぞ、TOYOTA GAZOO Racing!!

そう思えた瞬間でした。

 

 

もちろん、その対策品は全く問題なく24時間を戦い抜きました。

 

 











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