週刊ダイヤモンド3月21日号 『あなたの知らない貧困』
は、図書館で借りたり、本屋で立ち読みしたり、
ぜひ、目を通して欲しい号だ。

特に、「Part 3 子どの貧困」に書かれたことは、
今、日本で最も深刻な問題だと感じている。


日本のマスコミおよび政府は、これらの問題を
「個人のモラル」として、「自己責任」としている。
そんな訳があるはずがない!
もしそうならば、税金を徴収し、税金を使う資格はない。
マスコミも政府も存在する価値や意味がない、とも言える。


このまま子どもの貧困が放置されれば、
子どもたちの学力が低下し、
ひいては国力を下げるだろう。
日本の子どもたちが未来に希望を持てず、
今よりも一層荒んだ社会が来ることが、
日の目を見るより明らかだ。


この「子どもの貧困」の問題に対して、
日本の中央省庁および政府、マスコミが
何をどう対応しているのか、見てほしい。
あたかも問題すら存在しないと思えるほど、
何もしていない。


いま、世界的な不況により、進学意欲のある子どもが
経済的理由で進学を諦めるケースが全国で報告されている。

将来、進学の可能性が少ない子どもたちが、
勉強への意欲を持ち、学力を向上させる気になるだろうか?

希望すれば、誰もが進学し、自分の希望する職に就くことが
できる社会にすることが、学力を向上させるもっとも有効な
対策ではないだろうか。


高校への進学率が9割を超える日本では、
高校を卒業できないことは、
その子どもの将来にとって非常なハンデとなる。
これらの子どもたちへに経済的支援をするのが、
もっとも緊急の課題と言えないか。


「全国一斉学力テスト」などという、
民間丸投げによる官の責任回避、
つまり税金の無駄遣いをするよりも、
意欲のある子どもたちに経済的支援をすることこそ、
学力向上、ひいては日本の発展につながる
重要な政策と言えないだろうか。


最後に、この1,2年、経済誌をいろいろ読むようになって
感じているのだが、今、日本のマスコミで、
経済だけでなく社会問題を、唯一まともに報道しているのは、

- 週刊ダイヤモンド
- 週刊東洋経済

の2誌けだと思っている。

すべての号がそうだとは言えないが、
過去のバックナンバーの特集を見れば、
どれだけ社会問題を取り上げているか、
明らかだろう。